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8話 鉱山と夜空 

小屋で昼食休憩をとっていた、前世界ではありえないかった弁当が完次の眼の前美味しそうに置かれているが、完次はこのお弁当に入っている食材があんまり好きではない。異世界に来てから完次のとって食事は大変な問題な一つであった。


<アサゲ>村で取れた食材はどれも完次の口には合わなかった。合わないというか味が全くしないのだ。〔人参みたいなもの〕はただ固い木の皮のようで〔キャベツみたいなもの〕はただの雑草にしか感じない。


そして、村民からもらう余りものの料理は味が薄く食えたものではなかった。だが、残すわけにはいかないので、ケイトやエイトがその料理や食材にひと工夫してくれることによってどうにか食べる事ができていた。だが、そのひと工夫は、冷蔵庫に残っていた心もとないマヨネーズ、ソースと焼肉たれで調理をしていた。残りの量から考えると数日後には味が全くしないものを食べる事を考えると、いまだされているお弁当は完次の豪華なランチに見えていた。


完次達は弁当を残さず食べきると、料理をしてくれたここにはいないエイトとケイトに感謝の言葉と、嫌いではあるが食べられることに感謝をし〔○○みたいなもの〕を育ててくれた農民の方にも感謝をして、本日の最大イベント鉱山の入り口に向かうことにした。


入り口には、何十年何百年前のものとは思えないほど丈夫そうな炭柱があり、入口の前に立っていても中は真っ暗で何も見えなかった。中に入ろうと、松明やランタンなどを探していると、肩を叩かれ振り向いてみるとセラ、ルーネとケイトの目が光っていた。瞳がキラキラと光るのではなく、ライトのように何メートル先も光を灯す事ができ、暗かった鉱山の中が数メートル先まで見えるようになる。


鉱山の入り口で、完次達は輪になり最終確認をすることにした。


「完次さん わかっていると思いますが 鉱山内でも一人での行動は極力避けてください」

「わかった。」

これは、小屋でも旅に出る時もさんざん言われ耳に胼胝ができるほど言われていた。もちろん、一人で行動はとるつもりはいっさいない。怖いから・・・


「もし、調べたいものが見つかりましたら ルーネに報告してください」

「私 危険か どうか 調べる その後 完次が調べる その間 セラお姉ちゃん ケイトお姉ちゃんが 周辺を警戒」


洞窟内で、新鉱石が発見したらルーネに報告する。鉱石に関して無知な完次は、鉄鋼石や金鉱石などの区別もできない。しかし、ルーネはそれらの鉱石の見分けができ、コロラドアイトや 硫砒鉄鉱りゅうひてっこうといった、ガスなどを発赤させ体に害がある鉱石の事も知っていて、鉱石に関して詳しかった。そして、ルーネが知らない鉱石を断定をすれば、それは異世界の鉱石として発見だということだ。


「完次 あとは 私が逃げろと言ったら 全力で逃げる事 後ろを決して振り向かずだ」


ケイトに極秘に教えてもらったが、この中で一番戦えるのセラで、残りのメンバーを含めても一位になれるほどの実力らしい。そのセラが逃走しろという事は、誰も太刀打ちできない。だから、逃走するしかないのだ。相手の強さは全てセラの判断であり、モンスターのレベルによって細かい配置はセラ、ルーネ、ケイト内では決まっていたが、完次はただ一人では決して動かず誰かの指示されたように動くだけのお荷物でしかなかった。


入る順番は、道中と一緒でセラが先頭でルーネ、完次、ケイトの順で入ることして、列を成してから洞窟に入っていた。


セラ達が鉱山内を灯すと中には、トロッコの線路が引いてあり思ったより中が広く二車線ほどの大きさであった、線路はボロボロで走れる状態でなく道のいたる所にモンスターの糞、食べかけの果物や何かの骨などがありモンスターが住んでいて間違いなさそうである。


「では、中に入るぞ」

いかにも主人公らしき言葉をセラが放った後、完次一行は鉱山の奥へ奥へと入っていく。外から光が届かなくなる頃には、三人の眼が光らせてる所意外は真っ暗で何も見えなくなっていた。


モンスターに襲われないように願う完治だが、その願いは鉱山に入って数分で終わってしまう。


バサ バサ バサ


何かが羽ばたいている音が複数聞こえる。だが、完次は巨体を丸めるほど脅えはしなかった。羽音が小さい。小さいのが何匹かこちらに向かってきているのがわかる。


戦闘のセラは、キョロキョロと辺り照らしながらその羽音の主を探す。しかし、なかなか見つからない状態でいる。完次も一生懸命に辺りを見渡すが暗く手何も見えない。相手が見ないとやはり怖いが、少し冷静慣れている状態でいる。完次の手はルーネに握られていた。誰かにこうやって手を握られていると安心するものなのかと少し感心している時、セラのライトが何かを捉える。


セラのライトの先には、鳥のようなものこちらに向かってくるモンスター?いや生き物を捉えている。完次はその生き物を知っている。


蝙蝠こうもり?」

暗闇を好み洞窟や鉄橋の下などに生息している。前世界でも生息していているものだ。

「似てる でも 違う」

隣で目を凝らしているルーネがそう言い放つ。完次もルーネに見習い凝視することにした。


耳は尖がっていて目は赤く


羽を広げた時の大きさは成人男性並


そして、口は尖った牙が複数見られた。

「あっちの世界ではあんな大きい蝙蝠って生息しているの?」

「オオコウモリ 全長0・4メートル 翼開長よくかいちょう1.5メートル 蝙蝠  生息している でも…」

「完次さん そのオオコウモリの主食は花蜜や果物で、あんな牙の必要性もありません。そして目も赤くありませんですし 何よりも大きすぎます」


ルーネとケイトに挟まれる形で完次は守られていた。その蝙蝠・・・いやおそらく吸血蝙蝠と言ったほうがいいのかもしれない。吸血蝙蝠は坑道を縦横無尽に飛びながらこちらに向かってくる。それも二羽・・・いや三話もこちらに向かってくる。


しかし、セラのライトでは三羽全部を照らすの無理があった。セラは二羽を捉えるのがやっとで、残り一羽常に暗闇の中に姿を消している。



「完次さんこれを付けててください。」

完次はケイト言われるがまま渡された物を全て装着する。完次視界はサングラスで少し暗くなり、そして耳栓により音が完全に音が遮断された。


そして、装着して3秒後にはサングラス越しで花火のような光が見えたが、音が聞こえず完次はほとんどなにが起きたかわからない。そして、花火の後に小さな光パンパンと三発光った後、肩にチョンチョンと誰かに触られた。


ケイトが指でオッケーポーズをとっていたのでサングラスと耳栓をはずすと、羽音は一切していなく。セラが三羽の動かない吸血蝙蝠を照らしていた。


「完次さん 私がスタングレネードとこのコルト・ガバメントで吸血蝙蝠を銃殺しました。」

スタングレネードとは、強烈な爆発音や閃光を発生させる手榴弾の一種である。


「蝙蝠は光に弱く 超音波で相手の場所を調べている言われているので 成果があると思い使いました」

ケイトは自信満々に話したあと、状況が把握できていない完次に対してルーネから細やかな説明を受け取た。ケイトがスタングレネードを投げ込み爆発をした後、吸血蝙蝠全羽は強烈な光と音に苦しみながら地面に落下。落下後、ケイトのコルトガバメントで吸血蝙蝠の頭部を撃ち抜くと動かなくなったの事らしい。つまり、前世界の軍事兵器はこちらの世界でもある程度の効果があることを示している事を教わり、ケイトの軍事用兵器は今後戦力になることを教えてくれた。

 

その後、奥に進むと吸血蝙蝠に数度襲われることになったが、その度にケイトのスタングレネードやセラを格闘術で蹴散らしていく。時には、全長2メートルほど巨大蜘蛛などに襲われた事もあったが、セラ達の相手にはならず、巨大蜘蛛は屍となっていた。


セラ達は無敗のまま坑道の中枢部までたどり着くと、休憩所を発見をした。この休憩所は状態が良かったので小休憩を兼ねて休憩所を探索することにした。


小屋の中には、大量の本、ベット、そして昔の採掘者が書いたであろう坑道の地図らしきものを発見した。蟻の巣みたく無数に分かれ道が書かれていた。


さらに、探索すると一冊の本らしきものが机の上に置いてあった。広げて読んでみるとここで取れていたであろう鉱物の名目がずらりと書かれていた。だが、どれも読み取れないかった。綺麗な字で書かれている文字は異世界文字で読み取れなかったが、完次は不思議と笑ってしまった。ここには未知なる鉱石が存在すると思うである。


完次はその本をリュックサックの中に入れ、セラ達が地図を見ながら何か相談していたのだ。


「どうだ なんかわかったことあったか?」

「とりあえず この先少し進んだあたりで分岐があるんだけどどっちに行ってもすぐダメらしい」


セラがアリの巣になっている地図の道を指でなぞると、その行き先すべてに×印が書かれていた。



「私達が入ってた来た入口以外にも入口があるのですが どれも行先は×印です」

「おそらくこの×印は掘り進めなかったポイントだろう」


完次はこの×印見てもセラなら掘り進められると思う。あのドリルを持つセラをチラッとみる。昔はツルハシで岩盤が固く掘れる気がしなかったと思うだろう。だが、ドリルなら全然違う。どんな岩盤でも掘り進めるドリルなら希望がある。


だけど、不安要素が二つある。一つ目は×印は地盤が緩くて掘れないポインとかもしれない事二つ目は昔掘っていてた物が魔法だった場合だ。一つ目はルーネとケイトが岩盤の様子を見てもらい平気かどうか判断してもらう事にするケイトとルーネが『ダメ』と判断すれば別の場所を掘ればいい事であり無数にある×印中から一つくらいは掘っても平気なところはあるだろうが、二つ目は厄介だ。魔法とドリルどちらが優れているかわからない。だが、完次はドリルの方が優れていると思っている。


・・・ 三人…いや俺を含めた四人でやればできる ・・・

完次はそう思っている。後は勇気を振り絞ってセラ達に協力を申請するのみ…ことわらたらどうしようと不安があるが言ってみることにする。


「あっあの…セラ達に協力してもらいたいことがあるだが…いいかな?」


その言葉を聞いて三人はそれぞれ違う顔した。嬉しそうな顔。驚いた顔。口を抑えて泣きそうなくらいに喜んでいる顔。そしいて、三人とも超え揃えて『はい喜んで』と答えてくれた。どの反応も完次にとっては嬉しかった。断られると思っていた。


学生時代に何度も誘いやお願いを断られた完次にとって本当にうれしい出来事で、瞳が熱くなっていたがそれどころではない。せっかくOKをもらったのだ。素早く指示をそしてできるだけ口調は柔らかくお願いをした。


ルーネとセラには、地図に載っている×印で掘削して一番安全な箇所の捜索と、ケイトには坑道入口から 休憩所までのルートを再確認してもらうことにした。



そして、ルーネ共に探索しようとしているセラを呼び止め、まるでこれから服を作るようにセラの寸法を測っていく。セラの上半身の寸法を全てを取った完次は急いである製作に取り掛かる。


セラは寸法を取られたのに驚きルーネの呼びかけに反応が遅れたが、セラは二度三度顔を振り気持ちを変えた。


一時間後には完次の作業は終えた時には、休憩所にセラ達が戻ってきた。


「こっちは準備完了だ セラ達は見つかったか?」

「こっちも見つかったぜ」

「発見」

「私は道を覚えましたのでお帰りの際はご心配なく」


完次は三人が自分のお願いした通り全て遂行してくれたことに感謝の言葉を伝えた後、完成した作品をリュックサックしまい、セラを先頭にルーネとセラが発見した場所に向かうのであった。


セラ達に案内してもらった場所は一番奥深い場所であった。万が一崩れた場合はおそらく助からないだろうが、完次はセラとルーネはたくさんあった×印の箇所をすべて回って見つけ出したのだ、落石なんか起きないと自然に思えていた。


「セラ 腕をドリルに変えてくれるかい?」


セラは右腕は肘から先の腕の部分が大きく開くと中から、成人男性一人分のドリルが出てきたのだ。どうやってしまっているのか興味が沸いたか後々に調べることにすることにした。


巨大なドリルを見ていると、これで掘れるのではないかと思うほど力強さがをドリルから感じ取れた。


「ルーネ どの辺から掘るのはベストかわかるか?」

「ここ ベスト」


指してあったポイントにセラのドリルの先端を当て、完次の方を見て合図を待っていた。完次は、セラの肩を少し叩いて「行け」と言葉にした。



セラの顔はニヤリと笑いドリルを回し始めた。

 

高速で回転ドリルは掘り進んでいた。

 

やはり、昔はツルハシ等で掘ろうとしたから無理だったんだ。完次は科学と技術の進化に感謝しなが、完次はどんどん進んでいくドリルを見ている。


掘り進めて数分経つと、スイスイと進んでいたドリルが回転を落としていた。視線をセラに向けると、ゴブリンや吸血蝙蝠などで戦っても顔を歪めなかったセラが顔を歪めて苦しそうだった。


当然だ、セラの肘の部分から少しだが煙が出てきた。


「セラ お前無理するなって言っただろう 」


実は、セラは最初から無理をしてたのだ。全く進まないと完次が、がっかりさせてしまうのでないかと思っていた。だから、セラは全力で掘っていたがここにきて限界がきたのだ。


完次は急いで自分が持っていたリュックサックからき作っていたモノを取り出した。


それは切削油だ。高速で回転するドリルを冷却作用や潤滑作用などの効果が得られる。ケイトが完次のために持ってきた飲料水と油等を混ぜ合わせて作ったもの。そして切削油を噴射する電動式ポンプも作っていたのだ。電動式ポンプは、作ったといっても壊れていたものを直し、切削油を入れる容器を取り付けた物だった。


完次は、切削油をセラのドリルに噴射をした。噴射すると最初のように掘り進んでいき、セラの肘からも煙が出なくなってきたのだ


「無理をするなよ 俺はこうやってセラが故障しないように作っていただからさ。」


「あっ ありがとぅぅ」

セラの顔から苦しさが消え、完次に顔を見せないよう下に伏せた。


「次から無理はするな 正直に話せ」

「はぃ」

セラの頭から煙が出ていてたが、完次はセラの頭から出るの煙を見ていなく。セラの腕とドリルの様子を交互に見ながらも、ドリルが掘り進む先を見ている。


ドリルは止まることなくどんどん進んでいく。


「頑張れセラ 最後のひと踏ん張りだ」


完次は応援をし切削油を流し込みながらも、セラを応援する。完次の後ろでは、ケイトやルーネが削油を補充をしたりしていた。


四人の協力でさらに奥に進んでいく。


バコ・・・



音が鳴った。


セラ達のほうを見ると目があった。


セラはドリルの回転をゆっくりと止め、ドリルを抜いてみるとそこには小さな穴が空いていた。


小さな穴を見た完次は嬉自然にセラ、ルーネとケイト抱き寄せた。


四人は、その小さな穴を少しずつ慎重に大きくし、人一人が通れるようになった。


中に入り、セラ達のライトで照らしてみるとそこは大きな空洞であった。


セラ達のライトで照らされた箇所にはたくさんの鉱石や鉱脈ががあり一つ一つの鉱石が光かり


まるで星空のようであった。


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