寂しいよ
ゆらゆら
「悲しいよ………苦しいよ………寂しいよ………」
私の中に声が響きます
「大丈夫、大丈夫だよ。私がいるよ」
ついそう声をかけてしまいました。
そこでハッと思い出します。
私は化け物に丸呑みにされたはず
なら、ここは化け物の中かもしれない
この声は化け物の。
その瞬間目の前が一気に明るくなったように感じました。
膝下までに冷たい感覚、辺りを見渡してみると一面が湖のように広がっていました。
私は出口を探すため何となく歩きだします。
しかし、歩いても歩いてもそれっぽいところは見当たりません。
「いたっ」
周りをキョロキョロと見ながら歩いていたせいか、目の前の壁に気づきませんでした。
それは透明な壁で、所々にヒビが入っております。
そして私は壁から向こう側を見てみて気づいたのです。
「ここ、湖の一番端だ」
壁から向こうは真っ暗でした。
壁を伝えば出口が見つかるかもしれないと思いもしましたが、何故かその可能性は無いんじゃないかという考えが心を占めます。
そんなことを考えてるうちに疲れていき、
お尻が濡れることも気にせずその場に膝を抱えて座り込みました。
ふと、上を見上げると丸い形の穴と何者かの片目が私を見ていることに気が付きました。