1話 主人公死にました
部屋の電気は付けず真っ暗の中一人、只々PCのモニターを眺めている。
彼は学生ではあるが留年しバイトもせず、勉強もせず引きこもっていた。
本人もこのままじゃ駄目だとわかっているが、足が動かず無駄な事しかしない。
例えば筋トレをしたり、木刀で素振りをしたり何がしたいのか自分でもわからず、
ただ考えたくない、という一心で別の事をしてごまかし続けていた。
その日の彼、森山 郁太はタ〇ンワークを貰いにでかけていた。
これは毎週貰っており、バイトをやる気があるわけではないが貰って、なにかをやった気なる。
郁太はいつも通り、タ〇ンワークを手に取りコーヒーを買って店を出た。
季節は夏であり夏休みに入った学生達がうろうろしており俺はひっそりと家に帰ろうとする。
「森山じゃん!てめぇ毎日夏休みで楽しかろうなぁ!」
名前は知らないがクラスメイトのやつだとは分かる。
俺は無視して帰ろうとするが「ちょっと付き合えや」腕をつかまれ、
ほどいて逃げようとするが、どこからかそいつの仲間らしき奴らが現れ
取り押さえられると、どこかに連れてかれた。
駐輪場っぽい所だが自転車が止められてないとこから、もう使われてないのだろう。
「ちょっと遊ぼうっと誘うのに、逃げようとなんて生意気だな」
クラスメイトの奴はそう呟くがこいつの遊ぼうは普通ではじゃない。
だってこんな所で遊ぶとしたらバットもいらないだろうしパイプもいらないだろ
ドコ バキ グシャァ
頭から血が流れている
頭が回らない…
あいつらが怯えた顔で逃げたのは分かった。
ざまぁみろ…
目を覚ますと見知らぬ白い天井が見えた
よくある異世界ものと似てるなと思い二度寝を決めようとする。
「寝るな!」
怒鳴られ仕方なく身体を起こした。
そこには天照大御神みたいな服を着た
銀髪セミロングの幼女が頬を膨らませていた。
「儂の前で呑気に二度寝をするでない!」
なんだこの幼女?てか俺どうなったんだ?
「儂は幼女でない!」
「すみません」っと謝った。あれ俺幼女って言ったけ?
「お主の考えてる事は儂に筒抜けじゃ」
そう言って幼女は得意げな表情を浮かべる
「で幼女は何者なんですか?」尋ねると
「幼女でない!儂はサタア!神やぞ!」
「女神ですか…」
「儂は女ではない!男じゃ」
?何言ってんだこの幼女?こんな可愛いのに男?それこそラノベかよ
「可愛いとか言うんでない!男と信じられないのなら…その見るか?!」
「いや結構です!」
一度落ち着き話を戻し郁太はサタアに聞いた
「どうして俺がここにいるんです?異世界で魔王でも倒すんですか?」
郁太がラノベあるあるを聞くと
「魔王なんておるわけなかろう。そもそも儂が呼んだわけじゃなく、
儂よりえらい神がお主みたいに可哀想な奴を選んで第二の人生を歩ませてやろうと
ここに連れてくるのじゃ。儂はそこの案内役じゃな」
「可哀想な奴って酷い言われようですね」郁太は反論するが
「知り合いに袋叩きにされて亡くなるなどそうそうないわ。恐らく日常的にやられたじゃろう。」
…図星であった
「さて話を戻すが第二の人生の世界を選べるのじゃ。
例えば、元居た世界や魔法がある世界等あるのじゃ、ここから選んでくれ。」
そう言って巻物を差し出してきた
あと何か欲しい物や能力を二つ言っておくれ、これは何でもいいのじゃ」
郁太は巻物には目を通さずどういう世界かは言ってから楽しみたいことがあってのことだ
「まず世界は魔法がある世界で能力は【鍛冶】と【好感度が上がりやすい】で」
郁太は即答だった。郁太は安定した生活が欲しかった、魔法の世界だったら
恐らく魔法は魔法で防ぐ世界なら
魔法が弾ける盾や魔法の剣があったら売れると思いがあってのことだろう。
好感度は前の世界では嫌われてたからである。
「これでいいのじゃな?では飛ばすぞ?」
サタアは両手を前に出し、郁太の足元が薄緑色に光り始める
「そういえば記憶はそのままなんですか?」
「どっちでも選べるぞ」
「残しといてください」
光はだんだん緑色になっていき
サタアが何か呟いたが郁太は聞き取れなかった様子