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Diary  作者: 海砂利水魚
3/5

中学1年生 2

全然頑張れないっ

勘違いで告白してくれる女子生徒と次々と付き合った。それが唯一の自尊心の保ち方だった。必ず僕が振られた。付き合い始めても、目も合わせようとしなかったから当然の結果だ。みんなが僕を笑っている気がした。楽しそうな笑っている人が憎くてたまらなかった。


体育祭が始まった。

スポーツテストで手を抜いたせいで、全てのリレーに出場できなかった。また、笑われている気がした。当日にリレーのメンバーが怪我をした。体育祭の勝敗を大きく左右する、得点の高いリレーだった。消去法で僕が選ばれた。1年生から順に上級生にバトンを繋ぐリレーだったから、僕は第1走者になった。2位でバトンを渡した。誰も期待してなかった僕の予想外の活躍に上級生が湧いた。佳奈と僕が釣り合っていないと僕を馬鹿にした彼女らを少しだけ見返せたような気がした。


体育祭以降視線をより感じるようになった。以前より多くの人に笑われている気がした。笑っている人がみんな僕を指さしてるように感じた。よく学校をサボるようになった。成績が落ちた。部活は楽しかった。部活だけ出るために学校にいくこともあった。小学生の時から続けていた剣道。同級生はみんな初心者で相手にならなかった。1つ上の先輩も相手にならなかった。3年生には敵わない人も何人かいた。団体戦Aチームのメンバーに、3年生以外で唯一選ばれた。3年生が引退すると僕が1番になった。小学生の時から努力をしてきた。素振りを欠かしたことはない。当然の結果だ。しかし、新人戦で何故か、僕よりも弱いはずの同級生が僕よりもいい結果を残した。みんなが、彼を褒めた。彼の方が僕よりも強い...?その日から稽古が恐くなった。もし、彼に負ければ実際に証明されてしまう。部活までサボるようになった。


1番になりたかった訳では無い。嘘だ。1番になりたかった。何か誇れるものが欲しかった。胸を張って歩きたかった。僕には何も無かった。僕を見ないで欲しい。視線が恐い。誰とも目を合わせられなくなった。


新人戦以後、ほとんど学校にはいかなくなった。

家ではやることがなくなり、地元の中学に進学したやんちゃな同級生たちとよく会うようになった。元々仲が良くしていた人も多かったから、すぐに馴染めた。みんなタバコも、酒も、やっていたが、それはしなかった。単純に魅力を感じなかった。

明日こそは頑張る

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