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帝王

 帝王ダルトンは轟々と響くような声でいう。


「勇士たちよ。此度はよくぞ我が帝国の守りであるウィズタートの都市を守ってくれた!褒めて遣わそう!」


 声がでかいし、威圧感がある。見た目も巌のような人でこんな人から貴公子みたいなロイアルクが生まれたのが信じられない。


「それにしても、驚いたぞ!我が息子ロイアルクが最前線で戦ったことといい、さんざんウィズタートの当主が無能と公言しておった娘とそのメイドが戦場で大活躍するとはな!」


 あの野郎。クーデリカのこと無能とかいってやがったのか。まだ見ぬウィズタートの領主に怒りが募った。


「今では、娘の能力を見極めることができなかった無能として社交界では笑いものになっているぞ!」


 ざまあみろだ。クーデリカは元々精神系統に特化しているだけで優秀な魔法使いなんだよ。


「そして王国の英雄、紅玉のレクと帝国で会えるとはな。余は嬉しいぞ!」


 げ、アイスビッシュ砦でのことだけでなくコレントの都市防衛戦のことまで帝都にもう伝わっているのか。


「王国の英雄よ。ウィズタートの都市を守ってくれて感謝する!」

「いえ、冒険者として当然のことをしたまでですから」


 ゲーム的にも、帝国は滅びる国だ。王国にいる家族や婚約者のためにもここで帝国に倒れられてしまっては困るのだ。


「ふむ。王国の英雄殿は謙虚なのだな。だが、せっかくの偉業だ。盛大に祝わなければならぬ。三日後に祝宴を開くため。城に滞在するように」

「かしこまりました」


 3日間ボスマラソンはできないか。ここ最近はクーデリカ達が虚ろな目をしていたから休息とするとしよう。


「ところでな。王国の英雄殿。我が国にも剣聖と呼ばれる騎士団長がおってな。貴殿の活躍ぶりを聞いて是非手合わせをしたいといっておる。ここはひとつ揉んでやってくれぬか?」

「分かりました」


 ロイアルクの思い人の父ちゃんかロイアルクのためにも実力を見ておくとするか。


「俺も少々旅で動いていなかったので。身体を動かしたいと思っていたところです。早速やりましょう」

「なんたる剛毅さか。では早速手配しよう」


 さて、剣聖か。どんな実力だろうか。まあ、どんな実力だろうと、魔軍に敗れる人だ。今や単騎で魔将を討てるまで育った俺ならどうにかなるだろう。……なるといいなあ。基本ルーンレコードはアクションRPGなので一人プレイだ。PVPなんて想定していない。ロイアルクは典型的な騎士の動きだったから分かったが、剣聖ともなるとそこから逸脱している存在だろう。まあ、戦ってみればわかることだ。

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