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02 小窓から見えるむずかしい言葉

02 小窓から見える難しい言葉


 塔の一番上の、小さな窓から顔を出すのが、私は大好きでした。

 村で一番高いこの塔は町全体をすみずみまでみることが出来ます。

 小鳥がたまに遊びに来てくれたりもします。

 この部屋にあるのは生活に必要なものばかりで、私の暇をつぶすものはありませんでした。

 だから毎日、空を見ます。

 雲は毎日形を変えるし、星は季節によって見え方が違います。外の世界はとても飽きることはありません。

 そうして今日も空をながめていると、窓よりも少し下に、何かが上ってきて、またすぐに落ちていきました。それは連続で二・三回起こりました。だけれども、全部私には届きません。

 何か。といったけれども、何を投げられたか私は知っています。小さな石です。

 私が下を見ると、子供が三人いました。ひとりとても体が大きい子がいて、残りの二人は大きい子の子分のようでした。

「おい! きもちわるい女! かおだすなっ」

「「だすなぁ~」」

「こんにちはみんな! 学校は終わったの?」

 私がこんなことなれたもので、笑顔で返します。ここに来てくれるのは食事を運びに来るおばあさんと、こうしてからかいに来てくれる子供だけです。

 貴重なお客様だから仲良くしたいのだけれど、なかなか仲良く慣れません。

「うるせぇ! お前に関係ないだろぉ!」

「「ないだろぉっ~」」

 この三人はいつも仲良しで、いつも一緒です。

 学校が終わったのは知っています。だって、キーンコーンカーンコーンって音が響いていましたから。

「そんな言葉使いしちゃだめよぉ!」

 そう言うと、三人はなにやらひどいことを言って去っていきました。あまりこの国の言葉が得意じゃない私は、むずかしい言葉やとおまわしに言われるとわからない言葉がたくさんあります。

 学校に言ったことのない私は、全くこれっぽっちも分かりませんでしたが、子どもたちの話しかたででバカにされたことはわかりました。


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