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始まり
風が吹き荒れる人里離れた大地で一匹の大狼が唸りをあげ、彼の縄張りであるその場を立ち去った
大狼自身に何か起きた訳ではないが、何か感じ取ったのだろう
だがここで一つ、彼はこれまで生きてきた中で恐怖の類のものを感じたことはなかった
勿論そのはずで
彼が歩くだけで大地が怯え、周辺の草木は枯れ果てる
彼に立ち向かった勇敢なものも瞬きをした一瞬で命は消えた
生物の頂点といっても差し違いはない
だが、その大狼が今初めて、恐怖まではいかないが危険なものが来ると察知したのだ
暗にその場から大狼が立ち去った5分後にはその大地に隕石のようなものが落ちた
これは、大狼が隕石に何か感じたのか、はたまた別のものに何か感じたのかは定かではないが、その地に何か異変が起こったことには変わりない
そしてこの出来事が、伝説の始まりだったのである