九時間目:班名決定(中二病ですが)
「よし、じゃあ、これを組み合わせるんだ」
「あぁ、なるほど、こうやったら、みんなの分の特徴も入って良い感じやな、確かに」
ポン、と手を打ちながら表護が言い、その後考え始める。
二人が考え込んだので、さっき思いついた班の名を言ってみた。
「いいなぁ、それ。それにしよーや」
「それいいわね。あたしもそれがいいわ」
おぉ、我が班の名前がやっと決まった。
で、肝心のチーム名だが、
『炎纏う破壊の翼』
になった。……仰々しい名前だけど、結構いい感じだと思うんだ。なによりかっこいい。
……廚二病とか言った奴出て来い。漫画の登場人物はなぁ、そういうの乗り越えて強くなるんだよ。
知識を詰め込む一ヶ月間の授業期間は、長くなりそうだな、と密かに思った。
次の日から、一週間、何事も無く授業を受けた。
しかし。
入学から九日目、事件(?)は起きた。
☆ ★
「姉ちゃん、コードCとの接触に成功したで」
『首尾はどうですか、《炎髪の魅》』
「えーっとな、うまい感じに同じ班になれたわ。もう一人も可愛い女の子やし」
『そうですか。我が家では不純異性交遊は禁止ですよ』
「固いこと言わんといてーな」
『…………』
「わかってるって。やっぱり姉ちゃんが一番可愛いから。そんなにすねないでくれよ、可愛いなぁ」
『……関西弁が怪しくなっていますよ』
「いいんだよ。別に誰もいないし」
『もし誰かに聞かれでもしたら危険です』
「わーかってるって。もう、姉ちゃんは心配性やなあ」
『当たり前のことを言ったまでです』
「というか姉ちゃん、この会話自体聞かれたらまずいんやから、別に口調どんなでもいいと思わへん?」
『もちろん、貴方のことですからちゃんと対策をうっているのでしょう?』
「当たり前やんか」
『なら何も心配はありません。……さて』
「わかってるって。次の段階やろ? コードCの戦力を測る。現在その仕込みの段階やから」
『そうですか。たまにあなたがちゃんと仕事をしているのかと不安になる時がありますが、安心しました』
「あっれー? なんでこんなに信用ないんやろ……? 今までミスしたこと無いねんけどなぁ」
『その軽薄な性格のせいですよ』
「いや、これ作り物やし」
『百パーセント、ってわけでもないのでしょう?』
「うー、まあ、そうやけどなぁ」
『……あなたと話しているとどうも本題から全力で遠ざかっている気がしますね……』
「それは気のせいやで、姉ちゃん」
『わかってますよ。ちゃんと仕事をしてくれれば私から何もいうことはありません』
「りょうかーい。じゃー、おやすみ、姉ちゃん」
『ええ、良い夜を』




