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おすすめの店…

あれからどれだけ歩いただろうか…

学校を出た直後はまだよかった。

相変わらず賑やかな街を見渡したり、

ジンと他愛のないことを話したりするのは

別に苦ではなかった。

だが、流石に限界がある。

降り注ぐ陽光の中、永遠と歩き続ければ

誰だって疲れるだろう。

「おい、俺たちは一体どこへ向かってるんだ?」

俺は我慢できなくなりジンに問いかけた。

「え?おすすめの店に決まってるじゃないですか」

ジンは何を今さらという顔で返事をした。

「流石に遠すぎるだろ、

 もっと近い店はなかったのか」

俺は日差しを手で遮りながら問いかけた。

「あるにはあるような気もしますが、

 ないような気もしますね、

 まぁもうちょっとで着くんで我慢してください」

ジンは手をゆらゆら揺らしながら答えた。

「お前の『もうちょっと』は信用ゼロだけどな」

俺は皮肉を言いながらも渋々着いていった。

それから5分ほど歩いたところで

ジンが立ち止まった。

「さあさあ、ここが僕の最もおすすめの店です」

ジンは俺の方を振り返り意気揚々と言った。

「店?どこにそんなもんがあるんだよ」

長々と時間をかけて辿り着いた場所は、

人通りが少なく廃墟のような建物が並ぶ場所だった。

「どこって、目の前にあるじゃないですか」

ジンはそう言うとある一点を指差した。

「おい、冗談だろ?」

俺は目の前の光景に唖然とした。

なんたってジンが指差す場所にあるのは

どこにでもあるようなゴミ箱だった。

「おっと、まだ最終評価を下すには早いですよ」

ジンはニヤニヤしながら言った。

「最終評価も何も…」

俺の言うことを遮るようにジンは背を向け

ゴミ箱の前まで行った。

「いいですか?よく見といてくださいよ」

ジンはそう言い終えるとゴミ箱の前で拳を振り上げ、

ゴミ箱を殴りつけた。

『ゴンッ』

俺は突然の爆音に心臓が飛び出るかと思った。

「シェフ!注文の品を頼みます」

ジンが声を張り上げた。

「お前ついに頭が…」

俺がジンに言葉をかけようとしたその時だった。

「その声は、、、お久しぶりですねぇ」

低くこもったようなその声は、

間違いなくゴミ箱の中から俺の耳に届いた。

「そんなことはいいので早く注文の品をください」

ジンは平然とゴミ箱の中にいる何かに話しかける。

「了解致しました。

 すぐにお持ちしますので少しお待ちください」

ゴミ箱にいる何かがそう言い終えるとともに、

ゴミ箱は突然揺れ始めた。

「おいおい、今度は何なんだよ」

俺は何が起こっているのか理解できなかった。

「まあまあ、危害は加えてきませんので

 安心してください。

 それよりも、ついに『おすすめの品』を

 食べることができますよ」

ジンは俺の肩をポンポンと軽く叩きながら言った。

「お待たせ致しました。

 こちらが注文の品である、

 『ボト・シャフトパイ』でございます。

 出来立てが最も美味しいかと思われますので

 お早めにお召し上がりくださいませ」

その言葉とともに、俺とジンの手にめがけて

ゴミ箱の口から塊が飛んできた。

いきなりだったが、なんとか受け取ることができた。

横を見るとどうやらジンも受け取ったようだった。

「ご利用ありがとうございました。

 またのご利用お待ちしております」

ゴミ箱はそう言い終えるとパタリと静かになった。

「今のは一体何だったんだ?」

俺はジンに問いかけた。

「ちょっと特殊なレストランですよ。

 食べ物に毒とかは入ってないので大丈夫ですよ。

 あと早く帰らないとまた遅刻してしまいますので、

 帰りながら食べましょう」

ジンはそう言うとそそくさと帰路についた。

「おい待てよ」

俺は何一つ理解できていないまま、

帰路につくことになった。


お久しぶりです。

来週からも毎週水曜に最新話を更新していくので

よろしくお願いします。

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