第25話 羽を持つ人
目を開けたら見知らぬ光景。
なんてのは大嘘で、むしろ動けないから穴が開くぐらい見慣れた光景だ
ベッド移動出来ないのだろうか、どうも暇で。
せめて外の世界が見れるならまだマシだとは思うけど 。
てかリハビリとか全然してないけど大丈夫なのかw
絶対フラフラじゃんw
そもそも右半身だけ集中して当たるって相当だな俺ww
ちょっとトイレまで歩いてみよっかなすぐそこだし、点滴刺さってるからソレを転がしながらだけどねw
1週間弱?地に足を着けてなかった俺は久しぶりに足に硬い何かが当たる感覚を覚えた。
だがそうやって喜んでいたのも束の間。
すぐよろけるし、何より足が震えてやがるw
違う、コレはビビってるからとかじゃない!
今まで酷使してきたから急に休めたことで寝ていた間に足が急激に衰弱したのか!
もしかして俺って名探偵だったりするのかな?w
時期に足は上半身を支えきれなくなり廊下にぺたりと座り込んでしまった。
俺の荷物とか持ってきてくださった若い看護師さんが来てくれた。
ご丁寧に俺を病室まで連れていってくれた
「窓際にベッドって移れませんか?」
「何もする事がないのでどうも暇でw」
<あぁ〜、先生に許可とってみるね?
【翌日】
や っ た ぜ ☆
俺のベッドは窓際に移った!
しっかしいい眺め。なかなか高層病院だから階層が高いところに寝てる俺は勝ち組ですわw
なんて思ってる場合じゃねぇ!
俺は!この足の!リハビリをしないと!いけねぇの!!!!w
ことごとく姉さん達とは時間が合わないねw
お昼頃まで2人はそれぞれだし、大体お昼過ぎからは【あるぺじお】でお仕事ですしお寿司。
帰るのは夜になるし20時はこの病院の面会終了時刻。
あるぺじおの人達も見舞いに来てくれるのは嬉しいけどそれと共に俺の心には申し訳なさに霧が立ち込める。
なんとしても早く戻らないと…!
【さらに翌日】
看護師さん達には内緒でリハビリセンターに向かっていった
幸いながら同じ階層にあるのだ、そこまでは車椅子で行った、辿り着くまでに時間がかかるしそれまでに足がもたなくなったら意味がない
さぁて、やるか。
まず左右にスロープのついた道を歩く事にするかと車椅子から降り、床に足を着け立ち上がって視界を上げた。
なんで…居る…の…………????
そこに居たのはあるぺじおの皆だった。
<久しぶりだねしょーちゃん!
なんて言ってくれる人も。
少し前に会ったばっかりだった人も。
ねええええええええ!
泣くじゃん、こんなの………。゜(゜´Д`゜)゜。
なんでいい人ばっかりなのさ……
久しぶりに会った人なんか特にだよ…
あーちゃんと姉さんが寄ってきて俺を抱いてくれる。
「みんな、ありがとうございます……!」
「早く復帰する為にコレからリハビリ、続けていきたいので心の中で応援してて欲しいです」
「とりあえず場所も場所ですし、皆さまは俺の分まで頑張ってきてください!」
「すぐに戻りますので!」
なんていい職場なんだ…………
心にかかってた霧が一瞬にして晴れ間が差し、霧を払っていった。
絶対に戻る、恩を返さないと……!
企画した人が誰だか分からないけど、でも。
こんな所にまでみんなを呼んでくれて…。
みんながみんな忙しいはずなのに。
ありがとう…みんな。
俺の足には爆弾なんかない、
自由に動ける足なんだよ。
羽を持った鳥には飛べる羽がある。
飛べない羽ではない。
ソレを使える時になるまで必死に足掻いて頑張るから。
だからあと少し、待っててね……!
テスト嫌い(っ `-´ c)マッ!!




