13話 魔法VSロボット マーニャ編
完次から指示を受けたマーニャはセラとは違う方向に敵を誘導しに成功して、村から少し出た所で足を止めているマーニャは鼻歌を歌うほど気分が高まっている。
完次に名前を覚えていたことが嬉しいのだ。マーニャは緊張して話せないのに他のメンバーは完次と楽しそうに会話したり、触れ合っていたり、冒険したりしてる中で自分は何もしていない。
こっそり覗いたり、こっそりと完次の後を追ったり、寝ている間にこっそりと手を握った事もある。こんなコソコソな日々を送り何一つ印象が残る事をしていない私を名前を覚えてくれただけで嬉しいのだ。
一つ気がかりなのは、印象がないのにも関わらず戦闘要員に選んだか疑問に思うところでもあったが、そん案事よりも完次に『命令』された事を確実に実行しなけれならない。
『敵を引き寄せて勝てるようだったら戦っても良し』
そしてセラの賭け事の勝負、どっちが早く倒せるか。勝てば〔旅に出ていた時完次様の情報〕負ければ〔セラの生前 完次様の情報〕の情報交換である。
マーニャがもしセラに勝てた場合には、冒険から三人組が帰ってきた時興奮していた完次が治療していた時の思い出の情報を入手でき、それを再生をすればマーニャは完次から治療を受けてる疑似体験ができるのだ。
・・・ 疑似体験したいですわね 私これを体験をしてしまったら グフェ グフェ・・・
疑似体験の事を思うだけでマーニャは涎を垂らしそうなだらしない顔になるが、頬を数度パンパンと叩き気合い入れる。相手は八人の中でも唯一の武闘派に近いロボットで強いのに、エイト次ぐ二番目の高性能と年を取るごとに多少成長した完次の秘術力が兼ね備えている。
逆にマーニャは、三体目のロボットで完次の技術力もそこまで成長していなく性能も下から数えたほうが早かった。これでは普通にマーニャの負けは決定しているのだが、マーニャには自信がありセラに勝てると思っている。
唯一マーニャがセラに勝っている要素は【思い出】の量だ。
それは、異世界に来る時にあの声の主に教えてもらった。【八人はそれぞれは平等になるような仕組をしている】最初は言われてる意味がよくわからなかったが、先の騎士達を殴り飛ばした時に実感した。
自分は思っていたよりも弱くはない。そして、セラに負けない力も持っている。あとは…
・・・ あとは どちらが完次様が与えてくれたものをうまく使いこなすか… そんなの私に決まってますわ 完次様を想っていた日数、眺めていた日数、完次様の事を考えてい日数どれも私にセラ御姉様が勝てるはずありませんわ だから、私は完次様が望んだロボットのように【個性】溢れる戦い方で勝ちますわ ・・・
完次とマーニャの出会いはこのような始まり方であった
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顔にオイルを付けた男が私の視界に入る。
「名前は…マーニャ」
何とも言えない達成感をしている青年はどうやら私の主人らしい。まだ若く髭も剃ってあり髪型は短髪にしてありなかなかの好印象であった。
だが、すぐにその言葉を撤回するような日々を送るようになる。
【個性】
私の主人は完成をしてからもこれに悩んでいる姿がある。私に様々な物取り付けたり、色を変えたり、見た目の印象を一変させてみたりと体をいじられていた。当初は体をいじられる事が嫌だったけれども、体は動けず拒否行動を取ることが出来ずにいた。
本当に様々な事をされた。主人のロマンだったのかわからないが腕が伸縮自在になったり、角などをはやされたりもしたが、それらが取り付けに失敗して元の身体を壊す度に主人はこちらに謝罪をしている。
言葉も発せず動きもしなく…生命として誕生していないモノに私の主人は毎回謝ってくる。
なぜか笑みをこぼす様になっていた。
嫌いだったはずのモノが好きになっていく自分いた。自分に取り付ける作業している時や仕事をしている最中の鋭い眼差しに目を奪われる回数も増えっていった。
やがて、多くの時間と労力を削ってようやく納得するようなものを私に取り付けてくれた頃には、好印象から嫌いな男性と変化したが最終的には初めて男性が好きになっていた。
どうやら私の他にも二体のロボットが存在するらしいが、初めてのオリジナルの部品を用いて完成したが私らしい。
相当嬉しいのだろう今までに見た事ない笑みを浮かた時、私はこの笑みに惚れてしまったのだ。クシャっと笑い、私を癒してくれるその笑顔に心を奪われてしまった。
それからの日々は、動かせない視界に主人が入るたび嬉しく思うようになり、ずっと視界に入っていてほしいのと望むのだが叶わない。
姿が見えなくなり、ようやく表れたと思ったら落ち込んでいて元気がない様子だった時には私は何が起きたのか確認することすらで出来ないでいた。
このもどかしい体を頂いて八年。耐えに耐えようやく自身の意思で動かせる体を貰った時は心から踊った。これでもっと主人を眺めていられる…これでもっと主人の役に立てると思ったから心が躍ったのだ。
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魔法使い達はマーニャに誘導された地点で先ほどから魔法を放っている。火の魔法【火球】を仕掛けたマーニャに当たっていても全く効果がなかった。
火系統の魔法を撃ち続ける魔法使いもいれば効果が見れないとなると、別の魔法で応戦をしている者もいる。だか、それらの魔法もどれだけ数を放ち続けても、マーニャに傷つけるどころか服に汚れ一つ付けない状況にいる。それでも、魔法使い達は魔法を放ち続けている事を辞めはしなかった。
「貴方達 本当低知能ですね 効果がないのに辞めなとかどこまで愚かな存在なんでしょう まぁ諦めず試行錯誤繰り返している完次様は好き…いや大好きなの 」
頬を赤く染め照れている仕草を行っているマーニャにも、効果がないって言われたのにも関わらず魔法を放ち続ける。
「さてと… 魔法の情報を入手出来ました事ですし そろそろ倒させてもらいます。」
マーニャはスカートの両端を持ち少し持ち上げ礼儀正しくお辞儀をしている最中に、魔法使いが地の魔法である【小投石】で攻撃を仕掛けた。地面に転がっていた小石が誰かに投げられたようにマーニャ向け飛んでいくが、それをマーニャは扇で受け止めた。
「ちっ」舌打ちをし目じりを険しく釣り上げて恐ろしい眼でマーニャは魔法使い達を睨んでいた。
扇に傷がついてないか、ドレスが汚れていないか事細かく確認し汚れていない事を確認が取れた時には、ほっとし安どの表情を浮かべていた。
魔法使い達は、地の魔法【小投石】が先程まで防ぐ行動を取らなかったマーニャに動きがあった判断すると、火の魔法【火球】から地の魔法【小投石】と攻撃を変えた。
そこら中に落ちている大量の小石が魔法によりマーニャの元に飛んでゆが、これらを今度は扇ではなく広げた日傘で受け止めたマーニャは、強面で魔法使い達に言い放つ
「もぅいいですわ 貴方達は礼儀を知らない愚かな下種よ そんな下種共にはきついお仕置きすることに決めたわ 」
【change Painting mode】
すると、ピンク色と白色で彩られたお姫様ドレスが様々な色をしているドレスに日傘と扇を持った姿へと変貌する。
「いい よく聞きなさい 私を汚していいのは完次様ただ一人 それ以外には汚されたくも触れられたくもないのよ それにセラ御姉様と勝負をしているので 早く終わらせますので宜しくお願い致します 」
扇からは霧状に何かが出ていたる。それを、マーニャは扇ぎながら浴びていた。肌は化粧水塗ったようにツヤツヤになり、服もラメが付いたみたくキラキラと光っていく。
「これで私には貴方達の攻撃は一切傷をうけなくなりましたわ」
魔法使い達は、マーニャに向けて火の魔法【火球】風の魔法【風切】地の魔法【小投石】を放つが、マーニャには当たるが【火球】はすぐに消え、【風切】【小投石】を受けたが服や肌には傷や汚れなど一切ない。
「わかりましたか? 次はその魔法というモノを止めさせていただきます」
マーニャは扇を魔法使いに向け、日傘を魔法使い達の上空に投げ飛ばす。
【塗灰】
扇からは赤色の液体が消火作業をするポンプ車のように魔法使い達に向け液体を放出し、上空に飛んでいる日傘からは青色と黄色の液体がスプリンクラーのように噴出されると、魔法使いを含め辺り一面が灰色の一色の世界へと変わる。
「これにて下種共にお仕置きを終了 セラ御姉様の事ですし 勝負を一瞬で終わらせてくると思います ですので、私はここ帰らせていただきます 下種共 魔法絶対使わないようにしなさい これがマーニャ様の最期の忠告よ いい」
そう言い放ち魔法使いたちに背を向けるするマーニャ、マーニャの耳には遠くで聞こえるエンジン音が聞こえていた。マーニャはそのエンジン音の主はセラだと予測し急いで<アサゲ村>に帰ろうとする。
その瞬間魔法使いの一人がマーニャの忠告を無視し魔法を使おうとした瞬間に爆発起きたのだ。
「忠告も聞けない… 知能がない豚ね」
爆発が起こした箇所には魔法使いの姿はない、あるのは大きな爆発跡と肉片となっている。手だったものなのかそれとも足だったものなのか、それすら確認できないほどにバラバラになっている。だが、それでも魔法を使おうとした魔法使いが爆発を起こし肉片へと変わるのを見えると、魔法使い達は動きを止めその場で動きを止めまるで案山子のように動かなくなる。
「うん 貴方達は多少知能があるようね でもね…もぅお仕置きは終わっているのよ 」
動きを止めた魔法使い達の中で、徐々に変化が起きていく。手だけが重たくなり地面に倒れ込むものが現れたり、足をバタバタさせ首辺りを爪は割れ指から出血している手で一生懸命ひっかものもいれば、自分の意思で動けなくなった足を血だらけの拳でバシバシ叩いているものがいる。
「それはね…って 説明しようと思ったけど 不要みたいね」
魔法使い達は動きを辞めた。まったく動きがない。先ほどまで動いていたものは全て彫刻のように動きを止める。もがいていたまま、自分の足を叩いているもの、地面に這いつくばっているもの、様々な死に様をしている彫刻ができあがった。
マーニャは元のピンクと白のドレス姿に姿を戻すと、服に再び汚れ傷がないか確認をする。
「汚れなし 損傷なし よし完璧 」
マーニャは大好きな男性とデートをする前の女子のように何重にも確認をした後、急ぎ足で<アサゲ村>に向かう。




