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外の世界…③

「それは有り得ません」

隣に座っていた眼鏡が突然声を上げた。

「どんな生物であろうと2つ以上の『能力』を

 その身に宿せば、身体が『能力』に耐えきれず

 息絶えてしまう。これは過去の研究からも明らか

 になったはずです」

眼鏡は淡々とそう言った。

「はい、今までの研究では『能力』を2つ以上

 持つことは不可能であるという結論が

 出ていました。しかし、1ヶ月ほど前に記録された

 ある映像から状況は一転しました」

ローズ先生はそう言い終えると、

俺たちの目の前の壁に映像を映し出した。

「この映像はその時記録された実際の映像です」

ローズ先生はそう言って映像を再生した。

映像が始まると、激しい戦闘音とともに

知らない男の顔が映し出された。

「私は第117回遠征部隊の隊長です。

 緊急事態が起きたためこの映像を残します。

 私たちは現在、魔王軍の幹部を自称する男と

 交戦中です。敵は一人で『能力』はおそらく

 我々の動きを止めることです。ただし、

 おそらくどこかに別の敵も潜んでおり、

 その敵の『能力』で我々は死ぬことが

 できません。どうか救援を……」

『ザクッ』

生々しい音とともに男の声はなくなり、

その場に倒れ込んだ。

「ほっほっほ、こいつで最後かのう」

再び流れ始めた声は男の声ではなく別の

誰かの声だった。

「ん?なんじゃこれは?

 ダイイングメッセージでも残していたんかのう。

 まぁいい、儂も一つ、

 メッセージでも残してやろう」

知らない何者かは話を続けた。

「儂ら幹部は魔王様の力により、新たな『能力』を

 発現させた。言いたいことは分かるじゃろ?

 はよう『例のアレ』を差し出せ。

 さもなくば……待っているのは『破滅』のみじゃ」

その直後、映像は真っ暗になった。

「これが今回記録された映像の全てです」

ローズ先生は神妙な顔つきで映像を切った。

なんだったんだ今のは?

部隊が全滅?たった一人を相手に?

しかも例のアレとはなんだ?

映像からの情報が多すぎて処理しきれない。

周りを見渡すと眼鏡やジンを含め、

みんな困惑している様子だった。

「この映像は他の遠征隊が近くを通った時に

 回収したものだそうです。そこには、

 戦った痕跡があり、この映像記録装置のみが

 落ちていたそうです」

ローズ先生が話し始めた。

「新たな『能力』を発現させたというのは

 魔王軍の嘘である可能性もあります。ただ、

 もし本当に『能力』を2つ以上持っていた場合、

 私たち人類は更なる苦戦を強いられるでしょう」

ローズ先生は少し暗い表情でそう言った。

『パンッ』

突然先生が大きな音を立て、手を合わせた。

「ただし、それは私たちが1人で

 戦った場合の話です」

先生は先程までの暗い表情とは打って変わり

笑顔で話し始めた。

 「たしかに私たち人類1人1人は

 魔王軍よりも弱いかもしれないです。

 でも、みんなが力を合わせて集まった時、

 真の力が発揮されます。

 相手が『能力』を2つ以上持っているのなら

 こちらは3人でぶつかってやりましょう。

 3人で不安なら5人でも10人でも、

 より多くの力を合わせてぶつかってやりましょう。

 ここに集まった皆さんならきっと

 そんな風に戦うことができます」

ローズ先生は笑顔でそう言ってくれた。

「た、たしかにそうですね。

 まぁ僕は最初から魔王軍なんかに負けるわけない

 と思ってましたからね」

眼鏡が意気揚々とそんな事を言っている。

映像を見た直後はこの世の

終わりみたいな顔してたくせに

「そうそう、僕たちは僕たちの力を信じて

 戦えばいいだけですからね」

ジンも横から言っている。

教室のムードは先程までとは打って変わって

明るくなった。

みんなローズ先生の言葉で勇気をもらえたんだ。

そんなことを思っていたときだった、

「あははは、本当に噂通りのバカばっかだなー」

陽気な笑い声とともにその声は発せられた。


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