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第三章1 取捨選択

ここで登場人物のおさらいをしておこう。


鷲崎奏太 わしざきかなた


椎名璃那 しいなりな


森沢梨美 もりさわりみ


高瀬愛華 たかせまなか


鷲崎香蓮 わしざきかれん

 学校にも慣れてきたある日、重大な事件が起きた。それは、何の部活に入部するかを決める紙をもらったことだ。高2だからか、高1から続けてきた部活を続ける人もいれば、新しく何かに入る人、兼部する人などがいた。俺は勿論、中学校から続けてきたGHQに入るつもりだった。GHQとは、(go home quickly)の頭文字をとったもので、意味は早く家に帰る。要するに、帰宅部と言うことだ。部活に入ったところで何か変わることでもないし、と考えていた。リア充の皆さんは


「え~高校生活エンジョイするには、やっぱ部活っしょ。」


そんなことを言っている奴もいた。俺には関係ないのだが少しイラっと来る。そういう時は本を読む。俺が今まで生きている間に修得した技だ。誰も傷つけず誰も悲しまない。そんな存在になりたいとすら思っていた。もし、怒りを面に露わにしてしまったらどうなるかわからない。ものにあたる、人にあたる、自分にあたる。様々なことが起きてしまう。そんなときに、二次元のかわいい女の子たちを見ると、心が穏やかになることを俺は見つけたのだ。我ながら天才だと思った。

 この、部活を決める期間中は学校生活の中で一二を争うほどの、最悪なイベントだ。なぜならば、廊下に出れば、


「○○部でーす!」


という、言葉が右往左往している。それは廊下だけではない。校庭も埋め尽くされている。最悪のケースとして教室に入ってくることがある。その時は、{寝る}という最強の必殺技を使っている。彼らは、休む暇を惜しんで宣伝をしている。休み時間や放課後。登校するときにはもうスタンバイしている。彼らは宣伝ということに、熱中しているのだ。別に張り合うわけではないが、それが彼らにとって充実しているということならば俺も負けていない。アニメのイベントで、地方に行くときは最低二時間前から並ぶし、面白いと思った作品は五周ほど見ているものもある。張り合うものがしょうもないことは知っている。しかし、おれも負けないものは持っていると思った。

 ホームルーム開始のチャイムが鳴った。それと同時に宣伝活動は終わり、席に着いた。椎名はもちろん、高瀬と話をしていた。戻ってくるとすぐに鞄から、本を出した。もちろん俺には理解できないものを読んでいた。俺はラノベを読み高瀬は……………………ちゅ、中二病大全集という本?を読んでいた。それを読んでいる高瀬はめちゃくちゃ微笑んでいた。(人間、好きな本を読むとあんな表情になるのか?ってことは俺もまさか。)表情に気を付けながら本を読んでいた。しかしそういうことを考えながら読むと、余計ににやけてしまう。


「ふふっ」


 あまりにも面白い展開で思わず鼻で笑ってしまった。すると、隣から気持ち悪いですという、視線が感じられた。ゆっくりと視線が感じられた方を向くと、それはごみを見るような眼でこちらを見ている椎名がいた。それと同時に互いの机に隙間が空いた。それはこの前の倍、10㎝も空いた。俺は別にショックだぁー。とかそういう感情は抱かなかった。二回目となるとさすがになれる。高瀬は、というと相変わらずにやけていた。何故周りのやつらが引かないのか不思議なくらいにやけている高瀬を見ていると、俺は少しうらやましくなった。

 ガラガラっと、音を立てて先生が入ってきた。


「はい。読書やめて。今日話すことは、六時間目の総合は手帳と筆記用具な。それだけ。じゃあ終わり。」


本当にホームルームが短い。他のクラスはまだやっているのに、うちのクラスはもう自由時間。しかしながらホームルームが早すぎてほかのクラスの人を待つという事案も発生している。ま、早いに越したことはないのだが。俺は再び本を読み始めた。椎名は高瀬の所に行き、話をしていた。俺は一人になることが嫌ではなかったはずなのに、少し寂しい気分になっている。それはなぜだろうと考えていた。数分考えたが、答えは出なかった。

 

 その日特に大ごともなく、ただただ普通な日常だった。何かあったとすれば、椎名が高瀬に飲み込まれ中二発言をし始めたことくらいだ。俺的には別に重要なことではない。しかし、少し支障が出る。授業の一環で、隣の人と一緒にやる共同作業にて、中二発言をされると、理解に困る。もたつけば、嫌な顔をされる。これは本当に地獄だ。殴りたくなる。授業中は本が読めない。そういう時はただただ耐えるしかなかった。

高瀬は本当に恐ろしいやつだった。あの椎名でさえ、変えてしまうとは。ただの中二病ではないことが俺の中で確定した。

  帰宅途中俺はかなり戸惑っていた。俺の隣にはなぜか高瀬がいる。数分前にさかのぼる


俺は靴箱で靴を履き替えようとしていた。その時、俺は袖をクイクイっと、引っ張れる感触を覚え、引っ張られた方を向いた。なぜかそこには高瀬が立っていた。俺を見上げるように見ていた高瀬を俺は不覚にもかわいいと思ってしまった。俺はそっと一言かけた。


「どうしたんだ?何か用あるんだろ?」

「うん、」

「なんだよ。」

「いえ、ついて行っていい?」


俺はその言葉を聞いた瞬間に硬直した。(は?俺の家?隣、椎名の家だわ。ま、それはどうでもいいんだけど、女の子と一緒に家に帰るなんて初めてで緊張するな。)


「いい?」


上目使いでかわいく言ってきた。俺はなすすべなく


「いいよ。」


と言った。そんなことがあり今この状況にある。


「高瀬。おまえ、家こっちなのか?」

「うん。でもよかったよ。わっしーの家がこっちで。もし反対だったら、私泣いてたもん。」


 (おいおい。わっしーてなんだよ。まぁかわいいから許すか。)俺は嫌気がしてきた。なにかすごい視線を後ろから感じるのだ。何かと思った、しかし直でみてしまうと、何か害があると俺の勘が判断し、スマホのカメラ機能を使って、確認した。


「おまえかー」

「なに?わっしーなんかいった?」

「あ、いや。何でもない。」

「そう。」


 まさか後ろに椎名がいたとは。嫉妬しているのかわからないが、めちゃくちゃ怒っている感じだった。いつ捕まえられるかわからない恐怖に俺は少し早足になった。そんなことを考えていた。会話がなくなってしまい、無言で歩く俺と、高瀬。+おまけ 俺はその静かさを打破しようと


「なぁ。高瀬」

「まなかでいいよ。」


 (いやぁぁぁぁぁぁ。女の子を下の名前で呼ぶとかはずかすぃぃぃぃぃ。まぁここは、ひと踏ん張りして、)


「ま、まなか。お前、何の部活はいるか決めたの?」

「私は文学部に入ることに決めた。」

「その部活はどんなことをするんだ?」

「ただただ、自分の好きな本を読むだけだよ。」

「なにその魅力的な部活!。俺、朝とかにやってる運動部の宣伝がうるさくて。部活にうんざりしてたところだったわ。いっそのことその部活入っちゃおうかな。」

「知り合いがいたほうが気が楽だね。」


 俺は本気で文学部に入ることを決めた。初めての部活と言うこともあり、少し緊張することはあると思うが、高瀬がいれば、大丈夫だろうと思い、決意した。

 しかし俺は、本当に幸せ者だと思う。

妹、森沢、高瀬、おまけの椎名。かわいい三人に囲まれ俺は本当に幸せなのだと思う。心の中で一つの名言が生まれた。

{俺にかかわるものすべてはかわいくなり、関わらないものは、普通のままだ。}

自分でもわけわからなくなってきたところで、ふと椎名のことを思い出した。おもむろに、ポケットから、スマホを取り出し、カメラを開いた。確認すると、さっきよりも圧倒的に近づいていた。再び早歩きになる俺。それに、頑張るようについてくる高瀬。


本当に椎名に捕まらずに家に着くのだろうか。


って、俺んち、椎名の隣だったわ。


終わったな………………………………………………………………………………


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