フレアと男の子が喜ぶこと
「帝国でも大活躍なんて、レクすごいんだ」
俺はフレアと一緒のベッドで転がっていた。
「まあな。俺は最強になる男だからな」
フレアは不思議そうな顔をした。
「レクはとっくに最強じゃないの?魔将を倒した人間はここ十数年いないし、狂魔女、巨魔将、雷魔将の三人を倒したレクは十分に最強だっていえるとおもうけど」
「まだまだ俺の理想には届かないな」
「理想ってどんなところにあるの」
「どんな敵でも瞬殺できるくらいになりたいな」
「もう、レクったらそんなことできっこないよ」
「出来るようになるさ。いずれはな」
レベリングの結果次第だ。
腕が抱きしめられて、頬を乗せられた。
「フレア?」
「甘えたかったから。だめ?」
「だめなわけないだろ」
しばらく、フレアの好きにさせてやる。
フレアは俺の頭に鼻をうずめて、匂いをかぐ。……匂いフェチなのかな。
「匂いをかがれるのはなんか恥ずかしいんだが」
「なんかレクの匂いって落ち着くの。なんでだろう。多分もっと幼いころ、一緒に寝ていたときによくかいでいたからかな」
「知らないよ」
まだ鼻をうずめている。眠くなってきたころ、フレアは離れた。
「レク。レクは帝国を救ったことになると思うんだけど、これからどうするの?」
「多分だけど、アイスビッシュ砦を奪われていた間に抜けてきた魔将を倒すことができたと思う。だからこの隙に魔王を討ちに行くよ」
「魔王を……そんなことできるの?」
不安げな表情をさせてしまっている。
「魔王なんて余裕だよ。俺は最強になる男だからな」
俺はできるだけ自信があるように言い切った。実際ヘルモードの魔王を一度だけとはいえ倒した俺だ。ボスモンスターのリポップがないからレベルは低いが、ボスの攻撃は身体に染みついている。十二分に勝算がある。
「だから、そんな心配そうな顔をするな」
出来るだけ優しく頭を撫でてやった。
「もう、レクったら心配さえさせてくれないんだから」
「いらない心配だ。安心して待ってろ」
フレアが俺の腕にキスをした。また、キスをする。徐々にキスの場所が口に近づいていく。ついに口づけをした。
「今日はこれまでね。無事帰ってきたらもっとすごいことしてあげる。縫製所のお姉さんたちから男の子が喜ぶこときいているの」
フレアさん!男の子が喜ぶことってなんですか。俺興味あります。
だが、気がついたらフレアは寝ていた。やりたいことをやって寝やがった。
俺はフレアの額にキスをすると。しぶしぶと寝た。