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アイスビッシュ砦攻略②

 ふう、危なかった。サイクロプス出て兵士さんがやられそうになっていた。軍にはできるだけ被害が出ないようにしたいし、サイクロプスさんは倒しやすい貴重な経験値なのだ。アイスビッシュ砦のボスに会うまでにできるだけレベリングをしておきたい。


 迫るパッチワークの騎士達を他の兵士さんと迎撃する。こちらが一体一体処理している間タゲを取ってくれるので非常に戦いやすい。原作でも集団戦闘がもっとあったらなあ。


 俺は記憶に残る部屋を辿り、パッチワークの騎士とサイクロプスを蹴散らしながら砦の最深部を目指した。幾十体のパッチワークの騎士と5体のサイクロプスを一緒に倒してくれた兵士さんたちには感謝だ。タゲが分散するだけで非常に戦いやすい。


 精鋭部隊の兵士たちと一緒に砦の最奥にたどり着いた。俺は一応声がけする。


「ここが砦の主の居所だ。生き残ることだけを考えて行動しろ」


 俺はお邪魔しますという気持ちを込めて、扉を蹴り開けた。


 そこは暗い部屋だった。そこらにばらばらになった生き物たちの部位が転がっている。その中で一心不乱に針を動かす魔女がいた。


「生まれてこないの、生まれてこないの、生まれてこないの」


 針を留めて、こちらを血走った眼で見てくる。


「私の子どもが生まれてこないの」


 死産した子どもをパッチワークで作ろうとしている魔女。それが狂魔女クライディアの正体だ。

 狂魔女クライディアは正直それほど強敵ではない。問題は、彼女の作品たちだ。この部屋には彼女の作品で満ち満ちている。


まずはパッチワークの騎士が10体現れた。ソロでやったときは絶望的だった。しかし、今の俺には頼れる仲間がいる。


切りかかってヘイトを買った一体をパリィで倒す。ここまでのレベルアップにより一撃で倒せるようになっている。隙を見つけたつもりか、切りかかってくるパッチワークの騎士にジャスト回避決めて、首を切り落とす。


他の兵士が必死に耐えているところに割り込んで、一体一体処理をしていく。


「邪魔しないで、邪魔しないで、邪魔しないで」


 ダイアウルフの手足を生やしたゴブリンどもが襲い掛かってくる。多少早くなってもゴブリンはゴブリンだ。冷静に対処していく。途中押し倒された兵士がいたので、ファイアボールで援護しておいた。


「消えて、消えて、消えて、消えて、消えて」


 次に人間の皮を継ぎ接ぎされたドラゴンが現れた。


「全員散会。ブレスが来るぞ」


 いった直後、人皮竜のブレスが来る。事前に注意をしていたからか、全員が距離を取って避ける。俺はそのブレスこそ最大の隙だと知っていたので、全力で近づいて人皮竜の胴体に切りかかる。竜のブレスの熱で継ぎ接ぎされている人皮が焼け焦げている。竜そのままのほうが強かっただろうに。


 ドラゴンが魔法を唱えようと、右腕を上げる。詠唱する暇など与えるつもりもないので残されている逆鱗に剣を突き立てる。


 俺を吹き飛ばそうと、大きく翼を広げる。大跳躍で右翼の根元断ち切ってやった。竜のうろこであれば不可能であろうが、所詮は人の皮をかぶった竜だ。


 痛みにのたうち回る竜、冷静に振り回される手足にジャスト回避を決めていく。竜の全身が崩れていく。


 最後に苦し紛れの咬みつき攻撃が来た。爆発のポーションを飲み込ませて、ダッシュ回避からのジャスト回避決めてぶっ叩く。竜の首は舞った。



「死んで、死んで、死んで、死んで、死んで」


 最後に狂魔女クライディアが立ち上がって、鋏を振り下ろしてきた。

 冷静にパリィを決めて、クリティカル攻撃で首をはねた。


「うるせえ、もう黙ってろ」


 兵士たちが無言でこちらを見ている。これは何かを言うべきか。


「アイスビッシュ砦の主は俺が討ち取った。後は残った雑魚どもを一掃すればこの戦い俺たちの勝ちだ。あとひと踏ん張りだ。やるぞ!」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」


 俺も残されたパッチワークの騎士やゴブリン等を片っ端から倒していった。

 こっそりと砦の中にある石柱をアイテム欄に入れる。

 これでアイスビッシュ砦の攻略も完了だ。


 ソロだったら集団の暴力にやられていかもしれない。そろそろパーティーメンバーのことも考えなくちゃいけないかもしれないな。


 ともかく今日は疲れた。ローレン将軍に戦闘終了の報告をしに行ったら、俺ひとりのための天幕を用意してくれているらしく、そこで休んでいろといわれた。

 ありがたいことだ。これで領主軍が戻ってきて備えらえるな。目標に向けてまた一歩前進だ。

 それにしても今日は疲れた。おやすみなさい。

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