25話 化け物VSエイト
エイトは完次の笑顔を求めていた。ケイト達と完次との出会いについて話をすると、みんなは完次が笑って迎えてくれたと言っていた。だが、エイトは自分が完成をした時、完次の顔が少し残念そうな顔に見えたのだ。それが、エイトは悔しかった。だからこそ、人一番完次の笑顔作り、いつしか私もケイト達と同じく認めてもらいたいと思っていた。
エイトは盗賊の連中に目を向け、ミスをせず完次からもらった指示を行うとエイトは心に決めた。
(弓20人 剣20人 魔法使い3人 入力完了・・・予想行動パターン 入力完了・・・戦闘開始)
エイトは全速力で盗賊の剣士の所に向かうと、剣士達はエイトに切りかかったが、エイトは全て避けて一人の剣士から剣を奪い取った。エイトは奪い取った剣を匠に扱い、剣を奪った盗賊を切り殺したのだ
盗賊達の動きはそれからは後手後手の動きになっていた。もぅすぐ出化け物が来るという安心から今すぐ殺されるという不安に変わり逃げ腰となり、誰もエイトに攻撃しようとしなかった。
「何をやってるだ あいつらは」
店主は怒りをあらわにしていた。その横で盗賊の頭も必死で攻めろと指示を出していたが。状況は変わらなかった。エイトは丁寧に一人一人倒していて20人もいた剣士が10人くらいになっていた。
「ええい あいつらは駄目だ 弓兵で狙い打て」
店主は顔を真っ赤にして怒っていた。
「しかし、そうすると仲間にも被害が出ます」
盗賊の頭は店主に言い寄っっていた
「あいつらをあの場にいさせてもいずれ全滅だぞ そしてあっという間にこちらの陣形も崩れ あのデカブツがたどり着く前にほとんど生き残れないぞ いいのか」
化け物の難点に姿を現せてから戦場に着くまで早くても数分時間かかるという点だ。これまでの戦いは、化け物が姿を見せると敵は戦意を喪失して逃げるか連中か、化け物が到着するまで何とか耐えて化け物に暴れてもらっていたが、あの女は化け物が来る前にこちら殲滅しようとしていた。
盗賊の頭は悩んだ末に店主が言った通り弓兵で攻撃を仕掛けるように指示を出したのだ。弓兵はエイトと仲間に向けて弓を放った。
(予想時間より遅れて実行 矢の落下地点予測・・・完了)
エイト達がいる地点に雨のように矢が離れていた、店主たちがいるところには何人かの悲鳴が聞こえていた。悲鳴が聞こえても弓矢での攻撃は止まなかった何本も・・・何本も・・・放たれていた。その様子を見て店主は少しだが笑い、頭は少し悔しそうな顔をしていた。弓兵の残りの矢が少なくなった頃に、店主が「止め」と命令する弓矢の攻撃は止んだ。エイトと剣士が居たところには数百本の矢が刺さっていて、動く者がいなかった。
その様子を見て店主が大声で笑っていたが、動きがないはずの場所から何かが飛んできた。
そして、店主が振り返ると心臓を射貫かれていた弓兵がいた。
死体しかいない場所から飛んできてた矢は、全て弓兵の急所に当たり20人いた弓兵は全滅していた。矢を放っていたのはエイトだった。エイトは弓兵の攻撃。もの凄い眼光を店主に向けられていたが、店主はまだ笑みを崩してはいなかった。
「魔法使い達よ 【炎烈】の準備はできたか?」
店主の呼びかけに魔法使い達が頷くとすぐに店主は「放って」と命令をした。エイトを取り囲むように魔法陣が現れ瞬時に爆発をした。エイトはあっという間に爆炎の包まれてしまった。
「馬鹿め 戦闘で最初に気を付けるのは魔法使いなんだよ 詠唱しているのかしてないのかで状況は変わるんだよ」
店主は勝ちを確信したようにゲラゲラと笑っていた。【炎烈】は魔法使い三人で力を合わせて発動する魔法。盗賊たちの中で主力技の一つであり、自信があったのだ。
だが、爆発の箇所からエイトが飛びでてきたのだ。エイトの服が少し燃えていたが、目立った外傷はほとんどなかった。
「なんで 生きておるだ・・・ 炎の魔法【炎裂】だぞ 魔法全体でも中位以上の威力だぞ・・ 」
今まで余裕の表情をしていた店主であったが、魔法をうけても動けているエイトが信じられない様子だった。エイトは何かを投げる仕草をすると魔法使い三人は体に穴が空きその場で崩れるように倒れてしまった。
残っているのは店主と頭の二人だけとなった時、でっかい影二人を包み込んだ。二人は影の主を化け物だとすぐにわかった。そして、急ぎ足に化け物の後ろに隠れ店主は化け物に「あの女を殺せ」と命令をした。
「グォオオオオオオオオオオオオオオオ」
化け物の雄叫びは家が崩れるほどの大きな雄叫びであった。
化け物は雄叫びをあげた後エイトの方へと歩きはじめた時には、エイトは化け物に向け走り出していた。エイトの方が早くあっという間に二人の距離が縮まっていたいたが、先制攻撃を仕掛けたのは大きな体の化け物の方だった。化け物は持っている斧でエイトに向け振り下ろしたが、何事もなかったのようにエイトは避けたていた。
しかし、化け物が振り下ろした斧は地面を叩き割り、その衝撃波でエイトは遠くに飛ばされた。
エイトは空中で防御態勢を取りながら吹き飛ばされていたが、くるっと回転をし体操選手のような着地をした。手や腕などを動かし動作確認をし、小声で何かをつぶやいてからエイトは再び化け物の元へと飛びかかった。
今度は盗んだ剣で化け物を攻撃をしたエイトだが、化け物皮膚は分厚く固かった。剣は化け物に傷を残せずに、その一撃で砕けてしまったがエイトは驚きもせずにすぐさま、打撃行動をとっていた。エイトは化け物の体に飛び乗り全身にくまなく攻撃をしていたが、化け物は一切ダメージを受けていなかった。化け物はエイトをまるで体に纏わり付く鬱陶しい虫のように手で追い払おうとしていたが、その一つ一つの動きは遅くエイトをとらえることはできていなかった。
しかし、完次も敵の店主さえも目を疑うことが起きたのだ。エイトは化け物にまとわりつくのを辞めて今度は堂々と化け物の目の前で足を止めて待ち構えていた。
「いまだ 全力でその女をつぶせええええええええええええ」
店主は大きな声をあげて化け物に命令を出した。
化け物は雄叫びを上げながら大きな斧を振り上げると、化け物の筋肉は大きく膨れ上がり血管も浮き出ると、これからの一撃が凄まじいことを誰が見ても理解をした。
化け物が斧を振り押すと、遠く離れた完次達に地響きと風を切り裂くような衝撃波が届いたのだ。エイトが立っていた場所は地割れなどが起きていた。とってもじゃないが人間が耐えきれる一撃ではなかった。
土煙が起きていてエイトがどうなっているかわからなかったが、店主はエイトを仕留めたと思い高笑いをしていた。
土煙が晴れるとそこには人エイトは斧を腕をクロスして受け止めていた。その状況を信じられないのか、店主は目をこすったり、口をパクパクしたりしていた。
「全てのデータ入力完了 攻撃に移ります」
エイトはそうつぶやき。お団子ヘアーに使っていた髪留めを外すとエイトの美しい髪は解放されると、一瞬で化け物の首に飛び移った。
「あなたのデータすべていただきました ご苦労様です」
【七咲】
エイトは、先ほど外した髪留めで化け物の頸椎を思い切り刺すと、化け物はふっと糸が切れたようにその場に崩れ、動かなくなった。