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ウィズタートの魔将

「レク。大変です。ウィズタートの都市に魔将が攻めてきました」


 ロイアルクの声だ。ロイアルクは寝ている俺の肩を揺さぶった。


「……魔将か。どうやって伝達してきたんだ。魔将によってはもうウィズタートの都市は滅びているかもしれん」

「伝達は篝火と遮断壁を使った通信方式で、いえそんなことではなく。魔将は今、ウィズタートの都市の城壁前に陣取って動いていないそうです」


 光を使ったモールス信号みたいなものがあるのか。それにしても都市外に陣取って高みの見物を決めるような魔将を俺は知らない。少なくとも設定資料集とかでもそんな感じの性格の奴はいなかった。

 疑問は残るが、間に合うってことだな。


「ロイアルク。クーデリカとマリアンヌをここに集めろ。作戦会議をしてすぐウィズタートの都市に向かうぞ。その旨を誰かに伝えてこい」

「はい」


 俺は寝間着から冒険服に着替えて少し待機していると、同じように冒険服を着たクーデリカたちと戻ってきたロイアルクがやってきた。


「よし。作戦は今からウィズタートの都市に向かう。お前たちは自分の武具が出来ているか確認しろ。できていたら装備して最前線で集合だ。いいな」

「今から早馬を使ってもウィズタートの都市に間に合うのでしょうか」

「間に合う。なぜなら俺はこの事態を予見してウィズタートの都市に転移柱を設置しておいたからだ」

「いつの間に」

「ボスマラソン中にグリフォンが持っていたからな、一応設置しておいた」


 俺は皆を見回す。やる気に満ちた顔つきをしている。―――大丈夫そうだな。

 俺はアイテム欄から飛行石を取り出すと、空中に放り投げる。光が俺達を包んだ。


 ウィズタートの都市の帝国側の門に転移していた。


「それじゃあ各人自分の装備が出来ている分だけ取ってこい。あれば戦況が楽になる。俺は先に行って敵を蹴散らしておく」

「「「はい」」」


 俺は自身に疾風の魔法を掛けて都市を疾走する。都市は魔将が攻めてきてパニック状態になっている。……なんとかしなくちゃな。俺は屋根の上に上るとファイアボールを空に放って注意を集めた。


「俺はミスリルプレートの冒険者、翡翠のレクだ。魔将を打ち倒したことのある本物の英雄だ!今回の魔将も俺が倒して見せる。だから落ち着いて、教会に避難してくれ。万が一モンスターが都市の中に入ったとき、今の状態じゃ危ない。落ち着いて、落ち着いて避難をしてくれ。俺は魔将の下に行く」


 これで多少は混乱も収まってくれたらいいがな。俺は屋根の上を走りつつ、最前線へと向かった。

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