リンゴ
「……………………」
「………………。」
沈黙がその場を支配します。
「こ、ここから出たいのですが助けて頂けますか?」
急に片目は透明な膜に覆われました
そして、その膜がしずく型になりこちらに降ってきたのです。
水面が荒れに荒れ少し足元がふらつきます
そこでハッとします
あの片目はこの世界の管理者なのだろうと
「片目さん片目さん、あなたの好きなものはなんですか?」
「グルルルルルルルルルルルルルルル」
「片目さん片目さんお腹がすきました」
「グルルルルルルルルルルルルルルル」
「片目さん片目さん私、歩き疲れちゃいました」
そこまで言うと、突然目の前にリンゴが出現しました。
「片目さん片目さん、これは食べていいのですか?」
「グルルル」
さっきより短い返事
これはイエスってことでいいのかな?
私はリンゴにかぶりつきました。
とてもみずみずしく、甘いですが少し酸味も効いておりとても美味しいリンゴでした。
そして、私はぺろりとりんご丸々一個食べきってしまったのです。
今まですぐお腹いっぱいになりあまり食べ物を食べられなかったので
自分自身びっくりしました。
片目さんはまたしずくを1つこぼしました。
気づいたら水面は私の太もも当たりまで来ておりました。