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クラス…②

「皆さん落ち着いてください。

 ここは私が創り出した現実世界とは

 異なる空間、いわば仮想空間です」

ローズ先生が説明を始める。

「ここでは私が対象とした人物は

 どんな大怪我をしたとしても即死でなければ

 瞬時に回復させることができます。

 本来ならあらゆる弱体化効果も無効化させることが

 できるのですが、今回はそれをしてしまうと

 『能力』をうまく発動できない生徒も

 出てきてしまうのでキャンセルしています。

 今から皆さんにはここで30分ほど自由に

 してもらって構いません。

 『能力』を見せ合うのもよし、

 誰かと戦うのもよし、

 お花畑で遊ぶのもよし、

 本当に何をしてもらっても

 構いませんができればお互いの交友が深まる

 時間にしてくれると嬉しいです。

 それでは先生は少し席を外しますので

 自由に過ごしておいてください」

そう言い残すとローズ先生は突然姿が

見えなくなってしまった。

「さて、いきなり自由に過ごしてと言われても

 何をしようか困りますね」

ジンが話しかけてくる。

「とりあえず他のやつの『能力』を

 見にいこうぜ」

俺は『能力』にどんなものがあるのか知りたかった。

「そうしましょうか、

 それでは一人目はあそこに一人でいる

 先ほどの知人に話しかけてみますか?」

ジンが指を差した方向を見るとそこには

あの眼鏡がいた。

「あんまり気乗りはしないが、

 たしかにあいつの『能力』も気になるしな…

 よし、聞きにいこうか」

そういうと俺たちはジンに話しかけにいった。

眼鏡は俺たちが近づいてきた事に気がついたのか

嫌そうな顔でこちらを見ていた。

「先に言っておくが君たちと話す事なんてないよ」

メガネが追い払うように手を払いながら言った。

「おい、お前どうせ暇なんだろ?

 お前の『能力』見せてくれよ」

俺は単刀直入に聞いた。

「なぜ君たちに僕の『能力』を見せないと

 いけないんだよ。

 これだからバカはダメなんだよ。

 交渉のやり方というものが分かっていない」

メガネは呆れたような顔で言う。

「ジンもう行くぞ、

 こいつの『能力』はとても人様に見せれる

 ものじゃないらしい」

俺は押してダメなら引いてみろ作戦を実行した。

「おい、それは聞き捨てならないな。

 いいだろうそこまで言うなら見せてやるよ

 それでもって君のようなバカでも

 分かる僕の凄さを見せつけてやる」

どうやら作戦は成功のようだ。

「『未知予測』」

眼鏡がそう言うと黒色だった目の色が

青色へと変わった。

しかし、見た感じそれ以外は特に変化がなかった。

「なんだ?目の色を変えるだけの『能力』か?」

俺は眼鏡に聞いてみた。

「いかにも君らしい感想だね、

 知性のかけらも感じない感想で僕には

 とてもじゃないが思いつかないな」

コイツはいちいち馬鹿にしないと死んでしまう

病にでもかかっているのだろうか。

「なら一体どんな『能力』なんだよ?」

俺は癪に触るが『能力』の詳細が気になるので

改めて聞いてみた。

「この状態の僕はね『未来』を見ることが

 できるんだよ」

眼鏡は自慢げに説明した。

「未来を?何だよそのチート能力」

俺は驚いた。

それがもし本当ならチートもチートだからだ。

「君、嘘ついてますね」

先ほどまで黙っていたジンが話し出す。

「僕の『能力』はね、相手の言動が嘘か本当かを

 判断することができる能力なんだ。

 だからもう一度僕の前で『君の能力の説明』を

 してくれないかな?」

ジンが眼鏡に詰め寄る。

「なんだよ、気持ち悪いな。

 説明すればいいんだろ?

 僕の『能力』は相手の仕草やそれまでの思考から

 相手が次するであろう行動の中から

 最も高い確率のものを脳内で映像として

 見ることができるんだよ」

眼鏡は少し怯えたように説明する。

「…………うん。

 今のは本当のようですね。

 『嘘』なんてついてたら『本当』に

 分かりあうことなんてできないですからね。

 良かったよかった」

ジンはどうやら満足したようだ。

「今の説明が本当だとすると、

 お前が見る『未来』というやつは

 高確率で当たるというだけで

 本当の未来を見ているわけじゃないんだな」

それでも十分強力な『能力』だがな

そう思ったがコイツを褒めるようなことは

言いたくなかったのでそこまでは言わなかった。

「なんだよ、それでも十分すごいだろ。

 まぁいいさ、僕の『能力』の真価は

 ここからだからね」

そう言うと眼鏡は片方の手を空に掲げた。

「『精霊降臨【火ノ鳥】』」

眼鏡がそう唱えた瞬間、眼鏡の背後に

でかいゲートのようなものができたかと思うと

その中から俺たちの身長の2倍はある

でかい鳥が出てきた。

「はっはっは、どうだ見たか‼︎

 僕は先祖代々受け継がれてきた精霊術を

 使うこともできるんだ」

眼鏡が自信満々な顔で言っている。

「へぇー、精霊術はたしかに凄いですね。

 僕も実際に見たのは初めてです」

ジンも感心している。

もちろん俺は精霊なんて見たことも聞いたこともない

「その鳥は何ができるんだ?」

俺は眼鏡に聞いてみた。

「実際に見せてやるよ、

 僕とこの子との相性の良さをね‼︎」

眼鏡はそう言うとその鳥に跨り、

それと同時に鳥は翼を広げ高く飛び上がった。

「さぁ構えろ、いくぞ僕の必殺奥義」

高く飛び上がった眼鏡がそう言うと

その鳥が燃え盛る炎を纏い始めた。

そして勢いよくこちらに向かってくるではないか。

「おっと、これはマズイですね。

 タイミングよく避けるしかなさそうですね」

ジンは悠長にそんなことを言っている。

あんなのが当たれば1ヶ月は立ち上がることさえ

できないだろう。

「さぁ来ますよ、3、2、1、避けろー」

ジンがそう言って横に跳んだ。

俺もそれに合わせるように跳んだ。

しかしそんな労力も虚しかった。

「残念だったな‼︎僕の目にはお前たちの『未来』が

 見えてるんだよ‼︎」

そう言いながら眼鏡は俺たちの跳んだ方向に

急に方向転換してきたのだ。

俺たちはそのまま成す術もなく突進の餌食になった。

とてつもない衝撃とともに痛みが走り

俺たちは数メートルほど吹き飛ばされた。

そして俺はそのまま意識が飛んでしまった。

 

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