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貴方の幸せをいつも願う

作者: rudo

子供の(後継)の話です


少しでも読みたくないと思う方は、

読まないでスルーしてください。



…………………………………………………



私とカイヤは学園で知り合った


席が隣どおしになり、知らない人だったが穏やかな人だとわかった瞬間、

緊張も溶け、話すことも平気になった。


2年になりクラスが変わったが、相変わらず会えば話すし、お昼も一緒に食べていた。

2年の終わりごろから付き合うようになり、私達は将来を誓い合った


カイヤの家は代々続く神官の家だ


カイヤは五代目になる


卒業と同時に私達は婚姻した


カイヤは優しくて私を大事にしてくれた


休みの日は私を連れていろんな所へ連れて行ってくれる


2人で旅行へにも行った


美味しい物を食べ、2人で山にも登った


想い出の湖へ行き、シートを敷いてサンドウィッチを食べ、湖の周りを散策したり、誰が見ても仲良しな夫婦だった



4年が過ぎても相変わらず私達は2人で色んな所へ出掛けて幸せな時を過ごした


5年になった頃、


「ミリヤ、話があるんだ」


「なあに?」


「ごめん、離縁して欲しいんだ」


そう言って、カイヤは下を向く


私は目の前が真っ白になった


少しの間、私達は無言になった


その時、ノックもせず部屋に人が入ってきた。


「カイヤさん」


そう言った人を見れば、1年前くらいから我が家に良く顔を出す令嬢だった。



「話、終わった?」



「ちよっと、待ってて欲しい」



「いえ、私からも話すわ」そう言いながら、カイヤの隣に座った。


「えっ?」


「ミリヤさん、貴女には子供ができなかったでしょ?だから私がカイヤさんに嫁ぐことになったのよ」


「……」


「だって、仕方がないでしょ?

貴女に子供ができなかったんだから。

だから私が跡継ぎを産むのよ。

書類を用意したからサインして出ていって欲しいの」


「そう……ですか。

カイヤ、貴方は彼女とそのつもりだったの?」


「僕は跡継ぎだ。だから、次の後継ができないと困るんだ。これからは、彼女と夫婦になり、過ごしていくことを了解した」


「そう……ふっ。もしかしたら……もうお2人は前からそのつもりでいたのね」



「えぇ。2人で色んな所へ出かけてたわ。貴女には内緒でね。カイヤさんのご両親に協力してもらって。いつでも夫婦として、過ごせるわよね?カイヤさん。」


「……そうだね」



「わかったわ。期待に添えなくて申し訳ありませんでした。」



2人と一緒の部屋にもういるのが辛く部屋を出る



待ってたように義両親が立っていた


「ミリヤさん、ごめんなさいね。

跡継ぎを産んでもらえないと困るから、貴女には出ていってもらいます

この書類にサインをしてちょうだい」



「はい」




その後、どう過ごして家を出たかわからない


実家へ帰れば、両親が抱きしめてくれた


私達と仲良くしてた友達も、隣国から会いに来て怒ってくれた。


「何よ!カイヤって、あんな奴だったの?悔しい。

ミリヤ、私と一緒に隣国へ行かない?

今から勉強して家庭教師の試験を受けて働かない?」 




「そうね、もうあの人の側にはいられないわ」



私は友人と一緒に半月後、隣国へ旅立つ



「カイヤ、貴方の幸せを祈ってるわ」









カイヤ


僕はミリヤが大好きだった


本当は別れたくはない


何故子供が出来ないんだ


ミリヤは気がついていなかったがだろうけど、3年過ぎたころから焦っていた


5年が過ぎたら、別れさせられてしまう


4年目になると親の紹介で1人の令嬢と会わせられた。


気が強そうな僕の嫌いなタイプだ。


ミリヤに内緒で何回か親から言われて出かけた。

まだ婚姻もしてないのにベタベタ触ってくる。気持ち悪い


5年になった


もう終わりだ


ミリヤに別れを伝えろと、母に言われた


呆然とした泣きそうなミリヤを見るのが辛かった


そんな中、あの女が入ってきて隣に座った


さも僕ともう関係があるような言い方


ミリヤ、違う


僕はこんな女は嫌いだ


泣き笑いのような顔をしてミリヤが部屋から出ていった


女が僕にしなだれかかってきた。


嫌だ。だが……この女と後継を作らねばならないのだ











隣国へ今日の夜の便で旅立つ


カイヤが婚姻したと、噂になっていた。


大好きなカイヤ「幸せになって……」


両親と別れの挨拶は、辛かった


何故こんなに両親は泣くのだろう?


ほとぼりが冷めたら会い帰ってくるわ


そう言う私に、辛そうな顔をする母親。

 

「そうだな。そうだな。」と泣く父親


もお、なんでそんなっ!


永遠の別れじゃあるまいしっ。


「じゃあ、行ってくるからね!

絶対いつか会いに帰ってくるかるね~」 



船に乗って陸から離れた時、


「さようなら」と、カイヤ永遠にさようなら




隣国に着いて対馬車で移動


何人か男性も乗っていて、ちよっと怖い


アリアドネに「着いたから降りるわよ」って言われて降りたら広い屋敷。



「ここ?」


「そうよ!ここはね、貴女が住むところよ!私は直ぐ近くに住むから問題ないわ。さぁ、行くわよ」


「おじゃまします」


「やだ、ミリヤったら。貴女の家なのよ」


「だって、こんな広い所。1人じゃ」

















「ミリヤ」





「えっ?……………カイヤ?」



「ここは僕たちの家だよ」



「なんで?なんでいるの?あの人と婚姻したって………」



「家を出てきた。いや、捨ててきた」



「だって、それじゃあ」


「あんな薄情な親なんていらない!

あんな気持ち悪い女となんて、絶対いやだ!僕には、大事なミリヤがいる。」



「ミリヤ、あのねカイヤさんと私とミリヤの両親と1年前から少しずつ相談していたのよ。

もし、離縁と言われたら実行しようと。

2人を逃がそうって。

だから、この国で2人で幸せになってね」




「ミリヤ、僕は籍を抜いてきたから追いかけられることもないよ。2人でこの国で幸せになろう」



「カイヤ」


うぁ~ん。ミリヤはカイヤに抱きついて泣き続けた。。



あの時の……両親の思いがわかったから尚更だ。







私達は遠いこの国で、生活を始めた


私は試験に受かり家庭教師。


カイヤは神事の仕事をしている


子供ができないことがにストレスだったのか、この国へ来て1年過ぎた頃、私達は待望の子を授かった。

産まれた子供はカイヤに似ている


あんなに悩んでいたのが嘘のように、

直ぐに2人目もできて、これからは気をつけなければいけないね。と、カイヤと笑った。





その頃






カイヤの両親は、頭をかかえていた


息子が逃げた事で、婚姻する気だった令嬢は余程頭にきたのか、

部屋にある調度品を片っ端から壊し、破壊していった。

カイヤは見た目が美丈夫だから、令嬢はあんな素敵な人と婚姻できると喜んでいたから尚更だ


壊されても自分達が選んだ令嬢なので、文句も言えない。

息子が逃げたことで、請求もできない。



そして………風の便りで息子が元嫁と一緒にいて、子供が授かってると言う。


2人の友人が、わざと両親に聞かせて

罰を与えた



両親は、自分達がしたことを悔いた。



後継がいなくなったカイヤの家は、廃業を余儀なくされた。








     

        おわり




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