表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ん? 世界? 壊せるけど……何で?  作者: たしぎ はく
一章 ~班分けをしよう~
18/31

六時間目:いや、わからんから



「……あげく、親にまで見捨てられたわ。あたしは、研究所みたいなところに売られた」


 その美貌に浮かぶ笑みが、自嘲か、それとも、無理に笑っているのか。俺には判断できなかった。


「あたしには、友達どころか頼れる人も、親も居ないわ。だから、あたしは人見知りなんてものじゃない。対人恐怖症よ」


 予想以上に重い話が来てしまった。どうしよう、これ空気重くね? 


 ていうか、そんなことより、俺は、鈴の周りの人間に今、俺は怒りを覚えた。


 だが、過去は変えられない。だったら、変えられるのは、今だ! 俺が友達一号になってやる!


「鈴、俺が居る。俺が友達になってやるよ。俺はお前を化け物なんて思わない。俺も、充分化け物だからな。だから、誰にもお前の事を化け物なんて呼ばせない。もし呼んだら俺がぶん殴る。俺と、友達になってくれないか、鈴?」


 呆気に取られたような顔をしている鈴と、ニヤニヤしてる表護。でも、一度言った事は取り消せない。


 意を決したように、鈴は両手を顔の前に持ってくると、手を合わせて、頭を下げた。


「狩麻ごめん! この話全部嘘!」


 ふうん。嘘だったのか……は? はぁ?


「えっ? えと、何が?」

「だから、さっきの話! あれね、嘘。ごめん!」

「え? は? 何で嘘?」


 思考がよくまわらない。落ち着け俺。とりあえず深呼吸。す~、は~、す~、は~。


「さっきの話で同情を見せたら同じチームの奴等を下僕にしようと考えてたの」


 ふぅ、深呼吸のおかげか落ち着いた。


「で、なんでばらしたんだ?」


 そう黙っとけば絶対気付かなかった。それくらい、鈴の演技は完璧だった。ていうかそんなの初対面で

気付くか。


「いや、あのね? 狩麻があそこまで言ってくれて、嬉しかったんだ。それで、騙してるのが悪い気がしちゃって……」


 それでか。


「……それに、かっこよかったし、凄く……」

「ん?」


 よく聞こえなかった。聞き返してみる。


「何て言ったんだ? はっきり聞き取れなかったから、もう一回言ってくれ」


「……かっこよかったって言ってんの!(真っ赤)」

「おぉ、そうか(耳まで真っ赤)」

「痛! 忘れられてた思ってたら、でこピンて。三メートルくらい吹っ飛んだで?(血で顔が真っ赤)」


 それは、表護が俺と鈴のことをニヤニヤニヤニヤニヤニヤ見てたからだろ。後自分の攻撃が無茶苦茶な威力の事を忘れてたごめん。


「……(顔が真っ赤)」鈴。

「……(耳も真っ赤)」俺。

「……(血で真っ赤)」表護。


 誰か、この気まずい空気入れ換えて! 助けて! ヘルプアス!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ