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記念作品シリーズ

宇宙検閲官

作者: 尚文産商堂

神が何を考えているのかは、全く分からない。

ただ、何をしたいかはわかる。

今までの宇宙というのは、何十、何百もの破壊と創造を繰り返して来ている。

その度に、人が産まれ、育ち、そすて滅んだ。

だが、不思議なことに、同じ人は、一つとしておらず、わずかにどこか違っている。


私は、そんな数々の宇宙を見守るために、神から命を受け、検閲をしている。

検閲と聞くと、大仰な雰囲気であるが、その実、やっていることは物理法則の維持だ。

典型的なのが、裸の特異点潰しである。

一般的に、特異点と呼ばれるのは宇宙に無数に存在している。

だが、宇宙空間とは、事象の地平線と呼ばれる境界線で隔てれている。

一方でごく稀ではあるが、事象の地平線を持たない特異点が発生することがある。

これが、裸の特異点とよばれるものだ。

宇宙ごとに、その発生確率は大きく異なる。

ある宇宙の生涯発生しないということもあれば、誕生から消滅までの間に無数に発生するということもある。

私は、疑われないよう、その宇宙ごとに合わせた方法によって、裸の特異点を消滅することが、一番の仕事だ。

やりかたは、当然無数にある。

魔法に見せることもあれば、判明していない方法で破壊するということもある。

ただ、裸の特異点は、神ですら予想していなかった現象のようで、ここ20個の宇宙では、実験的に物理法則のみで破壊するようにと言われている。

それも、ひとえに神が永遠に生き続けることができる宇宙を育てたいという気持ちからだろう。

それゆえに、今日も私は、神に従う。

永遠に続くであろう、この仕事をしながら。

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― 新着の感想 ―
[一言] 案外、宇宙検閲官仮説って今では崩壊しているようなので(つまり裸の特異点がある!)宇宙検閲官も仕事をやっているふりをしていただけかもしれませんね。
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