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真剣に読まないように。

乾いた氷。

作者: caem


「あなた……言ってたじゃない!」


 眉間に寄せた皺が険しさを増してゆく。

 まさしく鬼のような形相で。

 手にしていた頑丈なグラスを握りつぶしてしまうほど。


「仕方ないだろ……っていうかさ……」


 聞きたくもない言い訳に耳も塞げず。

 憤りだけが、鼓動が


 ぶつけようもない矛先と――

 それでも続けていたいという儚い気持ち。


 まるで軽い接触事故に遭ったかのように。

 ネクタイを締める彼の姿を視ていたら……




 咄嗟にキッチンで佇んでいた。

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