春キャベツでお好み焼き
春キャベツ買ってきた。
シャキシャキで柔らかくて一玉丸ごと買っても重くないから持ち帰るのも苦にならない。
今日はお好み焼き作るんだ。
まな板にゴロンと春キャベツ、ステンレスの文化包丁を構えて大きく息を吸い込む。
「クソジジイがぁ、あほんだら〜〜〜」
ザクッと真っ二つ。
「なーにが税金泥棒じゃ、ボケぇ、こっちは働いてるんじゃ、労働の対価じゃ、労働の対価っ!!!」
ザクザクザクザクザクザク…
お好み焼きのキャベツは細かめに刻む派。
「文句だけ百万ダラ言い散らかしてえっらそうに」
ザクザクザクザクザクザク…
「だいたいその税金にテメェの金は一銭も入ってねーわ。税金払ってからモノ言えっちゅーねん」
ザクザクザクザクザクザク…
ちょっと多いかな、まぁいいや、多い分はコールスローにしよう。
一玉全部刻んでも春キャベツなら食べ切れる気がするから不思議。
生地も作んなきゃ。
私はほんの少しの生地をよくキャベツに馴染ませて野菜たっぷりで焼くのが好き、うんうん、これくらい。
粉をビールで溶いてさっくりさせるのは天ぷらだっけ? まぁいいや、ビールで溶いちゃえ。
「プシュッ、んぐんぐんぐ、ぷはぁ~、ウメー」
あ、飲んでしもた。まぁええわ、どうせ私が食べるんやし問題なし。粉カツオも混ぜよ。
ボールの底に生地、キャベツを大量投入、冷凍してた刻みネギも入れよう。
「あ〜固まってやがる。一袋全部使こたろ。このっこのっ、ガシッ!バシッ!こーのボケがっ!おらっ、こうじゃっ、ガシッ!!」
なんかネギが粉々になったけどまぁええわ、全部入れよう。干しエビあったな、混ぜ込もう。
卵は贅沢にも2つ使っちゃう。生地に1つと上にのせるトロトロ目玉焼き。
よし、よく混ぜて、ぜんぜん生地が足りないって思うくらいが正義。よーく混ぜたらなんとなくまとまるから大丈夫。
ほんとは山いもあると良いんだけどなー、あれもすり下ろすとストレ…いや、お好み焼きがふんわり仕上がるから。
「ぐっちゃぐっちゃぐっちゃ、あー、卵は生地に混ぜずにキャベツの上からポンだよねー、ぐっちゃぐっちゃ、混ざれー混ざれー、あー腹立つわーぐっちゃぐっちゃぐっちゃ、オッサン滅びろ、ぐっちゃぐっちゃ…」
片付けが面倒だからホットプレートは出さない、フライパンでOK。生地に天かす混ぜて、あっ紅しょうがない、まぁいいか。
「ジュジュゥー、よし、豚肉をのせろーアイアイサー、豚肉追加だーアイアイサー、皿の準備だ〜アイアイサー」
一人芝居を挟みつつ皿とコテを用意。ソースとマヨネーズ、青のり粉カツオも準備万端。箸はいらない、だってお好み焼きだから。
「よし!最終工程だ!華麗に裏返すぞ!慎重にいけ!アイアイサー、、、、、よっ!成功、よっしゃ。あとはふんわり焼き上げるためにそ〜っと……」
「するとでも思ったかー、押さえつけたるー、クソジジイがぁー、うりゃっ、こうじゃ!」
押さえつけると豚肉から出た脂の食欲をそそる香りとジュ~という音。
「こんなもんかな〜、皿に…ほいっと。よし2枚め焼くで〜、で、こっちはソースとカツオと青のりと〜♪」
春キャベツのお好み焼きは野菜の甘味は控えめだけどシャキシャキ感が残ってて豚玉が合うと思う。
皿の上では切りにくいけれど格子切りにしてコテで食べる。前に関東出身者とお好み焼き食べに行った時にピザ切りにされて殺意湧いたっけ。格子切り、正義。
「あーウマ。私、天才ちゃうん。マヨもかけよ、ん~~ウマ、ビールもう1本いっとこ、あっあっあー2枚め焦げる、危ないとこやったわー。2枚めも豚肉な。天かす多めで。アゲタマちゃうで、天かす!アカンアカン目玉焼き忘れてたわ」
酔うと独り言が増える。
「2本目と2枚目、うーん背徳的なカロリーやろな。あ~幸せ。もう今日はお風呂省略やな。あ~ゴクラク。そろそろ結婚とかしたってもええんやけど結婚したらこんなゴクラクしてられへんしな〜。」
「あ〜ウマ。プハー、ウマウマ。おひとり様サイコーやで。なんの不満もないししばらくこのままでええわ。ん?不満…?んー?何かあった気ぃするけど、まぁええわ。幸せ〜。」
後かたづけは明日!