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ん? 世界? 壊せるけど……何で?  作者: たしぎ はく
プロローグ ~そして入学~
9/31

九時間目:割り当てられた自室



 寮監が入って来てしばらく。


「全員揃いましたねぇ?」


 中学生くらいの背丈に、茶色いふわふわしたロングヘア。青系のカジュアルスーツの上下に青いハイヒール。眠たそうな双眸。間延びしたその喋り方は、


「小村先生じゃないか!」


 そう、小村先生だった。


「そうですぅ。人材不足なのでぇす。小村先生改めぇ、小村寮監でぇす☆」


 最後にウィンクを一つ。…あまり触れないでおくことにする。何か深みにはまりそうだからな。


「寮にはぁ、消灯時間に起床時間はありませんがぁ、学校には遅れないようにしてくださいねぇ? それと、寮にはぁ、この階にありますのでぇ、ここで食事を摂っていただいても結構ですぅ。昼はぁ、弁当も売ってまぁす。利用してくださいねぇ? ではぁ、何か質問はありませんかぁ?」


 誰も何も言わない。何だかんだでこの先生、説明するのが上手い。


「ではぁ、部屋割り表を配りますねぇ? 部屋はたくさんありますのでぇ、一人一部屋ですぅ。あ、部屋

の鍵はぁ、生徒手帳であきますのでぇ、鍵はありません~。他にはですねぇ、部屋にある備品は全て支給ですのでぇ、自由に使ってくださいねぇ?」


 そういって小村先生はプリントを配り始めた。俺は、……一三号室か。微妙に縁起悪いな。


「あ。そぉだ、消耗品はぁ、無くなった時に購買で買って下さいねぇ?」


 と言って、指差した先に購買はあった。


「プリントを受け取ったらぁ、今日はぁ、もうこれ以上何も無いのでぇ、解散としますねぇ? あ、でも

でもぉ、明日の朝はぁ、五時に教室集合ですのでぇ、遅れないようにしてくださいねぇ?いくらもう春休

みと言ったってぇ、一般生徒の一部が寮に残っていますのでぇ、集合時間は早めでぇす。ではではぁ、鍵を取りに来てくださいねぇ」


 俺は、とりあえず部屋に向かう。


「と、一三号室は、と。……お、あったあった」


 裏ロビーから階段を上がった二階(……二階?)の、一番端っこに俺の部屋はあった。


 ドアには白紙の紙がついている。きっと表札だろうな、と、その紙をとりつつ部屋に入る。後で名前を書いておこう、と心にメモする。


 部屋は、確か四畳半の1LDKって小村先生は言ってたな、と頭の片隅で思い返しつつ、新しい我が家の中を探検する。


 さすが超有名私立高校だな。床はもちろんフローリング、壁紙は落ち着いた白。おまけにユニットバスと、トイレまでついてる。それに、ベランダもあるな。


 極めつけは、家具がすでにある。


「すげぇ、ベッドなんて始めて見た!」


 俺の家は貧乏だったので、いつも床で布団敷いて寝てたからな。これはテンションあがる。これで毎晩寝ていいの? お金とか取られない?


 部屋にはキッチンがついていて、小型冷蔵庫もある。試しに開けてみると、


「ま、何も無いよな」


 急にテンション下がった。

 




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