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異世界で何をする?決まってるだろロボットを作るんだよ!!  作者: 中田 ロボ
巨大ロボットで魔法と戦おう
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38.5話 ケイトのクローゼット *サブストーリー

ケイトの部屋は完次の部屋の右隣。他の部屋よりほんの少し小さな部屋である。


家具は他の娘達に比べて部屋に置いてるものが少なくベッド、ドレッサーとクローゼットこの3つのみだった。その中でもクローゼットがとても印象的で、部屋の半分以上を占めて居るほど大きく、ここにベッドがなければ衣裳部屋と勘違いするほど大きいクローゼットに囲まれているこの部屋がケイトの部屋となっている。


このクローゼットに、鼻歌を歌いながら真新しいメイド服を入れようとしているケイトの姿があった。


クローゼットの中には様々な衣服が並ばれている。ふんわりとした服装から大人の女性が着るような服、パーティー用のドレスから普段着ているロングスカート主体のメイド服。ミニスカートのメイド服。猫の尻尾が付いたメイド服。などなどまだ一度も着たことがないメイド服や衣服がおいてある。何に使うのかわからないが他にも、軍服。ナース服。学生服。それから熊の着ぐるみも置いてあり、コスプレショップと思える品揃えも完備されている。


それらすべての服はビニールでしっかり包装され埃や害虫などから大切に保管されていて、ケイトはその服達を見ながら今日の服を選ぶ。これがケイトにとって至福の時間の一つであり悩ましい時間でもある。


「完治さんはどの服装がいいのかしら」


クローゼットからミニスカートのメイド服を取り出し、引き戸にある鏡に当てて見せてる。今の姿を見た男子がいれば心を奪われ連れ去りたくなるだろう。また、猫の尻尾の付いたメイド服に猫耳を付けても似合う。「これかな それとも これかな」っと楽しそうに様々衣装を合わせてい服装全てが似合っている。


そのはずだケイトはスタイルは抜群に良くどの服装を着ても着られることなく、どの服装にもケイトは着こなしてしまう。


クローゼットの衣装全てはケイトの手作りである。<オリン>に行くまで完次が着なくなった服で村の子供達の服を作り、作業服や寝間着など子供たちの服はほとんどがケイトが作った物を着ている。


<オリン>の街に行くようになってからは、子供服やエイト達の服を買えるようになったが、ケイトは自分自身の服を、生地や布、糸を買ってもらい服を一から作っていた。作ったすべての服がクローゼットにある衣装達だ。元々家事全般が得意なケイトに生地などが手に入ったことにより鬼に金棒。現状で作れない衣服はケイトにはなかった。


ケイトは、おもむろに棚の中に隠す様に置いてある一冊の雑誌を取り出すと、真剣な眼差しで熟読をする。


「もうょっと 髪を短くしたほうがいいのかしら」


ケイトは髪を少し持ち上げて引き戸にある鏡に自分の姿を映す。そして、体をクルっと回転させ、胸を寄せ猫のようなポーズをとりニャーっと小声で言う。それから自分がとっているポーズと雑誌のポーズを見比べる。


「これを参考にしてれば完次の理想の女性に近づくはずなのに なかなか完次さん振り向いてくれませんね もうちょっと露出を多くしたほうがいいのかしら・・・ でもこちらの記事にはあえて見せないという方法が書かれていて 別の雑誌にはチラ見せというのがいいと書かれている どれがいいのしょうか・・・一つ一つ試すほかないですね」


真剣にその本たちと向き合っている。好きな男性に振り向いてもらいたい女子の気持ちの強さが凄いのかケイトがこの雑誌が成人男性雑誌ということに気が付いてないのかわからないが真剣そのものだった。雑誌に書かれている一字一句を真剣に読み、載せられている女性を自分と照らし合わせて、完次の好みであろう女性に近づこうとしているのだ。


「メイクは薄めの方が好みなのでしょうか・・・でもこちらの雑誌にはギャルとか書かれていて派手めのメイクをしてますね。 でもこっちにはOLというものが・・・どれが完次さんの好みなんでしょか・・・」


近くの椅子を引き寄せ座り、顎に手を当てて悩む。ケイトが今までメイクはしたことはない。<オリン>でこちらの世界での化粧品らしきものを手にをしてからケイトは悩んでいる。セラは「私には必要はない」と言い、エイトは悩んでいたが、「少しでも綺麗に見られたい」という理由でファンデーションみたいなものだけするようにした。チュームとルーネはめんどくさがり、ウキとスーは幼いので化粧の話をしても興味をを示さなかった。逆にマーニャは興味津々でエイトからやり方を教えてもらってからは一人で隠れて練習している。エイトが化粧して完次の前に立った時には完次さんは気付いたのかわからないが普段のように接していて、化粧ので効果らしい効果がなかった。


そのはずだ。エイトには申し訳ないと思っているが、ケイトは服装やメイクなどの外見が変わったからって完次が興味を引いたり好感度が上がるといったことがないことを知っている。


完次が見た目で判断をしない事は、ケイトが完成しうまれた時期に起こった出来事で知っているのだ。この出来事はケイトにとって大切な一日と記憶をし、そして一人の男に惚れた特別な一日となっている。


だから、悩んでいる。外見で判断しない男をどうやって振り向かせるか。でも、変化は必要だとケイトは常に思っている。いつも素顔のケイトがいきなりギャルメイクをしたらどんな鈍感男でも変化には気が付くだろう。でももしギャルメイクが完次が嫌いなら嫌われるかもしれない。それが怖くてギャルメイクはできない。変化を付けようと次に考えたのは立ち振る舞いだ。


服装はこの成人雑誌に載っている女性から、ケイトの振る舞いはこの記事からすべて取っている。

今回見ているページには【振れるか触れないかのボディータッチ】【耳元で囁く】【服の袖を引っ張る】といった行動をとるべしと書かれている。


ケイトの普段の素振りや行動は全てこの雑誌からとっていることが多く、多少無理をして行動を起こした時もあった。その成果が少し出ているのか、完次の反応が良かったのがいくつかある。だがどれも本当は恥ずかしくて再びちゃんとできるかわからない。


時には運よくすべてうまくいき、完次さんが振り向いてくれて告白をしてくれる。ということを考えてはしゃいだ時期もあった。


だけども。


ケイトは、絶対に告白をしてくれない事を知っている。そして、勇気を振り絞って告白をしても振られることも知っている。


なぜか。簡単だ。自分が二番目の女だからだ。何でもかんでも二番目なのだ。そんな人に惚れる男はいない。


ケイトは完次が作ったものの中でも、スペックが上位に入るほどスペックが高いものになっている。オールラウンダーと言ったら響きがいいかもしれないが、考え方を変えると秀でているモノがないと考えられる。


確かにケイトには【ムソビア】という便利な倉庫をもっているがただそれだけだった。ケイトにとってはただ荷物持ちにしか思えない。


セラは掘削をし完次さんのロボット作りに手助けをしている。エイトは素晴らしい頭脳とプログラミングで手伝っている。他の娘達もしっかりと完次のロボット作りに手助けをしているが、ケイトは物の保管だけでロボット作りを手伝っていない気がする。ケイト自身が別にいなくても成り立つのでないかと考える時がある。


普段は気にしないようにしているが、いざロボット作りをするとなると・・・悔しいのだ。完次が完成度が高い作品にしてくれたのに、自分が役に立てないのが悔しい。とにかく悔しいのだ。


だが、自分がどう努力しようとしても私達ロボットが成長をしないことを知っている。製作者・・・完次がケイトを改造などをしないとケイト達は現状から成長はしない。



だけど、振る舞いや外見などは自分からすれば変化がうまれる。だから、たとえ無駄だとわかっても外見の変化や振る舞いの変化を生みたいのだ。


そして、ケイトは自分に課題を作った。


【この雑誌を書かれている事を全て行う】。


そうしたら、完次が喜んでもらえると信じて。


そして、先ほど完成したメイド服で雑誌に載っている服装がすべて完成したのだ。だから、気分がよかったのだ。


しかし、雑誌を熟読しているケイトはムスッとした表情を浮かべた後、鏡に映る自分の姿と雑誌に載っている女性を見比べる。


「この方々がの方が少し・・・大きいようですね 形なら私も綺麗と思うのですが・・・ 完次さんは形ではなく 大きい方が好みなのでしょうか? 今日は少し寄せて大きく見せてみましょうか・・・」


決してケイトの胸が小さい訳ではないが、雑誌に載っている女性の方が大きい人が多く載せられているのに気が付いたのだ。


ケイトはいつもより胸を持ち上げ寄せ、いつも使わない数枚のパッドいれる。誰が見ても数段大きくなった様に見える。


それからクローゼットの中にあるたくさんあるメイド服の中から少しタイト目な物を選び着る。普段着るよりも体のラインが強調され、先ほどの成果も一目瞭然となっている。


「これで今日の完次さんの反応を見て見ましょう そして今日からこの雑誌に書かれていること行いましょう。 今日は・・・・【振れるか触れないかのボディータッチ】と【服をちょんちょんと引っ張る】ですね」


雑誌を再び棚に隠し、クローゼットを閉める。


そして、扉近くにもある大きな鏡で身だしなみの最終チェックをした後、完次の部屋に向かう。


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