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めぐお姉さん.....と
ミシェルは、苦しい息遣いで
そんな、譫言を言ったけれど
個室寝台、ひとり用だから
誰にも聞かれる事はない。
病気になった時、心細くなって
つい、本音が飛び出したり
するものだけど。
15歳のちょっと、向こうっ気もある。
誰にも聞かれなかった事を
幸に思うミシェルでもあった。
「でも、今なら言えそうな」そういう
気持ちでもあった。
愛の告白を。
その頃のめぐは、みんなと一緒に4人個室で
夢の中。
でも、廊下を歩いて行った
車掌の靴音、絨毯敷廊下で
ゴム底の靴なんだけど
でも、なんとなくその音に
眠りが浅くなって。
夢を見た。
ふんわり、雲の上を
さくさく歩いて行く自分。
なぜか、ミシェルは
遠い雲の上に横たわり
苦しい息遣いで
めぐお姉さん、と
熱っぽく呟くのだった。
それは、夢と言うか
魔法使いの第六感、だったのかもしれなかった。
めぐは、ミシェルがかわいそうになった。




