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装備更新⑥

 最後の杖屋は昔行っていたおもちゃ屋のようだった。壁際に乱雑に積み上げ上げられた杖の入った箱。歩きづらい。


「マリアンヌとロイは外で待ってろ。この店は狭い四人はきつい」

「わかりました」


 俺はクーデリカと一緒に店の奥に行く。白髭を蓄えた老人が煙を吐いていた。


「おや。お客さんかい?それに随分と若いようだ」

「ああ、お客さんだ。杖作りならバンダに叶うやつはいないって聞いてな。最高の杖を作ってほしい」

「おや、随分とすさまじい覇気をまとった少年だな。いいだろう。話してくれ」


 俺は手でクーデリカを指した。


「こいつは、将来世界最高の魔法使いになる女だ。だから、世界最高にふさわしい杖を作ってほしい」

「ほほ。面白いことをいう。作ってやってもいいが材料がない。世界最高にふさわしい材料がね」

「だから、これがある」


 俺は竜の爪を出した。竜は魔法を使うとき手に何やら唱えてるいるし、いい杖の素材になるだろう。


「ほう。これは竜の爪か。扱ったことはないが、見たことはある。確かにこれならいい杖が作れるかもしれない」

「頼む。作ってくれ。意見はクーデリカに聞いてくれ」


 クーデリカと立ち位置を変える。クーデリカもショートスタッフの系統を続けるらしい。まあ、使い慣れたものがいいよな。しばらくクーデリカとバンダとの会話を聞き流していた。


 終わったようなので、金袋をどさっと置いていった。


「できるだけ急いでほしい。あまり時間がないかもしれない」

「物騒なことを、言う少年だ。いいだろうできるだけ急ぐさ」


 俺は外に出て、みんなと合流した。


「今日の用事はこれで終わりだ。解散で各自自由行動な」

「せっかく、お昼なのですから一緒にご飯を食べましょう」


 そういうことで、昼食の店を探していたときのことである。


 ひとりの吟遊詩人が広場にいた。その吟遊詩人は既に喝采を浴びているかのように両手を広げて、宣言する。


「今日皆様には最新の英雄譚をお持ちしました。これは実際にあったお話。はるか昔に魔軍に奪われたアイスビッシュ砦を取り戻したたった一人の英雄のお話でございます。是非ご傾聴ください」


 げ。まずい。


「詩の題は『翡翠の剣』」


仲間の視線が一斉にこちらに集まったのを感じた。

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