第1回ボスマラソン終了
それからもボスモンスターとの連戦が続いた。俺はちょくちょくアドバイスをはさみつつ、的確にボスモンスターと戦えるように教えた。グリフォンがまた転移柱を持っていたので回収する。
その次の日もクーデリカは眠れなかったらしい。外で夜風を浴びていた。
仕方ないので適当に話をする。クーデリカは俺が王国で孤児院にいたことに驚いていた。どうも中流階級以上の出身に思われていたらしい。俺とレクで半分正解だ。
その夜もクーデリカを寝かしつけて、俺も寝ることにした。
そうして三日目にはすべての討伐対象を倒して、ウィズタートの都市に戻った。ついでに転移柱も設置しておいた。
冒険者ギルドでは受付嬢には大層驚かれたが、あの程度の速度のマラソンは普通だ。しかし、驚いた受付嬢見てクーデリカが文句をいってきた。
「レク、このペースは異常です。もっとゆっくりとモンスターと戦いませんか?」
クーデリカの言葉に、マリアンヌが追従する。
「そうです。レクこの三日間は精神も身体もつらかったです」
ロイは特にいうことはないらしい。
さて、俺の不安や懸念をどう伝えたものだろうか。
「うーん。俺もそうしたいのは山々なんだ。無理はいけない。けど、今無理しとかないと後悔をしてしまう気がするんだ」
「後悔……ですか?」
「うん。はっきりというな。先日のあれは先遣部隊だ。近々魔将の本隊が現れる。そんな気がするんだ」
「魔将が……」
先日の奇妙な軍団には、魔将の気配があった。本来あまり連携しないモンスターがあのように攻めてきた理由があるはずだ。
ふと見ると、クーデリカが不安そうな顔をしていた。不安にさせてしまったか。
「だが、大丈夫だ。俺は世界最強になる男だからな、魔将程度ちょちょいのちょいだ」
「なんですかそれ」
クーデリアがくすくすと笑った。笑っているほうがいい。
何が来てもなんとかできるだけの実力をつけるのみだ。
ようやく清算を終えた。金貨が60枚ほどある。強行軍だったからなあ。だいぶ稼げた。だが、まだ足りないな。そろそろ、こいつらのレベルと装備が一致しなくなってきてる。装備のグレードアップが必要だ。
俺はアイテム欄に残している竜素材のことを考えていた。そして、その加工に一体いくらかかるのかを。ボスマラソンはまだまだ開催されそうだ。




