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加護の使い方②

 それから数日は、俺はひたすら人を見て、スキルや能力を覚えさせていた。


 初日はあくまで、自分の道が分からなかった初心者にちょっとアドバイスと背中を押してやっただけだ。それを今度は訓練を重ねた人間に対してする。スキルポイントの量といい、覚えられる技能の数といい、初心者とは比較にならない。


「それで貴方は自身のどういったところを伸ばしたいの?攻撃力を伸ばしたいのと新しい攻撃を覚えたい。分かりました。猛攻と連撃剣を覚えさせるね」


 人を捌き続ける。今の俺は機械だ。


「スーリアさんあなたはどうしたい?未知の魔法を覚えたい?スーリアさんは知力型の魔法使いだからな。隕石招来とかの魔法は知られているの?知らないと。じゃあこの魔法で。分かっていると思うけど帝都で使ったら大事になるからよくよく気をつけてね。はい、次」


「ジャスコさん。どうされました?えっ疲れが取れないのでそういった技能はないのかって、病院に行ってくださいといいたいけれど、ありますよ。自動回復の技能を身に着けてみましょう。あくまでも気休めかもしれませんが。これでだめなら医師に診てもらってくださいね」


「帝王何されに来たんですか。えっ豪快な剣技を覚えたい?地裂斬とかどうですかね?大地を引き裂きながら敵に迫る一撃はかっこいいですよ。それでいいですか。じゃあそれで」


 なんか見覚えのある人も多く混じっていたが、気にしてはいけない。


 こんな感じで城中どころか帝都中の人に技能や能力を覚えさせ続けた。これで、万が一帝都が決戦場になったとしても、最悪の事態であるのは間違いないが、戦える可能性がぐっと増えることだろう。


 俺は疲れ切っていた。その上、クーデリカとの時間も取れていない。だいぶ疲れてきていた。


 そんなとき、見計らったように、クーデリカがクッキーを焼いて持ってきてくれた。これ幸いに休憩をすることにした。


「レク。帝国のことを想ってくれているのは本当に嬉しいのですが、無理はいけませんわ」

「今無理しとかないと、時間がないかもしれないからね。無理もするさ」

「先日も言っていた、魔将ですか。本当にでるのですか」

「たぶんね」


 先日のモンスター襲来でウィズタートという都市は大きな被害があったとしても滅びるほどではなかっただろう。ならば、それ以上の存在が出てくることだろう。それは魔将にほかならない。


「クーデリカ、クッキーありがとう。気分がすっきりした。もうちょっとだから頑張ってみるよ」

「はい」


 さあ、もうひと頑張りだ。


 魔将の襲撃の連絡があったのは、その夜のことだった。

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