ジャイアントトー●
「どうよ、これが冒険者流の勧誘法だ」
クーデリカは半信半疑、マリアンヌはあきれ顔をしていた。
改めて冒険者ギルドに戻った四人は酒場のテーブルに座った。
俺は、唐揚げセット大盛りと果実水四つを頼んだ。腹が減ったのだ。あと、冒険者といえばこれである。ジャイアントトー●の唐揚げ……
ある程度準備されていたのか、すぐに運ばれてくる。唐揚げセット大盛りと果実水。俺は唐揚げにかぶりついてからいう。
「それじゃあ、自己紹介といこうか。俺はレクだ。このパーティーのリーダーをする。今日の目標は今日一日の稼ぎで今日と明日の生活費を稼ぐことだな、次クーデリカ」
「わ、わたくしはクーデリカですわ。よろしくお願いします」
「私はマリアンヌでございます。クーデリカ様の付き人をしております」
「僕はロイ……ロイと呼んでくれ。とある事情で強くなりたいと思っている」
「うむ。自己紹介は以上だ。今日の行動予定を発表する。まず簡単な依頼を受ける。そして、クーデリカとマリアンヌの武器と防具を買いそろえて出発。ちなみにどんなものにするかは俺が方向性を決める。あとはモンスターを狩って、宿に泊まる。以上だ。……唐揚げ食べないの?俺ひとりで食べちゃうけど」
明らかに偽名というか愛称じゃねえか。まあいいか。
誰も唐揚げに手を出さない。俺ひとりじゃ食べきれないよ。
「レク。フォークとナイフが来ていないのですが」
「クーデリカお嬢様。貴族には貴族の庶民には庶民のマナーがあります。ここは庶民の場、庶民のマナーに従って手でつかんで、お食べくださいませ。でないと、かえって周りに笑われてしまいますよ」
悪戯な笑みを浮かべてそういってやる。クーデリカは意を決したような顔をする。
「我々を慈しんでくださっている女神アレイアよ。わたしたちに生きるための糧をお与えくださったことに感謝します」
隣でマリアンヌがデザートだけのフルコースを食べるかのような苦い表情をしているが、俺の真似をしてクーデリカが食べた。その様子を見てマリアンヌとロイも手を伸ばした。
それにしても、この女の子を大した金を与えず、放逐する。結果なんか知れている。まともに生きられるはずなんかない。ウィズタート家の当主はそうとうイイ性格をしているらしい。幸せそうに唐揚げを食べる姿はかわいい。
唐揚げセット大盛りは四人で食べるとすぐになくなった。おいしかったが量を食べると胃がもたれてしまいそうだ。油っこい味を果実水のすっきりとした甘みが流してくれる。
俺が席を立ちあがっていう。
「それじゃあ依頼を受けるぞ」
俺はさっさと立ち上がって、唐揚げ定食の清算をすると、依頼掲示板の前に行く。あー。この時代、こんなモンスターの配置なんだ。妖気の森に該当するのがテグ平野らしい。とりあえず、スライムとラビット、ウルフとゴブリンの依頼をうける。
受付の列に並ぶ、受付嬢は薄緑色の髪を肩のところで切りそろえた可愛らしい人だ。
「はーい。スライムとラビットの討伐、それにウルフとゴブリンの討伐ね。ウルフとゴブリンに挑むならしっかりと装備を整えてからいくのよ」
「わかりました。これから装備を整えてきます。あとこちら二人の冒険者登録をお願いします」
クーデリカは俺が敬語を使ったことに驚愕していた。使えるんだよ。なんちゃってだがな。




