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異世界で何をする?決まってるだろロボットを作るんだよ!!  作者: 中田 ロボ
巨大ロボットで魔法と戦おう
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41話 ケイトとルーネVS魔女   

ルーネがワイヤーをはずすと、大量の角材がハロウィンがいるであろう爆発地点に落下した。


「先手 必勝」


数百もの仕掛けが残っているルーネにとって獲物が仕掛けにかかるのを待つ必要がない。一つのワイヤーをはずすと一つの罠が始動する、そして次々に発動していき最終的には自信作へ誘導をしていく。この工程がルーネはたまらなく好きななのだ。そして、もう一つ好んでいる部分がある。


ルーネの思わず口元が少し緩む。


これからハロウィンで様々の事を試せるからである。試す事で相手の情報を得る事できる・・・つまり、相手の事を【知る】事が出来る。


その【知る】行為にルーネはとても貪欲なのだ。多くの本を読み知識を手に入れる事も好きだが、いろいろと試していき相手の本質を知る事がたまらなく好きなのだ。


この報復ができる日を待ちに待っていたルーネは、ハロウィンについて…いや魔法と魔法使いについて徹底的に調べ知識を得てきた。前回大惨敗したルーネにとっては、ワイヤーを一つ一つ離していく毎にハロウィンを虐めることがきでるのに心が躍っている。


角材の落下攻撃ではハロウィンにはダメージを与えられていない。それはルーネは知っている。≪横に飛躍してその場から離れた≫この行動を持っていたのだ。


次の攻撃はどうやっては避けるのか。それとも防ぐのか。魔法か。魔体術か。選択肢がたくさんある。これを選ぶ判断速度、選ぶ傾向、性格などなどたくさんの情報を得る必要がある。これらを【知る】ことによって後々ハロウィンが次に取る行動を予測しやすくしていく。


二撃目を放ちながらも先程の一撃をどうやって防いだのか今後参考をするためハロウィンがいた場所に目をやると、落下していた角材が空中で止まっていることを確認する。


魔法…風の魔法【浮遊フロー】で、物を浮遊させていたのだ。ルーネはこの魔法を事前に本で読み知っていて驚きはしない。それどころか、【浮遊フローを使えた事と見る事ができて満足であった。知識とは文字を読むより実際に見たほうが何倍も【知る】事ができるのでそれに対して喜んでいたのだ。



風の魔法【浮遊フロー】―― 物、生き物を浮遊させる事を可能。重量制限があるが個々の能力次第である。リキャストタイムは一分三十秒。つまり、この一分三十秒の間は落下物が有効である。


そして、総重量70キロの物を約10メートルから落としたらその衝突の威力約9トン。ハロウィンの【浮遊フロー】は9トンの衝撃を受け止め受け尚且つ保ち続ける事できるがを【知る】。


その情報を陥て攻撃を依頼する。


・・・ ケイトお姉ちゃん お願い ・・・

・・・ おーけー ・・・


ルーネから依頼を受けたケイトは、戦闘でボロボロになっている建物にライフル銃を構えて待っていた。寝そべってスコープを覗き込んでいるケイトは、スコープ内に誘導されたハロウィンを狙撃するだけの簡単な仕事だった。


ケイトの構えたところに吸い込まれるようにハロウィンが現れ、ケイトの武器はL96A1(ボルトアクション方式の狙撃銃)の引き金を引いた。


放たれた銃弾は、ハロウィンの頭部に目掛けて飛んでいく。空気を割きながら進んでいき人の眼に決して映ることがない銃弾は確実にハロウィンの頭部に向かっていく…が


スコープ越しにハロウィンと視線があう。姿をくらまし気配を消し音を立てずにルーネが選んだ場所にきた。もちろんサプレッサー(*銃声を抑えるモノ)も着けている。なのになぜか…ケイトは頭を数度振り考えることを辞めようとしたが、信じられない光景が再びケイトを襲う。


ハロウィンの眉間に目掛けてた銃弾をいとも簡単に避けたのだ。


口が開きっぱなしのケイトが、ケイト達も相手の狙撃箇所と狙っている場所を知っていれば避ける事は可能だが、ケイトは直前までハロウィンには気が付かれていない。


・・・ 魔法? ・・・

・・・ 私も そう思う ケイトお姉ちゃん 完璧だった でも避けた 私も 知らない魔法 おそらく 本に載っていない オリジナルの魔法 だと思う ・・・

・・・ 魔法って オリジナルとかあるの?本当面倒ね それにしても どうするの 打開策ある? ・・・

・・・ オリジナルの魔法 未だ未知数 だから 勉強 実験 ・・・

・・・ おーけー ・・・


【ライン】で会話をしていてる最中も、ルーネはハロウィンへの攻撃を一切辞めていない…むしろ激しくなっていく一方であった。銃弾を避けた後も、ルーネの仕掛けた罠を発動していきハロウィンを襲っていく。ハロウィンが民家に入ろうとすれば槍や剣が飛び出し侵入できないようにしてあり、その勢いで地面に着こうとするものならトラバサミや落とし穴が発動する。まだハロウィンは地面から空中逃げようとはしてないが、空には有刺鉄線や【巨大蜘蛛の糸】で完全に封鎖をしてある為逃げても無駄である。完璧な包囲網である。


行く先々に罠がある事にハロウィンが気づきその場に留まるようになる。これこそがルーネの第一目標であった、使用した罠はルーネが仕掛けた半数を使い要約可能になった。ルーネとハロウィンの戦場には落とし穴や武器、角材などルーネが使用した材料が地面が見えないほどに散らばっていた。しかし、ハロウィン行動の傾向。魔法や魔術を使う頻度。右か左に避ける割合など様々情報を得ていてルーネは非常に満足であった。


ルーネの罠に対してハロウィンは風系統の魔法の【風輪キャリオン】や魔体術などでうまく避け余裕があるのに、反撃は一切してこない。攻撃魔法の代名詞でありハロウィンの攻撃手段の一つである火系統の魔法を詠唱しないのかというと、ルーネが詠唱させていないのだ。


魔法を唱えれる者が怖いものは詠唱を失敗による爆発である。


難易度が上がるにつれて失敗のリスクは上がるがその分威力や効果範囲、発動効果も劇的に上がる。下級から中級だけでも威力だけで10倍で範囲も5倍になり、中級から上級はさらにその10倍で範囲は都市を包み込むほどまでになる。しかし、デメリットもある下級なら火傷中級は重度の火傷上級ともなると辺り一面がクレーターになる程の被害が生じる。


そのリスクの性質をうまく使ってルーネが行っていた事は、粉末状にした【火薬草】をこの戦場に大量に噴出している。この【火薬草】は、発火性が高く危険な物だが分量や使用方法に注意を払って使うことによっては発火材や料理などに使うのがこの世界の常識である。


その【火薬草】と共に【ニトログリセリン】を少量混ぜているため中規模の爆発を起こせるのだ。どちらも粉末にして空気中に漂わせているためハロウィンの眼には見えないが、ハロウィンが今いる場所は火気厳禁の危険地帯となっている。


火花でも起こせば爆発が起きるようになっている。だから、ハロウィンが詠唱した火系統が発動すると共に爆発が起こったのだ。そして、この爆発が【ニトログリセリン】と【火薬草】でできている事はハロウィンは知らないからこそ、自身に疑問が生じ火系統の魔法が使えなくなっているのだ。


だが、この罠ももうすぐ終わってしまう。原因は【火薬草】が十分に準備できていなかったのだ。〈オリン〉の街中からありったけの【火薬草】も持ち込んだが、粉末にする時間がなかったのだ。それでも、大量に噴出できるに装置を作り約5分間も状態維持できるようにしていたが、その装置が終わるのに残り5秒で終わってしまう。


だから、ルーネ達は最高の共同作業を行う。


ルーネは、数本だけ残し後はレールを巻くと民家を倒壊して現れたのが獅子の顔彫刻された壁であった。壁はハロウィンの四方から襲い掛かってくる。


これに対してハロウィンは嵐の魔法【山嵐フロイド】を発動する。【山嵐フロイド】は四方に向かってくる壁を同時に無数の風の針で粉砕をする。だが、粉砕をした後ろには石柱が横一列に並びながら迫りくる。ルーネがワイヤーをはずすと石柱はハロウィンに目掛けて倒れていくが、【風輪(キャリオン)】 で石柱を吹き飛ばし難なく凌いでいく。


しかし、ルーネ達は【風輪(キャリオン)】を待っていたのだ。 【風輪(キャリオン)】が始まりの合図のようにルーネは残りワイヤーをリールの超高速回転で巻いていく。


【巨大蜘蛛の糸】を伝ってきワイヤーの先に付いているのは形が作られた木材が括り付けられていた。運ばれてくる木材は空中にある網のようにあった有刺鉄線を絡みつけながらハロウィンの元へと次々と向かっていく。


ハロウィンも逃げようとしたが超高速で回転するリールに引っ張られている木材達がハロウィンが動くより早く行く手を阻んでいた。やがてハロウィンを中心とした木造の鳥かごが完成をした。


その鳥かごに投下しようとケイトが持っているモノ。それは最悪の爆弾である原料ナパーム剤である。躊躇もなくケイトはナパーム剤をルーネが作った鳥かごに投下する。投下されたナパーム剤は鳥かごの頂上で割れ中の液体が鳥かごに染みわっていき、中までボタボタと落ちている。


「なにこれ 変なのが垂れてきてるですけど 洋服が汚れちゃうんですけど」


これがナパーム剤と知っていれば慌てる人もいるだろうが、ハロウィンは何にも脅えずただ服の事気にして叫んでいるが、そんなことがどうでもいいルーネは有刺鉄線に付いている電流のスイッチを押した。


【二人組創意工夫 NENDネッド


有刺鉄線が火花を上げると同時に鳥小屋は燃え上がった。燃え上がった鳥小屋の木材は赤く1000度近く高温のドロドロとした液体に変わり地面へとボタボタと落ちていく。もしあの鳥小屋に普通の人間がいたらおそらく即死であろう。どろどろの液体に触れれば燃え、例え触れずとも一酸化中毒になり苦しくて絶命するであろう。


普通ならばの話、今回の相手魔法使いこの地獄のようなコンビネーションでも生きている可能性がある事はケイトとルーネも知っている。警戒態勢を保ちつつ燃えている鳥かごを眺めている。


炎上し続ける鳥かごの中はどうなっているかケイトでも確認できないが、ドロドロとした液体が地面に流れると壁や石柱だった石材に移っていき、さらに民家や店に炎が燃え移っていく。戦場は火の海に変わっていく。


鳥かごの木材が全てドロドロの液体に変わり地面に流れていく中、ドロドロの液体を纏った卵状の物がゆっくりと浮き上がり、10メートルまで浮き上がった所で止まると纏っていた液体が地面にゆっくりと垂れ落ちると、何かに守られながら真紅のマント着用しているハロウィンが現れた。


「ごほっ ごほっ ハロウィンちゃん死んじゃうよぉおおおおおおおお」


咳払いをしてるハロウィン、あの状態で咳払いだけで済まされることはない。街の三分一を火の海に変える威力の中心地点にいたのだ。酸素は無くなり一酸化炭素中毒になってもおかしくないのに、ハロウィンは咳払いをするだけほとんど無傷、火傷すらない。


驚愕な状況なのにルーネ達は驚きもせず、次の行動のためにハロウィンが生存できた理由を考えていた。その理由を瞬時に考えルーネがたどり着いた答えが、真紅のマントだ。あのマントで恐らくルーネとケイトのコンボを防いだという不確かな結論だが、ルーネはこれを納得するしかなかった。


・・・ ケイトお姉ちゃん 私達 火力不足  ・・・

・・・ それは わかるわよ 私達の最大火力をぶつけても倒れなかったのは悔しいけど それでも私達に逃げるって選択肢ないからね 完次さんが来るまであと10分 何が何でも時間を稼ぐのよ ・・・

・・・ 承知 でも あのマント 卵状の防御術 この二つだけが 問題 あとは 無問題 ・・・

・・・ そうね あとあいつの反射神経が気になる その場所に隠れている事自体前 前もって知っているみたいな感じなのよ ルーネちゃん わかりそうなの? ・・・

・・・ うん  解明 まであと少し ・・・

・・・ さすがね 私は何をすればいい? ・・・

・・・ もう一度  ハロウィン 頭の狙って ・・・

・・・ 了解 ・・・ 


ケイトはハロウィンの眉間に標準を合わせて再び引き金を引く。銃の撃針ファイアリングピンが雷管を叩くと、プライマー内部の火薬が燃焼し、薬莢内の伝火孔フラッシュホールと呼ばれる小さな穴を火花や燃焼ガスが通過し、パウダー火薬 に引火して激しく燃焼すると、発生した燃焼ガスにより内部圧力が高まり、弾頭が押し出されて銃身バレルの中を進み発射。


この瞬間。


ハロウィンの顔に反応がある。人間や動物…どの生物でも考えらない段階でハロウィンは自身の危険を察している。その瞬間をルーネは瞬きをせず食い入るようにハロウィンを観察する。危険感知能力でハロウィンに危険が迫っている事を知っているのに、ケイトの狙撃箇所を方向に体を向ける事無くもその場から逃げようともせず、ただその場に立っているように見える。だが、些細な変化を知る事に貪欲なルーネが見逃す事はなかった。


ドロドロの液体から発生された煙が至る所で発生している中、一部がハロウィンにも当たっている。その煙がハロウィンを避けて流れている。


これを見てルーネは一つの結論を見出す。おそらくハロウィンは風の衣みたいなものを纏い、その効果がハロウィンに近づく危険物を全て守る。いや…ケイトお姉ちゃんが接近戦に挑んだ時何事もなかった。つまり、接近戦は有効?遠距離から放たれる銃や弓といった兵器類全て、魔法といった類も全て防げるということになる。つまり、ハロウィンは遠距離攻撃はほとんど無敵に近い状態。近距離で倒さないといけないことになる。


ルーネは自身が見出した結論に満足がいく、小さくガッツポーズをとった。


「ばれちゃったようね 私の体質パッシブスキルに初見で気づくなんて褒めてあげるぅ 名前は【風を愛した女ミティロジー】っていうだけど 可愛い女の子の秘密を知ったのなら抹殺するしかないよね」


ルーネは決してハロウィンに姿を晒していない。物陰に隠れて今まで考察をしていた、なのにハロウィンはこの場所にたどり着いた。


ルーネが考えた風の衣改め体質パッシブスキルには、まだ秘密があることを身をもって体験してしまった。そして、ケイトが言っていた≪自分の行動が前もって知られているような気がする≫というのがヒントになり答えに近づくのだろう。


しかし、今は考える事よりも逃げる事が先である事をルーネはハロウィンの行動をから察する。


ハロウィンは今箒に乗りながら上空に位置し棒状の物を振っている。


そう、ルーネはこの棒状の物をハロウィンが振っているからこそ逃げる選択肢を選んだのだ。ルーネの取った行動にご満悦のようにハロウィンは不気味に笑っている。


「あらー 本当に物知りね 私が〔魔法使い〕でもあり〔魔術師〕でもあることを理解したのね 凄い凄い 貴方は本当に凄いよ おそらくこのスティックで理解したようね うん うん いいでしょう ちょっと遅いけど改めて自己紹介するね ササンドラ王国の魔女 ハロウィンちゃんです♪」


ハロウィンはスティックは先端に南瓜のお化けが可愛らしく刻印されてた物で、そのスティックを指揮者の用に振っていたが自己紹介を終えると共に自身で一番可愛いポーズをとっている後、振っていた箇所に光輝く文字が現れる。


嵐波刃ストウェブブレード


三角形でハロウィンを囲うように三本の柱がそそり立つ。その三本の柱はどれもが風の渦でできた柱で、ルーネが隠れていた壊れかけた民家をバラバラに壊しながら渦は大きくなっていく。


「これが〔魔術式〕で作り出されたモノ 魔術式を描く時間がネックだけど詠唱よりも威力と効果範囲は段違い そして この魔術式に私の詠唱【風切(スライス)】を加える事で完成するオリジナル魔法 その名も」


爆風刃陣形ハッピーハロウィン


三本の柱それぞれに【風切(スライス)】を送り付けると、【嵐波刃ストウェブブレード】内に巻き込まれることによって【風切(スライス)】は巨大化し触れるものすべてを粉々していく生き物のようになっていく。


一つだけでは飽き足らずハロウィンは【嵐波刃ストウェブブレード】に次々と下位の魔法【風切(スライス)】を送り付ける。下位魔法はリキャストタイムが短くハロウィンなら【風切(スライス)】一度に3つ同時に詠唱できる。


3つ、6つ、9つ増加していく


そこら中に散らばっている瓦礫を吸い上げ、吸い上げられた瓦礫は粉粉に切り刻まれていき、さらには戦場が暴風域に変わりルーネ達のナパームの炎も風で消し飛ばしていく。


暴風域にいるルーネは何も出来ずその場に屈みんでしまう。

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