19話 新技術と動力源
完次はいつもより早く起きていた。何かを作れると思うと完次は興奮してしまい早く起きてしまうのだ。だが、目覚めの珈琲がないのが少し残念であった。
完次は起きて小屋から出るとそこにはケイトとエイトが待っていた。
この二人本当に寝てるのか思う程いつも準備がよかった。寝てる事は知っている。こっちの世界でエイト達のエネルギー源は睡眠であった。睡眠をすることでエネルギーを蓄える、ほとんど人間と変わらない食事は取らなくても平気らしいが、食べた方が力が出るらしい。ほどんど人間と変わりはなかった。
ケイト達を連れルーネの仕掛けたトラップのところに行くとそこにはモンスターの骨がたくさんあった。しかし、オーガの骨は他の骨より一回りも大きかったのだ。ケイトはそれを慎重に持ち上げエイトに渡し完次が受け取った見た目は重そうだったが非常に軽かった。
少し間にケイトは罠落ちてあるものを全て拾いあげ大きな風呂敷に包み込みエイトの手助けにより罠から出てきた。
「ケイトにはいつも大変な仕事を任せてすまない」
ケイトは前回も大変で重要な仕事を任せていた。今回は死臭が凄い所に文句を言わずにやってくれていたのだ。
「完次さんに命令されることが私は嬉しいのです」
ケイトは頭をさげた。昨日チュームが言っていたことは少なくともケイトにとっては間違いではなかった。
だが、少し不安もあった。完次はあくまでも普通の人間である。だから、間違えることのほうが多い。だから、間違えた命令をするとケイト達が危機的な状況になるのだ。だからこそ、間違えた命令を出したのならそれをケイト達が拒否をしてくれるのかという不安が完次の中にあった。
完次はケイト達と一緒にルーネのがいる小屋に向かったのだ。中に入ると、ケイトはベットから起き上がることはできなかったが挨拶をしたのだ。昨日からルーネは完次が訪ねる度に謝り、その度に少し暗い顔になり、見るのがつらかった。だが、今回でその暗い顔を終わらせようと完次は気合いを入れてきたのだ。
「エイトすまないがセラを俺の小屋まで呼んでほしい」
エイトは頷きセラの元に向かっていった。
ルーネをお姫様抱っこをして完次の小屋へと行こうとした時に、ケイトがルーネを背負っていくと言ったが、ケイトには大きな風呂敷に入っている大量の骨を持ってもっらているので、完次はそれを断り抱っこして行くことにした。
完次の小屋に入ると、大きい部屋のほとんどが機材で埋め尽くされていた。恥じのほうに綺麗なベッドが置いてあった。ベッドはダブルサイズのベッドでエイト達が完次の部屋に置いてくれたのだ。ダブルサイズとはいってもベッドがたまたま二個余りそれをエイト達が接合しただけのベッドだったが、それでも完次は嬉しかった。女性から何かもらったの初めてだったからだ。
完次はそのベッドにルーネを寝かせた時にセラが到着したのだ。
「セラ このオーガの骨を削ってくれないか まずはこのラインまで削ってほしい それから少しずつ削ってルーネに合わせていく」
セラは任せろと言い、セラは前回盾として使っていった円形状ドリルと小指からミニルーター(小さな研磨機)が出しその先端部分であるビッド部分を変更したり動作確認を終えると再び小指にしまった。セラの動きは精密で、大きく削る所は円形状のドリルで削りそしてライン付近の細かい所はミニルーターで削っていった。
完次はルーネの横に準備していた部品や道具を取り出し、ケイトはそれを綺麗に並べていった。まずル両足から作業することにした。今回治療をしやすいように、普段は長ズボンやパーカーを着ているーネがに今回短パンと半袖を着てもらっていた。いつも肌を隠してるルーネの肌は白く綺麗な肌で隠しているのがもったいないと思っていた。
セラが一つ完成したのか、その骨をケイトが受けとっていた。完次は折れた支柱を慎重に取り除き、そこにケイトから受け取った骨をはめようとしたが、少し大きくうまくはまることができなかった。その少しをどう伝えればいいのかわからなかった。何ミリなのか何センチなのかわからない。こういうのは隙間がない方がいいのだがそれがうまく伝え悩んでいると、ケイトが気が付いたのか耳元で「3.2センチです」と小さな声で完次に伝えた。誰にも気づかないように小声で完次に伝えた。完次はケイトにありがとうと小声で言った。
「セラ 3.2センチほど削ってほしい」
セラは何喰わない顔で再びミニルーターで削り、完次に渡したのだ。おそらくぴったり3.2センチ削ったのだろう。
(こういう所もセラ達のすごい所なんだよな)
正直少し羨ましかった。即座に長さを測り、その長さを正確に削れるその腕がほしかったのだ。
再び合わせみると隙間なくはまり、完次は今までついていた部品を骨に取り付けていった。無事に取り付けが終えルーネに動作確認をしてもらうと、動いたのだ。セラ達は喜び、完次は小さくガッツポーズした。正直いろいろと不安があった。だけど、こうやって動くことを確認すると完次はホッとした。
残りの両手と片足も無事に終えた。そして、ルーネは自ら起き上がり立つことができ、歩くことも走ることもできていた。無事にルーネの治療を終えた完次は少し疲れが来たので椅子に座った。治療にかかった時間はおよそ6時間ほとんどが中腰の作業だったため、腰などに疲れを感じていた。
「完次 ありがとう」
ルーネは完次にお礼を言った後、フードを深くかぶりその場を立ち去ったのだ。ベッドを元に戻す作業を終えるとケイトとセラも別の用事がなのか完次の部屋から出っていったのだ。
完次は部屋に一人になり、ベッドに横になりこの先のことを考えていた。
(今日の収穫はモンスター等でも治療が可能の事れは大きな収穫だ。次に食事だよな 昨日は木の実と魚だったけどこれが普通なのかな だけど、これが続くとなると少しは不満もたまるだろう これはエイトに任せてあるけど後でいろいろ聞こう それと一番の課題 動力源だよな)
前の世界では電気が通って当たり前だったがこっちに来てからは電気なんて通ってもいない。だから、発電機で今までごまかしていたが限界が来ていたのだ。
ロボットを作る資源、作業スぺ―スがあるが作れる機材が動かない。前の世界とは逆のことで悩んでいた。
(異世界に来たからなんかあるだろ 魔法とかでないのかな)
そんな甘えた考えをしている時にドアをノックする音が聞こえた。
ドアを開けるとそこにはネマンがいた。
「お疲れのところすいません あのー こちらに自然石があると聞いたんですがありますか?」
「マザネイ?」
「はい 白い石みたいなものですけど」
完次は鉱山で見つけてきた。純白の鉱石の事だとすぐに理解した。見た時は直感で何かあると思ったけどその後いくら研究しても何もないから綺麗な石だと思ったいた。
完次は机の上にたくさんある拳くらいの自然石をネマンに渡した。ネマンは凄く驚いた顔した。
「こんな大きいのいただけません このサイズは王国に持ち込めば金貨20枚いや30枚くらいになると思います もっと小さい物を・・・・・」
ネマンの手は震えていた。かなり高価な物を普通渡してしまったらしい、だけどこの大きさな物はゴロゴロとあの鉱山で転がっていたしもっと大きなものたくさんあったので完次にとってはこのサイズは小さい方だと思っていた。
「ところでこれはどうつかうかな」
ネマンは先ほどよりも小さな自然石を受け取り、たき火をしていた場所へと案内された。
たき火の中に自然石を入れ、そしてスコップで自然石を取り出すと燃えていたのだ。たき火の火が移ったのではなく自然石が燃えていたのだ。
「こうやって 自然石を入れると炎をもらうことができるです そしてこの自然石は弱まったり消えたりはしません たき火だと木材など入れないと消えてしまいますが この自然石の炎は消える事はりません もし消したくなったら火を消すように水をかけると消えます」
完次は、信じられない光景だった。石がメラメラと燃えていたのだ。他にもいろいろと教えてくれた。自然石は打撃に脆いということだった。ハンマーなどですぐに砕くことができる事、それと魔法の炎などではできない事 自然石の大きさの違いで力の大小が変わる事 例えば小石程度の自然石なら蝋燭の火程度しかないが拳なら一軒家を包み込む炎を生み出せるらしい これ利用して王国には街灯などに使っている事だった。
その言葉聞いた完次はすぐに小屋に戻り、自然石と作業用手袋を持ち発電機と自然石をつなげてみた 見た目は大して変わっていなかったが完次は自信があった。
発電機とつなげていた自然石を手袋で持ちプレス機のプラグに触れさせ スイッチを入れると
ガガガツという音が響き渡ると
「よっしゃあああああああああああああああああ」と大声で叫んだのだ