外の世界…①
『ベチッ』
突如鳴り響いた音と頬に走る鋭い痛みで
俺は飛び起きた。
「やっと起きましたね」
声がした方向を見るとそこにはジンがいた。
「なんでお前がここにいるんだよ」
俺は頬をさすりながら聞いた。
「それはこっちのセリフですよ。
なんで君はこんなところで寝ているんですか、
もしかして家出少年か何かですか?」
ジンが不思議そうに聞き返してくる。
俺はその時初めて自分が
川辺にいることに気がついた。
どうやら昨日の夜、アリスと別れた直後に
眠ってしまったみたいだ。
「俺は色々と訳ありなんだよ」
俺は大きく欠伸をしながら答えた。
「まぁ君の家庭事情はさておき、
起きたのなら早く学校に行きますよ」
ジンが急かすように言ってくる。
「はいはい、すぐ行くからちょっと待て」
俺はそう言って立ち上がると、
その場で大きく背伸びをした。
体の節々が少し痛むがとても清々しい気分だった。
「よし行くか」
俺はジンに声をかけ歩き始めた。
「何歩いてるんですか、
走ってください遅刻しますよ」
ジンが小走りをしながら声をかけてくる。
「今何時だ?」
俺は恐る恐るジンに聞いた。
「午前8時50分です。始業10分前です」
俺とジンは全速力で学校へと走り出した。
学校に着いた頃には俺たちは疲れ果てていた。
「なんでもっと早く起こさなかったんだよ」
俺はジンに愚痴った。
「起こしましたよ、
君がなかなか起きないから
最終手段のビンタまで使ったんですから」
ジンが嫌味混じりに言い返してくる。
「そんなことよりも早く扉を開けてください」
ジンが俺に言った。
俺は言われた通り、S棟の扉を開いた。
中に入るとほとんどの生徒はもうすでに
着席していたが、まだローズ先生は来ておらず
授業は始まっていないようだった。
「ハァハァ、ギリギリセーフですね」
ジンは疲れ果てた声で話しかけてくる。
「ああ、とりあえず座ろう」
そう言いながら俺は一番近くの席に腰をかけ、
ジンもその隣の席に腰をかけた。
「君たちは本当にいつも一緒にいるね、
まぁバカは群れないと何もできないから
それが正しいのかもね」
横の席から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
俺は横を見なくてもそこに誰がいるか分かったが
一応声の方向を見るとそこには
やはりあの眼鏡がいた。
「ハァハァ、うるせぇ
今はお前に構うだけの体力がないから
黙っててくれ」
俺は疲れ果てた声で言った。
「もともと君に構ってもらうつもりはないよ、
だいたい君たちはね………………」
眼鏡が長々と話し始めたので俺は
その声をシャットダウンした。
しばらくするとローズ先生が入ってきた。
「すみませんみなさんお待たせしました。
少し準備に手間取ってしまい遅れてしまいました」
ローズ先生はそう言いながら
駆け足で前の教壇まで行った。
「おほん、それでは気を取り直して
授業を始めていきたいと思います」
そう言ってローズ先生は軽くお辞儀をした。
「授業の進め方としては、
午前中は座学をメインに進めていき、
午後からは実習をメインに進めていきたいと
思っています。
もし授業のどこかで分からないところが
あった場合はすぐに先生に伝えてくださいね」
ローズ先生は笑顔で説明した。
俺は内心ワクワクしていた。
奴隷だった10年の間に外の世界では
何が起こっていたのかを心から知りたかったのだ。
しかし、この時はまだ知るよしすらなかった……
この世界で起こっている事実を……
この世界の『現実』を




