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07 うれしいにちじょう
07 うれしいにちじょう
彼は自分のことを、せいじとなのりました。せいじさんは花火を一緒に見たあとから、たくさん私の部屋に遊びに来てくれるようになりました。
といっても、私の部屋にせいじさんが遊びに来てくれるのはお日様がお休みして、お月様がお空に出てくるようになってからです。
朝はおばあさんが食事を持ってきて、お昼はせいじさんは働いているそうです。そうなると、空いている時間は夜だけになってしまいます。
「夜は暗いから危ないよ」
と注意すると、
「大丈夫。それに夜は誰もいないから、ここに来てもばれないんだよ」
って言いました。
その言葉に、私は少し悲しくなってしまいました。
だって、せいじさんはよくここに遊びに来てくれるけれど、でもそれはいけないことのような気がしたからです。
せいじさんは、私とは違って、皆と同じで、黒い髪に、黒い目をしていました。
遊びに来てくれることはとても嬉しかったけれども、私はそれでいいのかな? って思いはじめるようになりました。
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