35.5話 サブストーリー 村の娘の女子会
プロトを製作を始めて1週間を過ぎた時、セラが温泉を引き当て露天風呂を工場近くに作った。完次は露天風呂が完成した時非常に喜んでいた。日本でのストレス解消法の一つに、月に一度贅沢でスーパー銭湯にいくほど完次はお風呂が好きだ。その日以外はドラム缶風呂であったが完次は別に気にしてはいなかい。それがこっちの世界ではできなかったのにできるようになったのが嬉しいのだろう。
完次は露天風呂を完成した際、完次が作った鉄製の名札を、エイト達と村の子供達に渡した。風呂に入る時は入口にこれををかける事、それと男子と女子の混浴は認めない。この二つを守ることを伝えた。
村の子供達は全員理解をして何も否定をしなかったが、エイト達が完次と一緒に入りたい伝えていたが、完次はそれを断った。何度も何度も断ってようやくエイト達が引き下がった後、完次は自分が最後に入ると伝えた。
その後、エイトがその場でこれから毎日入る順番を決めた。村の男→村の女→エイト達→完次の順で入ることにした。
村の男の子が出た後のの露天風呂にクラリス、サルフィ、エリー、ニル、アサンパが足を伸ばしてくつろいでいる時・・・・。
「これが温泉っていうのですね 気持ちいい」
クラリスは伸びをしながら、日ごろの疲れをお風呂の中に流しているようだった。
「完次さんの前でのクラリスから想像できないね」
エリーはのぼせないように足だけを温泉に入れていた。
「何よそれ 私達を助けてくれた 命の恩人だから感謝してるだけだよ」
「ふーん 本当にそう思っているの?」
「思ってるよ だってあのまま隠れていても私も殺されるだけでだったんだから ネマンもようやくそのことを理解してくれるみたいだし」
「でも クラリスお姉ちゃん そのー 完次さんのこと怖くないの?」
風呂の中で小さくまとまっている少女が弱弱しい声で言葉を発した。この少女は普段はツインテールだが、今は長い茶髪の髪を頭の上で結びお団子を作り湯船につかっている村の娘の一人ニルだった。ニル=ローコータは、クラリスより4つ下のニルは一人っ子だったが、親同士で仲良く家が近所のバーンベール姉弟とよく遊んでもっらていた。特に姉のクラリスとはよく遊んでもらっていて互いに姉妹のように接している。
「ニル 前にもいたけど人を外見で判断しないの 完次の傷や火傷なんて私を守ろうとして出来たものだよ。あまり話をしない方だけど私達から話をすればちゃんと答えてくれるいい人よ」
「クラリスお姉ちゃんが言うからにはそうかもしれないけど・・・私まだ怖い・・・背も高いし・・・クラリスお姉ちゃんみたく 料理や・・・そのロボト?というの作れないし・・・私何もできないし・・」
「そうね 確かに完次さん大きいもんね それはゆっくりなれないといけないね それと私ニルのといいところいっぱい知っているから大丈夫よ 何もないなんて言わないの おそらくだけど完次さんニルのいいところ知っていると思う 完次さん思っている以上に私たちのこと見てくれてると私は思っている」
「うん・・・・わかった」
ニルは少し不安な顔をしながら小さい体をさらに小さく丸めていった。
「エリーも最初は信用できないやつとか言ってたけどなんだかんだ 完次さんの事を信じ始めるようになってるもんね」
「確かにそうよ だって初めて交わした言葉が『私が父親になる』よ どう考えても頭おかしいのよ あの人 それに有言不実行だし 部屋にこもりぱっなしで何をしいるかわからない なのにエイトさんみたいな美女を連れている どう見ても怪しいかったよ あの人」
「でも 過ごしているうちにわかったのよね ただの口下手ね ロボット作りが好きなこと エイトさん達がどうして完次さんに付いているのか私にもわからないけどね」
「あの人たちは危険よ」
先ほどまで髪の毛を黙々と洗っていた少女が少し脅えてるような声で話を始めた。黒髪で少しくせ毛の女の子アサンパだ。アサンパ=バルリールは父は狩猟、母は普通の専業主婦の一人娘だった。クラリスより一つ下でエリーと同じ歳だが父と狩りをすることが好きで幼い頃から父に狩りの仕方を教えてもらっていた。
「ルーネはそんな人じゃない」
物静かなサルフィがいつもより数段大きな声を上げてアサンパを見ていた。
「ルーネ・・・ちゃんは本が好き・・・本好きな人は心が綺麗な人が多い・・・お父さんがよく言っていた」
サルフィの怒りは静かに収まっていく、サルフィの父親が本をよく読み本をを愛していた。サルフィはそんな父が大好きだった。幼い頃は病気しがちだったサルフィにとって本を読む時間はたくさんあり、その時に文字や様々な知識を学んだ。12歳の誕生日を過ぎた頃になると病気もほとんどしなくなり外で遊べるようになるが、それでも、遊ぶ時間よりも本を読んでいた。
「・・・・それでも・・・あの人達を怒らせないようにしたほうがいい・・・一応注意したからね」
少し言葉がつまりながら注意するアサンパは誰の目からも何かを隠しているようにしか見えなかった。だが、クラリスはそれを問う勇気がなかった。今聞いては何かが壊れそうな気がするから。悪い予感は良く当たるというからね。時間を少し開けてアサンパと話を聞くことににした。
しばらく沈黙が続いた。みんな思うことがあるのだろう。クラリスみたくエイトさん達を信じる者もいれば、アサンパみたく謎が多いエイトさん達を疑う者。最初は疑う人が多かったけど、最近になっては信用してみようと思う人が多くなってきた。
「・・・・ロボットキングは面白いよね。」
沈黙を変えようとクラリスはロボットキングの話題をだす。
みんな夢中になっていたロボットキングシリーズ。シリーズは10本以上もあり、クラリスたちは午前中の仕事終えると完次さんが準備してくれた鑑賞室で、ロボットキングをを見ている。クラリスたちは夢中になり多い日には12話以上を見ることがあるくらいクラリス達ははまっていた。
「うん。私はJシリーズの主人公のスターク好き」
シリーズを通して変形をするロボットが多いJが好きなエリー。主人公のスタークは周囲に天才と言われる男だが、実は影で努力をしていてクールな男。
「わかるわかる クールで努力している所を隠しているのがいいよね」
「そうそう しかもちょっとお茶目な所もあるところもいいのよ それにロボットが空を飛ぶ乗り物に変形をするシーンなんて最高よ。乗り物もかっこいいのよね」
「私はDシリーズのジャスティンロボが好き」
Dシリーズは主人公が乗っているロボットにその場に応じた武器をドッキングして敵を倒していくシリーズが好きなのは、サルフィ。主人公の紅葉は気弱な少年。紅葉は戦うごとに少しずつ勇気を出していくシリーズだ。
「最終話は本当最高よね 紅葉の成長も凄いけど 最後にすべての武装をドッキングした時は驚いた」
「うん 今ねそのドッキングした物の名前をルーネから教えてもらってるの」
「そうなんだ いいなー 今度私も教えてもらおう」
「ニルはEシリーズかな」
Eシリーズは初めて女性が主人公のリア。小さいロボットだが仲間たちと合体することによって巨大ロボットになる作品。主人公は優しいお姉さん的存在で仲間からも「お姉ちゃん」と呼ばれる。だが、主人公のロボットは黒を主体とした悪魔みたいなロボット。
「友情が多めで面白いもんね」
「うん。もう一度みたい。」
「ロボットキングシリーズ見終わったらみようね」
ニルはコクリと頷きながらクラリスに頭を撫でられている。
「・・・・」
「・・・・アサンパはなんかロボットキングのシリーズで好きなものある?」
アサンパもロボットキングを一緒に見ている。嫌なら一緒に見ることはないと思うが・・・
「ない」
アサンパは強く否定をした。
そんな強く言う必要もないじゃんと心の中でほんの少し拗ねるクラリスだが、絶対口に話しない。クラリスは空気を壊すことが嫌いなのでこれ以上は口にすることなかった。
「嘘つきだなー アサンパはGシリーズめっちゃ好きでしょ?」
「んな? ななんだと。」
エリーがニシシシと笑いながらアサンパに近寄っていく。
エリーとエリーの父親は狩りに行く時は村長の家を訪ね申請をしてから、狩りに向かっていた。これは、乱獲を防ぐのと生存確認をするの方法の一つでもあった。村長の娘でもあるエリーは毎朝夕にアサンパを会いっていた。クールなアサンパは積極的に世話をしたいエリーを苦手意識があるのか、ただただ仲がいいのかわからないがエリーの押しには弱かった。
「ほんと昔から素直じゃなよね」
「ふん・・・うるさい」
温泉のせいなのか少し顔が赤いアサンパはその場で立ち上がりお風呂から出て脱衣所に戻っていった。
クラリスはアサンパ少し仲良くなれると思うと同時に、もやもやとした不安。エイトさん達が危険といったあの言葉が気になっていた。