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遺書  作者: はじめ
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二.

私は何でもかんでも隠してきた。隠したがりなのだ。初めは次のように思っていた。あらゆる情報は自分の正体(=ゲイ)を辿る証拠であり、故に開示したくない。だからこそ、好き嫌いでさえ本心で答えたくはなかった。今はどうだろう。勿論、ゲイであることを知られてはならない。それゆえ、私的すぎる情報は開示できない。しかし、それだけの理由だろうか。否。かつて腹に据えていた頑固な意志はもう骸となり、今やその跡として件の隠し癖のみが残ってしまったのだ。真っ黒でカビのように生えるシミ。だからこそ、私は今でも隠したがりなのだ。そして、心を開きたいと思える人がいても、なかなか自分を開示できずに、私はそのまま萎んで枯れるのだ。そうして、閉じきったその枯れ蕾の奥から、じっとその人のことを見つめているのだ。

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