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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私が悪かったんですか?

作者: 華城渚


「行ってきます。」 

私はそれぞれの部屋に挨拶をして家を出ました。



数カ月前、私は付き合っていた彼と大喧嘩してしまいました。

同棲してて、結婚を間近にしたところでこんなことになるなんて思いませんでした。


馬鹿ですよね......もっと話し合えばよかったのに......


でもいつまでも気持ちを落ち込ませるわけにはいきません。

そうじゃないと彼に怒られてしまいますからね。


いつも彼と買い物に来ているスーパーに着きました。

いつもは彼が率先して食材を選んでくれるのですが、今日は私しかいません。

私一人でもできるってところを見せたくて張り切ってしまいました。


料理をするのは決まって彼の当番でした。私がすることもありましたが、毎回冷凍食品ばかり並べて怒られてばかりでした。


そんな私ですが、最近料理を練習しているんです。

慣れない包丁も最近はだんだん手に馴染んできたと思います。

彼に見られてると思うと、少し恥ずかしいですが、頑張って成長した姿を見せないとですね。



「......」

買い物を楽しんでいるとき、ふと何かが後ろから聞こえた気がしました。

すぐに後ろを振り向きましたが、気配は感じませんでした。

きっと誰かが独り言でも言ったのでしょう。 ほかの客も気にしていない様子からそう断定して買い物を進めることにしました。


ですが先ほどの声は気のせいではなかったみたいです。

時間が経つにつれその声がだんだんと近づいてくる気がするのです。

でも何を言っているかは聞きとることができません。


このスーパーに長居し続けるのはよくないと思い、レジに向かうことにしました。

その時には声はすぐ後ろまで迫ってきていたと思います。



もう少しでレジに着くといったところでしょうか。


「ゆるさない......」

そう耳元で聞こえた時、私は体から力が抜けていきました。


その場に私は横たわり、辺りは血で染まっていくのを感じます。

ああ、彼はきっと許してくれなかったんでしょうね。

死んでからもずっと私を殺す時を待っていたのでしょう。


罪の重さを感じながら、私はこの世を去りました。



「本日のニュースです。

昨夜○○〇スーパーにて、店内で女性が亡くなっているのが発見されました。

死因は何者かによる刃物を使った失血死だと思われます。

また亡くなった女性の自宅から、男性の遺体が発見されましたが、その遺体は自宅のそれぞれの部屋に頭、体、腕、足と分けて置かれており、事件性があると見て捜査を続けています。」


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