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旅の途中  作者: 堺大和
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亭「ええ これは一体何です」

客「うんこれは解らんか 

お前の顔の真ん中に二つ光っている者があるのはなんじゃ」

亭「ええこれは目です」

客「見える目か 見えない目なら くりぬいて陰干しにでもしておけ

煙草入れの帯締めにはなる これは雀じゃ」

亭「雀… ははあ なるほど雀やと言われると ほんに雀

ははあ なるほど ちょっとこう風に逆らって飛んでいるようなところか

ほう 雀にだんだん見えてきた これで終いですか」

客「余分なものを描いては せっかくの雀が何にもならん

これでよい」

亭「一 二 三 四 五 なんです

雀五羽で二両… 近所の焼鳥屋へ行ってみなはれ 二百文も出したら

食いきれんほど雀が」

客「そんなものと一緒にするな これはその方にやるのではない

宿賃の抵当に描いてつかわした これを売れと申すものがあっても

わしがまた参るまで売ることはならんぞ

これは二両の抵当に置いてまいるのじゃ」

亭「誰がこんなもの買うというかい」

客「厄介になったな」

というと出立しました

女「そやさかい わてが言うたとおりやろう 

あんなもんが金を持ってるわけがない

こんなわけのわからん絵を描きやがって」

その晩は夫婦喧嘩で おかみさんは不貞寝をしてしまう

朝になっても起きません しょうがないから亭主

ぼやきながら二階へ上がってまいりまして

雨戸をガラガラガラと開けると

朝日がサアーと射しまして 

そうすると チュチュチュチュ チチチチ

バタバタバタ チュチュチュチュ

バタバタバタ


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