16話 エイトと看病 *修正中
ツンとした匂いと共に完次が目覚めるとそこはいつもと違う景色が見えていた。体を少し動かそうとすると痛みが全身に走った。
(生きてるのか)
完次は、全身包帯が巻かれているのに気が付いた。
そして、すぐ側から人の気配と寝息が聞こえていた。
そちらに視線を送ると椅子に座りながら寝ているエイトの姿が見えたのだ。エイトの白いワンピースを着ていたが、今その白のワンピースが下着とほとんど変わらない所まで破かれていた。見えているエイトの肌は綺麗で体のラインはすっきりとしていた。男なら見惚れるほど美しいプロポーションをしていた。
これ以上見たらまずいと思い逆向きになろうとゆっくりと体動かしたとした時ベットがギシと音が鳴ったのだ。その音に反応するかのようにエイトが起きた。エイトはまだ眠たいのだろうだか目をこすり目を少し開いてこっちを見たのだ。そして、完次と目が合うと先ほどまで眠たい目をしていたのが嘘のように大きく見開き、今から泣いてもおかしくない目をした。
「皆さんを呼んできますね」
エイトはその場立ち去ってしばらくすると、遠くからバタバタと走る音が近づいてくるのが分かった。完次はゆっくりと上体を起こすと病院と同じように周りをカーテンで囲んであったのに気が付いたのだ。
「パパー」
最初に来たのはウキだった。ウキは無邪気に完次に抱きついてきたのだ。
(痛い)
ウキは抱きついた後完次に頭をこすりつけてきたのだ。子供がよくお母さんに頭を撫でてもらいたくて頭をこすりつけているのを思い出した完次は、ウキの頭を頭を軽く撫でてあげたのだ。ウキは完次に頭を撫でられると満面の笑みを完次に向けていた。
後からスーやケイト達がやってきたのだ。みんな安心したような顔をしていたのだ。
「何日くらい寝てんだ」
完次の最後の記憶はエイトに抱きかかえられてたところまでだった。そこからは意識を失い記憶がない。
「あれから5日ほど経ちました」
5日も寝ていた事に驚きはんかった。自分が重体だったということは知っていたからだ。自分の左半身は大火傷で大変なことになっていることはハロウィンとの戦闘中に見ていた。そして、この包帯の下は大変なのことになっていて事も覚悟していたが、ここで少し疑問に思った。
ウキが抱きついてきた時、痛かったが我慢できるほどの痛みだった。もしも完次が思っているほど重体ならウキが抱きついた時には絶叫するほどの痛みがくるはずなのにこなかった事に気がついた。完次は恐る恐る包帯を上に少し持ち上げた。
左半身の大火傷部分が肌が赤黒くなってだけで腫れや水ぶくれ、ただれなどは起こしてはいなく、全身に切り刻まれていたが傷跡は残っていたが腕や足を失ってたり、指が動かないことはなかった。
「すげえ ほとんど治りかけている」
完次は素直に驚いた前いた世界ではこうはいかないなと思うのであった。
「村の子供の一人が火傷と切り傷など完次さんの症状にあった薬草を知っていて摘んできてくれました たぶん薬草が効いてくれたのでしょう」
完次は昔ゲームやっていた時に登場した薬草思い浮かべていた。
(火傷や毒、しびれなどに効く草だっけなゲームでは一瞬で治るけどこっちでは時間をかけて治るのか)
完次はその知識はこれから必要になると思いその子にはあとでいろいろと聞くことにした。
「その子には感謝しないといけないな」
ぽこと頭軽く殴られたのだ。殴ったのは先ほどまで抱き着いていたウキだった。
「その子だけじゃなくて ちゃんとエイトお姉ちゃんにもお礼を言わないとメなんだよ」
まるで子供を怒るようかのようにウキに怒られた。
「エイトねぇは村の子供に薬草の場所を教えてもらって毎日摘みに行って、毎日新鮮な薬草かえたりしたりしてたんだから。それに包帯だって最初は救急箱に入っていた物を使ってたけど無くなったから自分の服を破いて包帯代わりにしたんだから みてよエイトねぇの破廉恥な姿を」
チュームにも怒られた。
完次はエイトにお礼を言おうとエイトの方に目線を移すと座っていても色っぽいのに立つさらにいろんなところが見えさらに色っぽさが増していた。太もも、脹脛、脇腹、すべてが完璧なほど美しかった。それに、エイトがおしとやかな女性であるからこそ下着姿と変わらないような服装をしてると、男性なら心を揺さぶられるだろう。そんな気持ちを完次は押さえつけて感謝の気持ちをエイトに伝えたのだ。
「エイト ありがとう」
エイトは笑っていた。この笑顔だけでもきっと救われる人がいるだろうと思った。
完次はエイトにお礼を言った後ふっと気が付いた。エイト、スー、ウキ、チューム、ケイトの姿は見えたがセラ達が見えなかったのだ。
「セラ達は大丈夫なのか」
そうエイト達に問いかけると
「うちらは大丈夫だ ルーネとマーニャはこっちにいるよ」
そうするとカーテンの向こうからセラの声が聞こえた。
(よかった みんな生きてる)
完次はみんながいることに安心した。
「そうだ。村の子供にお礼を言わなきゃ」
完次はベットから出ようとした。
「無理はいけませんよ まだ治ったとはわかりませんし」
完次はその言葉を無視をしゆっくり立とうとした。
「大丈夫だ」
完次はベットから出ってゆっくりとと立ち上がったのだ。完次は前いた世界でもそうだったが、心配されるのが苦手で、寝てる状態が続くと悪くなってしまうと思っていたのだ。完次は立ち上がったが少しふらついたのだ。そこにケイトとエイトが肩を貸してくれた。二人にお礼を言いカーテンをめくるとそこにはセラ達がいたのだ。
セラは腕の半分が溶けかかっていて、マーニャは顔に罅が入っていた。そして、ルーネは一番の重体だった両手両足から折られていた。
セラはえへへと笑っていて、マーニャは顔を見られたくなかったのか毛布の中に顔を隠し、ルーネは声も出せないか口がパクパクと動いて何を言っているのかわからなかった。
「すいません 私たちではセラさん達を治すことができなくて」
エイトはセラ達を治そうといろいろとしたがダメだった事を完次に話した。まずどこを触っていいのかそしてどのように治すのかわからなかった事、どこを痛めてるから動かないのか、どこを痛めてるから言葉が出ないのかそれは怪我した本人すらわからなかったのだ。
そのことを聞いた完次は、おそらくこっちの世界ではエイト達を治すことができるのは自分だけと理解した。理解をしたときは嬉しかったが逆に自分が死んだ時はエイト達も死んでしまうことに気が付きプレッシャーを感じた。
「後で絶対治すからそこで大人していてくれ」
完次はいますぐセラ達を治そうとしかったが、先に村の子に感謝を伝えたかったのだ。その子は自分にとって命の恩人の一人だからこそ直接お礼を言いたかったのだ
完次はゆっくりと村の子供に感謝を言いに向かったのだ。