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異世界で何をする?決まってるだろロボットを作るんだよ!!  作者: 中田 ロボ
異世界でロボットを作ろう
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29話 家族と異世界ロボ(脚部編)

エイト達から工場という最高のプレゼント受け取ってから数週間が過ぎ完次は工場でロボット製作に追われていた。

「完次さんそろそろ休憩しましょう」

声を掛けたのはケイトだった。完次は工場で住み始めてからほとんど工場から出てはいなかった。少し痩せ体調悪く見えるが、完次は休もうとしなかった。むしろ「元気がある」と言って休むことを拒否をしていた。


完次のやる気がある姿にケイト達は誰も止めようとしなかった。完次は夢に近づいていることから、誰が見ても無理をしている状況であった。


そして、決めつけとしては、工場ができてから村の子供達とろくに会話をしていない。その中でも、一か月以上話をしていない子供達がいる状況であった。


この状態何度目かの食事をしていた。いつものようにみんなが集まり、完次は考え事をしながら食事をし誰よりも早く食べ終わりそうな時だった。


「あのー 完次さん」


声をかけたのは村子供の一人でネマンの姉であるクラリスであった。クラリスは普段は優しいお姉さん的存在の娘であったが、今回は少し険しい顔をしていた。


だが、完次は気付かいなのかご飯の片づけをし始めていた。その後、ケイト達も声をかけたが聞こえてはいなかった。そして・・・・


「聞いてください!!!!!!!!!!!!」

クラリスが物凄い大声を出したのだ。全員がびっくりしていた。完次もようやく声をかけられているのに気づいた。


「完次さん 本当にいろんな物をくださり私達は本当に感謝してます。 洋服や食事、家など本当に感謝しきれないです。 完次さんが食事はみんなで取ろうと言ってくれた時は 私本当に嬉しいかったんです 家族を失って不安でしょうがない日々送るのかと思っていたから みなさんで食事が取れて嬉しかったです。そして、少し完次さんのこと信じてみようかなって・・・そんな人が今・・・目の前で弱っていって・・・もしかしたら・・しんじゃ・・・」

クラリスは後半泣きながら完次に訴えていた。


村の子供達は麓に来て最初の一週間は痩せていたが、現状は最初に出会ったときとほとんど変わりがなかった。セラ達は、どんなに食べなくてもどんなに食べても太ったり痩せたりはしないが、完次ただ一人だけどんどん痩せっていったのだ。


食料不足とかではなく、完次一人ただ食べてないだけであった。できるだけ食べる時間を削り、さらに完次は頑張ろうと睡眠時間を削ってやっていた状況だったのだ。


その原因はロボット作りがうまくいってなかったのだ。


何度か設計図を書いてたが納得がいくようなものができず。完次は一人であれこれ試行錯誤を重ねていたがどれもが納得いく結果にはならなかった。


完次の部屋には大量の設定図であった紙くずと、失敗作品が散らかっていた。


「最初はケイトさんやエイトさんが注意してくれると思っていたけどどなたも注意してくれませんでした。だから、私が言います。 どんどん痩せていく完次さんなんて・・・見たくないです。ご飯を食べてください・・・もっとたくさん食べてください。」


と、クラリスは完次に深々と頭を下げてをお願いをしていた。


完次は頭を2.3回かいた。


(困ったな・・・なぜ泣いてまで止めようとしているのか・・・さっぱりわからん)

完次はその場で止まり数秒間考えたが理解できなかった。完次からすればエイト達を作っていた時もこのような生活を送っていたが別に何ともなかった。だから、完次はクラリスが止める理由がわからなかったのだ。


(まぁ再び食事をすれば泣かれることはないだろう・・・)

完次は再び席に着き食事を取ることにした。どれか食べたいものを探していると完次はあることに気が付いた。


「俺の好きな食べ物が多い」

「やっと気づいてくれました」

エイトが不安そうな顔から優しい笑顔を見せていた。完次は、よーーーく見渡すと食事に参加しているほとんどが同じように不安そうな顔をしていたことに気が付いた。


「パパずっーと楽しそうに作業してたから ウキちゃん ずっと我慢してだよ でもどんどん痩せ行くから ウキちゃんが《めっ!!》しようか考えてたんだけど ウキちゃんにはわからなかったの だから ごめんなさい」

ウキはクラリスに謝ってから、完次の横に来てちょこっと抱き着いていた。ウキが謝ってからエイト達もクラリスに謝っていた。


(そんなに 無茶をしていたか? 悪いけど エイト達を作っていたときも こんな生活をしてたけど 平気だったぞ 何を心配しているだ)


「完次さ・・・ま  どん・・・ど・・・・ん・・・痩せて ダメ 倒れちゃいます ちゃんと食べてください」

マーニャがモジモジと話していて聞き取りにくかったが、完次はご飯を食べてほし事を理解していた。


〔チョンチョン〕


完次はチョンチョンとつつかれた方を向くと、スーがスプーンにいっぱいの料理を入れて完次に「あーん」と言って無理矢理食べさせていた。


「いっぱい食べる パパ元気になる スーも元気になる」

スーはそういいながらたくさんの料理を完次に食べさせようとしていた。


完次は少し苦しそう顔をしながら「辞めてくれと」頼んでいたが 誰も止めようとはしなかった。


「もぅ完次は自分の事を心配してくれてる人がいる事を自覚したほうがいいと思うぜ」

セラはそういいながらちょっと照れながら笑っていた。


ルーネは完次の膝の上に座り、一冊の本を開いていた。

「これ 栄養不足 寝不足 なると うまくいかない事 書かれている 読んで」


完次はルーネの本に目を通すと、それらしきことが書かれていた。


チュームが手巻きをしているのが見えたのでウキたスー達に移動してもらってからチュームの所に行くと

「それとこれも読んだほうがいいかも 元気になるから」

それは、完次は誰にも見つからないように隠していた。エロ本だった。完次はむせりながらもそのエロ本を服の中にしまった。


「おぉぉぉおぉ お前 ななんあなな なんで持ってるの?」

「大丈夫ですよ 皆 内容を知っていますから」

「そういうことではなくて・・・みんな?・・・・知ってる?」

「そうですよ・・・ウキちゃんとスーちゃんには早かったから見せてないけど・・・エイトねぇ、ケイトねぇ、セラねぇ、ルーネ、マーニャと私だけど みんなで回して読んでいたよ」

とチュームは口を手を隠しているつもりだろうがニヤニヤと笑っていたのに完次は気が付いていた。


(チューム・・・さっきまで 心配そうな顔をしてたのに 今度はからいやがって)

完次はチュームの方を少し睨んでいると後ろから甘くていい匂いがしてきた。


「完次さんに相手されてみなさん嬉しいですよ 皆さんここ最近相手にされなくて少し寂しがってましたから もちろん私もです だから 寂しくて添い寝しようかと思いました」

ケイトが完次の耳元でささやくように話しかけていた。ケイトの声は甘く、その声だけで何人もの男性を惑わす事できそうな声であった。


完次はエイト達のおかげで少し自分がやっていた事を過ちに気が付いた。そして、完次は静かにみんなの見える位置に戻り、その場で深々と頭を下げた。


「ゴメン 心配かけて これからこういうことは極力なくすように努力をする」

完次が謝るとエイト達はいろいろと野次を飛ばしていた。そして、完次はクラリスのほうに近づき村の子供達の所でも再び頭を下げた。


「ゴメン そして『父親になる』 とか言いつつ 父親らしいことを一個もできないのに心配をかけて ゴメン」

「そんな 頭を下げないでください 私達もこの数週間でだいたい完次さんの性格とかどんな人かわかってきましたので」

完次は頭をあげると、そこにはクラリスの少し腫れた目が見えた。


完次は自分の頬を両手でビンタをした。


「よし 何でも言ってくれ なんかほしい物 とかなんかしてほしい事とか・・・なんか俺にできる事ないか?」

「ハイハイ」とウキやスー達が手を挙げていたが、ちょっと無視をするとちょっとすねたのか頬を膨らませていた。


「完次さん 私は平気ですよ 完次さんがロボットを作っているのを見てるの好きですし」

クラリスはニコッと笑っていた。


「でも・・・もしよしければ・・・」

クラリスは少し悩んでいたが、すぐに決意を決めたようだった。


「私にロボット作りを教えて下さい。 私ここにきて農業とか家畜とかも好きなんですが あのアニメを見てからロボットに興味をもって 私も手伝いたいと思いました お願いします」

クラリスは頭を下げ、完次にお願いをした。


(正直教える事なんてした事ない ましてや教えるほどの技術などもない。なのに教えていい物なのか?)

完次はしばらく考えた結果。


「いいよ。そう言ってもらえると嬉しいし ロボット作りをしてくれる娘が増えることはいい事だと思うからね 明日から一緒にやろう。」

クラリスは嬉しそう顔をして小さくジャンプして喜んでいた。


「私も・・・よろしいですか?」

小さく手上げ声をかけてきたのは一緒に<オリン>に行ったサルフィだった。

「私は・・・その・・・ちょっと・・・・不器用なところが多いですが・・・文字が読めるので その・・・異世界こちらの本を完次さん達に伝えられたらなって思って・・・異世界こちらの本がないので・・・すいません・・・変な意味で言ったわけではなく・・・異世界こちらの本があれば少しロボットの役に立つのかなって思って・・・」


こっちの世界の技術がどこまで発展してるのか?どんなものがあるかの理解できていない完次にとってかなり嬉しい事だった。


「ありがとう。確かに異世界こっちの本が一冊もないな・・・近日中にでもまた<オリン>行こう そしたらいろいろと教えてくれるかい」

サルフィはニコッと返事をし、小さく手を挙げてを下げてもじもじと小さくなっていった。


「それじゃ私もサルフィちゃんのお手伝いをしてもよろしいですか?おそらくサルフィちゃんの作業は大変になると思いますので」

サルフィの手伝いをしてくれるのはエリー、クラリスに続くしっかり者で、よく周り見てて大変そうな人に声をかけてくれる。そして村長の娘である。


あとの二人の女の子は顔を下に向け完次と目線を合わないようにしていたが、その一人が完次に聞こえるのか聞こえないかぐらいの声でぼそぼそと言っていた。

「私 何もできる事もない」


「そしたら やりたい事・・・・・を見つけたら 教えてくれるかな」と完次はしゃがみ少女と同じ目線になってその少女に優しく声をかけた。その少女は完次に返事はせず下を向いたままだった。


「パパ ウキちゃん達だってロボット作りしたいだから 一緒にやらせてよ ウキちゃん達いつパパからお願いされるの待ってたのに。」


「いいのか?」

エイト達みんなは嬉しそうに返事をしていた。


「あのー完次さん どのあたりで悩まれていたのですか?」

エイトが完次に近寄ってくると、完次の心臓はドキドキと鼓動が早くなった。エイトに背中に抱き着かれてから完次はエイトに意識してしまい目を合わせる事ができなくなっていた。エイトを見るとあの時の感触がよみがえり、感情が高まっていた。


「お・・・おう あの 膝や足首と言った人間と言う関節部分の負担が大きくて 巨大ロボが完成したとしても二、三歩歩いただけで壊れてしまう だからなんか良いアイディアがないか考えていただけどなくて」


完次は自然の流れでエイトを見てしまった。エイトの考えている横顔も美しかった。長い黒髪を耳にかける仕草とかも素敵だった。そんな事を相手に気付かれないように完次は内なる自分と戦っていた。


「足の裏にキャタピラを付けて移動するするなんてどう?」

チュームが意見を出してきたが・・・


「ダメだ それじゃロボットじゃない どんなに遅くてもいいから足をあげて歩くのがいいのだ 巨大ロボットを作るのだから妥協はしたくはない」

ウキやチュームなども真剣に考えいろいろな意見を出し合ったが納得いくような答えが出てこなかった。


「関節部分の素材は衝撃に強く 出きれば軽くしたい・・・予想総重量が100トンだからこの重さにも耐えきる物でもあってほしい」

エイト達は完次の追加の要望にさらに頭を抱え込んでいた。


(やはり 難しい物なのか 足をあげずにキャタピラなどにしたほうがいい物なのか・・・だがやはりここは譲れない キャタピラにしてしまうとどうしても戦車にしか見えない ロボットは歩くモノだ)


完次はこれについて何時間も何週間も費やしても答えがでなかった。そして、今エイト達にも知恵を借りているが答えが出そうもなかった。


「あのー衝撃強くて 軽い素材なら 何でもいいでしょうか?」

話しかけてきたのは村の男の子で、眼鏡をかけた少年だった。この少年はバルメン=ヘンリック。農業などをよくしている気がしていた。


「そうだけど 重さ100トン以上耐えきる物。 そんな物あるのかい?」

バルメはもう一度考えてたが、自信があるようだった。

「はい。大丈夫です。衝撃には強いですから」

「なんだい?それは?」

完次はドキドキをしていた。もしこれが答えなら・・・脚部は明日から取り掛かれる。


「スライムです。」

「スライム?あのゼリーみたいなやつか?」

スライムは完次も見たことがあるアサゲ村の付近でゼリーみたいなのモノがピョンピョンと跳ねている所を・・・だが、あんなものが役に立つのかと思っていた。


「はい。スライムは剣などの斬撃に弱くて魔法などの耐性がなくて初級モンスターですが、打撃耐性は他のモンスターに比べてあるところがスライムに関する注意点なのです。」

(初級モンスター?ってことは弱いモンスターってことだろ?そんなモンスターが100トンも耐えきれるとは思わない だが・・・ 前回のオーガの骨もそうだった・・・試してみる価値ありだな)


「わかった。ありがとう。そのスライムを取ってくるとしよう・・・」

「ちょっとまったあああああああああああああああああああああああ 」

完次の話の途中で声をあげたのはネマンであった。


「そのスライム俺で取りに行く。」

ネマンは村の男の子達を集めてまるで男代表のよう話していた。

他の男の子達は反対や不満がありそうな子が多かったが、ネマンが「姉ちゃん達が頑張るって言ってるのに男のうちらが何もしないのはおかしいだろう。」って一喝してからは男たちはやる気を出していた。


完次は子供達だけで森を抜けスライムを安全に狩れるかどうかを考えていた。

だが、答えは簡単で〔無理〕である。森にはまだモンスターなどがいるかもしれない、それを自分より若くて武器や防具もしてない子供達には無理な話であった。


だが、ネマンが言ってたことに共感できる・・・


エイト達を連れて行かせればいい話だが・・・人選を誰に任せるか・・・


「完次さん私の役割は後の方なので子供達についていきます」

完次に話しかけたのは、エイトだった。エイトはあの化け物を倒したし子供達からも人気だ。コタ割る必要はない。


「頼む」

小さな声で完次はエイトにお願いをした。


「んじゃ おやじは明日からロボット作りに専念してくれ 俺達がスライムを大量にげっとしてくるからよ」


ネマンはニカと笑い、「明日は大変だろうから寝る」といって小屋へと戻っていった。他の村の子供達も明日からやることがあるからと言って晩御飯の後片付けをしっかり終えてから小屋へと戻っていった。ネマンの分は姉のクラリスがしっかりとやっていた。


(ネマン・・俺におやじって・・・まだ二十代だぞ・・・でも・・・・いいか・・・悪い気はしないな)


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