表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/35

~特別な人生~(最終回)

 この文章を書き始めて、何年が経過しただろうか?

 20年だろうか?30年だろうか?40年近くかも知れない。いわば、これは僕の日記のようなものだ。僕が、僕の人生を振り返りながら、適当に思いの丈や経験を書き綴ったもの。他の人から見れば、何の役にも立たないだろう。

 けれども、普通の人間ならば、誰しもこのような文章の1つや2つは残しているもの。僕も、それにならって、1つ書き残してみたに過ぎない。


 僕は、この国に生まれた1人の普通の人間に過ぎない。

 普通に生まれ、普通に暮らし、普通に恋をして、普通に結婚し、普通に子供を育て、普通に生きてきた。そうして、きっと普通に死んでいくことだろう。

 もはや、ここから別の人生を歩むことなどできはしない。僕の人生は、完全に決まりきってしまっているのだから…


 だが、それでも、と思う。

 もしも、僕がこの人生を最初から歩み直せるとしたら。あるいは、もう1度、生まれ変わることができたならば。その時は、もっと別の人生を歩んでみたい。“普通の人生”などではなく“特別な人生”を。

 特別な経験をし、特別なモノの考え方や感じ方をして、決して他の人では歩めないような人生を歩むのだ。


 実は、この文章だって、そういう思いがあって書き綴られてきた。

 僕は羨ましかったのだ。僕にできないコトをやってのけられる人達が。僕にできない人生を進み続けられる人達が。僕は、彼らのようになりたかった。心のどこかで、常にそう思い続けていた。

 だから、意地を張ってみせたのだ。「特別な人生など歩まずとも、こんなに幸せなのですよ。普通の人生もいいものですよ」と去勢を張ってみたのだ。


 次の人生では、もっと特別で特殊な人生を歩もう。たとえば、世界の端っこで、誰にも会わずに、一人孤独に小説を書き続ける人生とか…

 それが、普通に生き、普通に死んでいく、この僕の願い。


   ~完~


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ