夜に彼と屋根裏部屋探し
私には彼氏がいる。
会社の同期で付き合ってもうすぐ1年になる。
「もっと一緒にいたい。」と彼から言われた時は、プロポーズかと思った。
平日は会社で毎日会っているし、週末はほとんど彼の家で過ごしている。
彼の言う「もっと」はどれくらいのことなのだろうか?
そして、プロポーズを期待している私がいる。
「もっとって、休みの日はだいたい会ってるけど?平日も仕事で会ってるし。」と私。
少し間があって、
「異動になるんだ、俺。」と彼が言う。
「えっ?嘘どこ?」
「隣町。」
そういえば、隣町に新しい店舗が増えると上司が言っていたのを思い出した。
人手が足りないのに店舗が増えるの謎。
「今、新しい店舗のことでいろいろ任されて荷が重いし、毎日会えないの元気でないかも。」と彼が寂しそうな顔をした。
「そっか。毎日会えなくなるのか。」
いつも毎日顔を合わせるのが普通になってる私たち。
大丈夫だろうか。
「あのさ、一緒に住まない?」
当然の誘いに脳みそが働かない私。
「それって、プロポーズ?」
本当に脳みそが働かない。何言ってる私。
「プロポーズは今の仕事が落ち着いて、もう少し稼げるようになってから…したいな。」
その後、彼が結婚を前提に一緒に住みたいということ、今の仕事が落ち着いたらプロポーズを改めてするということを話してくれた。
もうすぐ夕方だけど、一緒に住む部屋を見に行くことにした。
彼の希望は屋根裏部屋があるところ。
屋根裏部屋ってロフトのこと?
検索してみたら、
小屋裏部屋とロフトの違いは、「部屋とつながっているか」「分離されているか」
部屋とつながっているのがロフト。
私にとっては同じだけど…いい物件あるといいな。
私は絶対にトイレとお風呂は別がいい。
もし一緒だったら、彼がお風呂入ってる時トイレ我慢しそうだし、気を使って長湯できないのも嫌だし…どう考えても別がいい。
屋根裏部屋の賃貸は、見つからなかった。
予算も場所も限定して探しているから仕方ない。
諦めて、屋根裏部屋なしのお風呂トイレ別の部屋を借りることにした。
「屋根裏部屋みたいな狭いところが落ち着くんだよね、俺。」帰り道に彼が言った。
だから、車も今住んでるアパートの部屋も狭いのか。
まだ彼の知らないことがあるんだな。
新しい生活にわくわくでいっぱいな私がそこにいた。