表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ん? 世界? 壊せるけど……何で?  作者: たしぎ はく
二章 ~決闘をしよう~
28/31

六時間目:鈴vsフェイ


「え~、三神は竜尾さん、破壊翼は多賀さんですねぇ。準備は言いですかぁ? では、始めぇ!」

 鈴とフェイは特殊教室の中央辺りで対峙している。


「なぁ、狩麻くん見てて思ったんやけどさ、狩麻くん、戦う時性格変わってへん?」

 そうだろうか。自分ではよく分からない。


「性格変わって変」

「言い切られた! 何? 俺そんな性格変わる?」

 表護は、手をひらひらさせ、


「なんや、元気やな」

 ……気をつかってくれた、のだろうか。表護のくせに、結構気が回るじゃないか。

 さて、鈴とフェイだが、俺が思索に耽っている間に、結構激しい事になっていた。

 まず、鈴。両手から薄黄緑色の光弾を次々と放っている。

 フェイは、その光弾を、水の膜を張って防いでいる。

 フェイの能力は確か、幻界の水竜の加護を受け、水を自由に操る能力だ。ただ、この能力の欠点は、


「狩麻くん、見て見て! フェイちゃんが裸やで! あぁ、くそ、水邪魔! ぎりぎりで見えん!」

 そう、水を発生させる事はできないのであった。

 つまり、能力を常時使用するには、常に水を持ち運ぶ必要があるのだ。フェイの場合、衣類に水を変化させて持ち運んでいるようだ。


 ドゴォン


 今の音は、鈴とフェイが戦う音ではなく、鈴の光弾とフェイの水の槍が激突した音である。

 

 何に? 


 表護に。


 本当に変態だな、表護。このまま起きてくるな。

 鈴は、光弾だけでは水の壁を破れないと思ったのか、薄黄緑色の光を細長く伸ばし、槍のようにして飛ばしている。次弾は体の回りに浮いている。

 一方フェイは、今は水の壁で光槍を防ぐだけで何もしていない。

 …と、なんか空気が乾いてる気がするな。


「なあ、狩麻くん。今ちょっとフェイちゃんの裸が見えた気がするねんけど、気のせいやろうか」

 あぁ気のせいだ、気のせい。それはあれだ、強い衝撃を受けたときに目の端がチカチカするあれだ。


「大丈夫か、表護?」

「何を心配されたーッ? 体? 違うな、何でや? 何で心配された?」

「頭に決まってるだろ」

「さらっと貶されたーッ」

 ……喚く表護はとりあえず放置して、試合に注意を向ける。

 依然、鈴は光弾と光槍を打ち込んでおり、フェイは水の壁でそれを防ぎ続けている。心なしか、フェイの水の壁が分厚くなってる気がする。

 しかし喉が渇くな。

 数で押し切ることにしたのか、鈴は光弾を撃つ回転数と数を増やす。

 と、その時、水の壁が真ん中に収束し、荒れ狂う竜巻になった。


「っな! 無理無理無理無理! 防げないから!」 

 あぁ、さすがに鈴でもあの竜巻は防げないのか。

 フェイの周りにも最低限の水の膜が張ってあるし、これはもう鈴の負けだろうか。

 しかし、明らかにフェイの操る水の量が最初の頃より三倍くらいになっている。


「どう、多賀さん。さっきから、空気が乾燥しないかな?」

 乾燥…。喉が渇く…。フェイの水の量が増える…。

 そうか!


「空気中の水分か!」

 鈴と異口同音に声が被る。

 なんだ、簡単なことじゃないか。フェイは鈴の攻撃を防ぎつつ空気中の水分を集めていたのか!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ