表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ん? 世界? 壊せるけど……何で?  作者: たしぎ はく
プロローグ ~そして入学~
10/31

十時間目:寮食堂




 他に何か無いかと、ベッドがあった部屋を見に行く。おぉ、学習机がある! 前住んでた家では食卓兼学習机だったからな。

 

ちなみに、さっきリビングを見た時、綺麗な木の机が置いてあるのも確認している。すげぇ、家に二つも机がある! 落ち着け、落ち着け俺。今日はどうかしている。


 時計(枕元にあった)を見る。そろそろ食堂が開く時間だな。


 部屋の入り口の所にあるスキャナに生徒手帳をかざす。残金を確認しようと思っただけだが、表示された金額を見て、目を見張った。


 残金が、十万円もある。一瞬、遺産も入っているのかと思ったが、美杉は全てを捨てて、と言っていたから、これは全て前金として振り込まれたお金なのだろう。


 部屋のドアにも生徒手帳をかざし、開錠する。入るのも出るのも生徒手帳が必要なら、無くせないな。無くしたら大変な事になりそうだ。いや、なるな、必ず。


 廊下に出ると、自動でドアが施錠される。出る時にも生徒手帳が必要なのは、締め出されないようにする意味合いもあるのだろう、多分。


 とにかく飯だ。寮食堂に向かおう。


 ☆ ★


 券売機に生徒手帳をかざし日替わりランチの食券を買う。


 それをカウンターごしに渡す。


 厨房にいて俺の食券を受け取ったのは、中学生にしか見えない幼い見た目、茶色いふわふわのロングヘア。割烹着を着て、頭には白い帽子。いつも眠たそうな双眸。間延びした喋り方は、


「小村先生じゃないか!」


 そう、どこからどうみても小村先生だった。


「そうですぅ。人材不足なのでぇす。小村寮監改め、小村シェフでぇす☆」


 この人は本当に、何やってるんだろう。あとウィンクするな。なまじ見た目が綺麗なだけに、無駄にドキドキする。


「日替わりランチですねぇ?」


 厨房の奥に向かって繰り返す。日替わりランチ入りまぁす! その後、厨房の奥に入り日替わりランチ

を持って出てくる。


 おい、自分で作るんならなんで奥に復唱した。


「はぁい、日替わりランチでぇす」


 小村先生から日替わりランチを受け取り、空いている席を探す。というか、ほぼ空席だった。浮かれす

ぎて、どうやら早くに来すぎたみたいだ。まぁ、まだ食堂が開いてから二分しか経ってないからな。


 食堂の席は、四人がけの席と、二人がけの席があり、更に、四人がけの席が二つくっついて八人がけに

なっている席がある。大体、四〇人くらいは座ることが出来そうだ。


 壁際の二人がけの席に座り、手を合わせる。


「いただきます」


 食べ物と作ってくれた人に感謝する。基本だな。


 本日の日替わりランチ、メニューは豚のしょうが焼きに、キャベツの千切りと味噌汁、白飯がついてい

る。味噌汁の具は、(たけのこ)だな。軟らかくて美味い。


 そんな事を考えているうちに食べ終える。


「ご馳走様でした」


 ちゃんと手を合わせて。食べ物と作ってくれた人以下略。


 トレーにのっていたそれを、カウンターの返却エリアに返し、今日は部屋に帰ることにする。


 結局、部屋に帰るまで廊下では誰とも会わなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ