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旅の途中  作者: 堺大和
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客「亭主 風呂は沸いているかな」

亭「ただいま沸いております」

客「旅の埃を洗い流してまいるか 

湯から上がると一献かたむけたいが

酒を一升用意しておいてくれ」

亭「一升…よく飲む人やな」

風呂から上がりますと 晩飯の膳の上並んでる肴をあてに

湯呑でぐびり ぐびりと一升きれいに平らげまして

ごろっと横になって寝てしまいまして 

あくる朝は わりと早く目を覚ましますと 

朝飯を食べまして

客「ああ ちいと腹ごなしにその辺をぶらぶらしてまいる」

散歩に出かけますとお昼過ぎぐらいに帰ってきて

客「ああ くたびれた 腹が減った

昼飯が食いたいので 五合ほど用意してくれ」

亭「ええ 昼間っから五合も飲むんかいな」

五合の酒を飲み干し 

またごろっと横になりぐうぐうと昼寝

夕方になりまして

亭「お客さん もう日が暮れまして お風呂が沸いております」

客「それは結構 湯から上がったら 一升用意しておいてくれ」

風呂から上がって また一升飲んで

ぐうぐうとまた寝てしまいます

次の日の朝も

一升五合も昨日飲んで大丈夫かなと 思うておりますと

平気な顔をして起きてまいります

客「亭主や 朝飯食うぞ」

亭「へい…えらい寝起きのいいひとやな」

朝飯を食べ終わりますと

客「腹ごなしに ちょっとぶらぶら歩いてまいる」

そうして散歩に出かけ 昼過ぎに帰ってくると

客「腹が減ったぞ 五合用意してくれ」

五合の酒を飲んでぐうぐうと昼寝をします

日が暮れて起きて風呂から上がると

また一升飲み干してしまいます

次の日の朝も朝飯を食べると

客「腹ごなしに ちいとぶらぶらしてくる」

帰ってくると

客「五合用意をいたせ」

晩は一升 

次の日も 

次の日も

毎日一升五合の酒を平らげて

いっこうに旅立ちをしようとしません


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