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異世界で何をする?決まってるだろロボットを作るんだよ!!  作者: 中田 ロボ
異世界でロボットを作ろう
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17話 子供達と目標

部屋から出るとそこは見覚えがある景色だった。鉱山のふもとにある広場だった。広場にあった一軒を病室代わりに使用していたのだ。


「どうやってここに来たんだ?」


完次は少し疑問だった。村から鉱山までは少し離れているそれをあの強敵であるハロウィンに見つからずに村の子供と負傷したセラ達と完次をどうやって運んだのかわからなかった。


「それはチュームさんが説明してくれると思います」

エイトは完次に肩を貸しながら答えてくれた。


隣の子屋の前には少女と少年が畑らしきものを作っていた。その少年少女のところまで行くと二人は少し脅えていたが真っすぐ完次を見ていた


「このが薬草を教えてくれた クラリス=バーンべールさんです こちらの少年はクラリスさんの弟さんネマン=バーンベール君です 」

二人はエイトに紹介されると頭を下げたのだ。完次をすかさず頭を下げた。


クラリスは可愛いというよりも綺麗な女性だった。畑を作業している時はポニーテイルだったが、完次近づくと作業止めポニーテイルためにつけていた髪留めを外して髪を降ろした時には16歳とは思えない少女だ。


ネマンはきりっとして大きな瞳を持つ少年だった。日ごろから両親の仕事を手伝っていたのか体格は良く髪も短髪でスポーツ系男子であった。歳は15歳であった。


「こちらが私たちの主で 名竹完次なたけかんじさんです」


「薬草ありがとう 本当に助かったよ ありがとうございました」

完次は再び頭を下げた。この娘がいなかったら助からなかったかもしれなかったのだ。完次は顔をあげるとクラリスはニコッと笑った。


「こちらこそ この度はお助けていただきありがとうございました」

クラリスはそう言い頭を下げた。完次はクラリスの方が自分よりはるかに礼儀正しい娘だと直観的に理解した。


「ところでなんで畑を作ってるのか聞いてもいいかい?」

「はい なんかじっとしているよりも体を動かしている方が考え・・・」


クラリスの口が止まった。何か思い出しかように涙目になっていた。完次は涙目になってから気が付いたのだ。


この子達は両親が目の前で殺されているのを見ているのだ 


クラリスの瞳から大粒の涙がぽろぽろと落ちているのは見てはいられなった。ケイトが綺麗なハンカチを取り出しクラリスはそれ受け取りハンカチで涙を拭いていた。


ネマンも泣いている所は見てはいないが、ほほに少し泥が付いていて、目が少し赤くなっていた。おそらくだが、誰にも見られないよう自分の腕で涙を拭いたのであろう。


そして小屋の中からは10人の村人が出てきたのだ。クラリスとネマンを含めると男7人女5人総勢12人が完次の目の前でお礼の言葉と挨拶をしたが、クラリス達と同じく元気はなく生き生きとした目ではなく、まるで魂を抜かれたような目をしていた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


完次は産まれてすぐ両親を亡くした。完次は物心がつく頃には両親は祖父母だとは思っていたが、小学生の頃に状況が変わった。クラスの子が完次の両親がいない事を知り完次に報告をしたのだ。だが、完次はそれをすぐに否定をしたのだ。そこからクラスの子達と言い合いになり喧嘩沙汰となったのだ。その後、学校に呼び出された祖父母と一緒に帰ることになった。その帰り道に完次はクラスのことが言っていた事を思い出すと、本当の両親ではないかと疑い持ってしまったのだ。そのことに気が付いたかよくわからないが祖父が話し始めたのだ。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その後の言葉今でもよく覚えてる。祖父の言葉とその後の祖父母の笑顔でそのときの完次は救われた。

 

完次は一つの覚悟を決めた。そして、深く深呼吸をして村の子供たちに話し始めたのだ。


「みんなこの先どうすればいいとか思ってるかもしれないけど 俺が何とかする 急で頭が混乱するかもしれないけど みんなはここで暮らしてほしい」


クラリスが完次のほうへと歩み寄ってきた

「どうして? どうしてそこまでするのですか? 私たちは完次さんとは赤の他人ですよ」


「困ってる人がいたら助けること 助けてもらったなら自分も助けられる人になること これは私が尊敬してる人が言ってたこと 君たちの両親や村には本当に感謝してるから君たちに少しでも恩返ししたいだから 君たちの親になることを決めた」


「え?」

いたるところから声が聞こえた。まぁ当然だよな 急に親になるなんて言われたら困るよな 


「みんなはそのままでいい 俺が変わるだけだから これから君たちを自分の子供のように扱うから いつか君たちの中で私が一番信用できる人になれたら嬉しい 君たちの両親にはなれないが両親になれるよう私は努力する これだけ伝えたかった」


村の子供達はポカーンとした顔だった。


「よしとりあえず ここを君たちの部屋にしよう こっちが男子用で向うが女子用だ」


完次はケイトに村の子供たちの宿綺麗にすようにお願いをしようとしたら、ケイト自身がやりたいと自己申告してきたのであった。


「完次さん私はどのようにすればいいでしょうか」

ケイトは子供達にも人気でそうだし、子供たちと近い距離でお母さん的存在になってほしいからできるだけ子供たちと接するようにしよう。


「エイトは村子供たちが食べたいもの聞いてくれるか 私もみんなと同じ物で構わないから それとこっちでどんな食べ物食べていたか どんな料理を作っていたかきいてほしい 」


完次はエイトにお願いをした後、立ち去ろうとした時


「それと完次はこの後どうするんですか?」

少し心配した顔で完次を見ていた


「セラ達の治療を終えたら この鉱山でいろいろ研究した後 私は新しいロボットを作る」


その言葉聞いたエイトは目をキラキラと光らせ今まで見た中で一番うれしそうな表情をしていた。

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