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『CIVIC』  作者: にじいろ
10/41

010【ZO-!N∀S】



システムデータ修復中

“街”データ修復中

“住人”データ修復中

再構築します

……

再開用プログラム

……

名称不明

名称不明

名称不明

データが存在しません

システム起動できません

修復完了

……

データが存在しません


EMERGENCY


010【ZO-!N∀S】

 ……これは街の名だ。ちなみに発音するなら「サニー・オズ」となる。

 この街ではすべてが上下逆さまなのだ。人々は天井を歩き、地に電灯をつける。重力は残念ながら反転していないが、身につける衣服、特に靴は強力な磁力を帯びているため『天井に落下』することはない。

 常に宙吊りにされている気分で、長時間いると頭に血が上り具合が悪くなる。

 特殊すぎる暮らし故に観光名所となっており、観光客慣れしている住人は優しく、客用の休憩スペース(天地が正常になっているゴンドラのようなもの)が各所に置かれているため利用しよう。

 ちなみに宿泊施設は無いに等しい。

 街というよりはテーマパーク感覚だな。上下逆さまで飲食してみろ、スープとか飲めないぞ! という、お遊びをする場である。

 滞在期間は一日を超えることが出来ない。そもそもの規則だ。

 朝八時頃から街に入ることが出来、夜九時には外に出る……遊園地だな。

 住人は不自由なく暮らしているみたいだが。

 慣れとは恐ろしいものなんだな……。

 ああ、最も目を引くものを紹介し忘れていた。この街では基本が屋内での活動になるが、どの家からでも、そして屋外に出れば必ず目に入るものがある。『空』だ。

 住人が空と呼ぶ、この星の中心まで届いているのではないかという、黒く巨大な大穴だ。


 街の立地を話していないな。

 この街は、巨大な大穴に蓋をする形で存在している。蓋の内側に張り付いて生活しているのだ。

 もちろん地面(天井)を作り安全性はある程度確保されているが、観光客用の休憩スペースであるゴンドラの下に床がなく、足元が大穴、というふざけた場所もある。

 自殺者も多い。


 ……上下逆さま以外の文化は蓋の上と同じなので、そちらで紹介しよう。

 正直そちらに滞在した期間の方が長い。




――――――――――――――――


『歩めども』


『歩めども』


『果ては後を追い』


『終わりは迫る』


――――――――――――――――



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