加護の使い方⑤
朝、ゆっくりと寝られた俺は爽快な気持ちで目が覚めた。マークス様のご厚意でアリアと一緒に朝食を食べた後、クーデリカ達が泊っている宿を目指す。
クーデリカ達が3人で朝食を食べていた。ついでに俺は果実水を頼んだ。杯を呷る。やっておくべきとことがあった。伝言石に『仲間を連れて王城に転移します頼みたいことがあります』と記述する。これでこれから転移することが伝わったかな。
食事を終えた俺たちは、飛行石で王城に転移した。
石造りの一室、重い鉄門が開かれている。どうやらきちんと伝言してくれたらしい。
鉄門の開かれたそこにいたのは、陛下だった。なにをなさっているのか。
「レク殿が頼みたいことがあると聞いて、来てしまったわい」
ありがたく頼ませてもらおう。
「実は陛下、私には技や魔法を覚えさせたり、力を引き出したりできる加護があるのです。それを使って、王都の兵士、冒険者、住民の戦力を底上げしようと思い参りました。このように引き出せます。ちょっとお手を拝借」
陛下はどうやら戦士タイプらしい。一閃を習得してもらう。ふるりと震える陛下。その目には尊敬の念が込められているようだった。
「レク殿はまさに英雄ですな。わかりました。王城の前に会場を作りますので、是非お願いします」
「はい、こちらこそお願いします。あと、こいつら三人は俺のパーティーメンバーです。三日はかかると思うのでここに滞在させてやってください」
「分かりました」
「レク。あまり無理しないでほどほどに休んでね」
クーデリカが嬉しいことをいってくれる。
「クーデリカ達こそ、よく休んでな。こことウィズタートで同じことしたら、アイスビッシュ砦から魔王城に直行だ。疲れは取れるだけ取っておけ」
それから三日間、王城前に作られた会場でひたすらにスキルツリーを開き続けた。
「うん?魔法が使いたい?うーん難しいかな。君はどうやら技量に秀でた子だよ。短剣術や弓だったらどっちがいいかな?それなら短剣?分かった短剣の連続斬りを習得してみようか」
「ダーテルさんお久しぶりです。ダーテルさんだったら自動回復とかどうですか。取った人から痛みが取れたとか聞きますよ。これがいい?よかった。じゃあこれでいきましょう」
これで、この国の戦闘力は全体的に向上したことだろう。一部は別の用途にスキルポイントを使われたが。