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キボウ  作者: ヤシダ
2/5

現実なんて大嫌いだ

くだらないくだらない

吐く息が白くなります


「お姉ちゃん、寒いよ…」


言われてみれば確かに肌寒い気がしました。


どうやってここから出ればいいかさっぱり分からず、とりあえず氷の壁を叩いてみます


「あっ、ヒビ入った」


私はさっきより強い力で氷を叩きます。

すると、そこからどんどん壁が崩れていきました。


氷の壁の先には父親が怯えた表情で立っていました。


「今、何したんだ?」


父親からのその質問に私達は何も答えられません。

私たち自身も何があったのかサッパリなのです。


とりあえず私達は父親に言われて家に帰ることにしました。


父親と私たちのあいだには親子としては少し離れていました。


その後私達は義妹を省いたことに関して

義母にも家の中でたっぷり怒られました。


その日、私達の夜ご飯はありませんでした。



朝はどんな状況でも平等にやってくるものです。


どんなに辛い状況でも小学生である私達は学校に通わなければいけません。


新しい母親が来てからは朝ごはんは自分で用意しなければいけないというルールがありました。


いつも通り自分の分の食パンを焼きます。


冷蔵庫のどこかにジャムがあるはずです

私はガサゴソとジャムを探していました。

そうしているうちに誰かが起きてきたらしいです。階段を降りる音が聞こえました。


「冷蔵庫漁らないでくれる?」


起きてきたのは義母でした。


この日から私は冷蔵庫を開けることが怖くなりました。


その日は焼いた食パンをそのまま食べました。


「行ってきますー!」


姉妹3人で玄関から外へ出ます。

「行ってらっしゃい」の言葉がないことにやっと慣れた頃でした。



「かっちゃんって笑うと鼻が低くなるよね」


縦に並んで登校している時、私の後ろにいた義妹が私に言いました。


近くにいた子がくすくす笑っています。


私は俯くことしかできませんでした。

心がどんどん冷たくなって行った気がします。


教室に入ってやっと少しホッとします


この頃には私にも幼馴染以外の友達が出来ていました。


「あれ?カスミ今日肌冷たいね」


友達が私の腕をぺたぺた触りながら言います。


「今日はいちだんと心が温かいんだよ」


「それはない」


そうやって話しているうちにクラスメイトはゾロゾロと廊下に出ていきました。


今日の朝は集会があるらしいです。


私は集会自体は嫌いじゃありませんでした。


メガネから反射して出来る光の矢を校長先生の頭に指して遊ぶのが楽しかったからです。


私は今日もそうやって遊んで集会が終わると思っていたのです。

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